上巻で、引っ張るだけ引っ張って、箸が落ちただけで壊れてしまいそうな状況(*1 )で、3ヶ月待たされた「文学少女」ついに完結です。
沖縄は発売日より入荷が遅れるし、初回配本はそんなに冊数来ないらしいし、そんなこんなで発売日から1週間以上たって、何とか店頭で見つけることができました。
物語で提示されていた絡まりあった謎が何気ない小さな描写を絡め取って、すべてするりと解ける感じ。ただただ圧倒されます。
だから、いろんな登場人物の気持ちになって、物語を読み返してみるのよ。そうすると新しい物語が生まれるから。
(“文学少女” と神に臨む作家 下より)
私が好きな漫画(*2)で時々使われるパターンに、「同じシーンを別の登場人物の視点で繰り返す」というのがあって、そのパターン自体、私はすごく好きで、実際この「文学少女」シリーズでもそれに近い描写はあったりします。
ただ、直接的に視点を変えなくても、同じ場所を読み返すだけでその人の視点を「想像」することはできる。それを上の引用した台詞と、そしてこの物語自体で語っているんじゃないかなと感じました。
私は、読み返すときは気が向いた場所から。気合を入れて頭から読み返すということはなかなかしなくて、それはこのシリーズでも、変わるとは思わないです。
でも、また近いうちかしばらくしてか、このシリーズを読み直すときは、最初読んでいたのとは別の登場人物の角度からこの物語を見ていけたらなんてことを考えてしまいました。
あと、これはシリーズ物の8巻です。今回は別として基本的には1巻完結なのですが、やっぱり時間を追って少しずつ変わっていく描写とかもあるので、1巻から読むのを強くお勧めします。
表紙絵はやっぱりこれが一番好き。
あれ?そういえば「あれ」、結局「種明かし」は無かったんですね。
*1:そんな例えはありません。
*2:「Cipher」「ぼくの地球を守って」「…すぎなレボリューション」など
| Trackback ( )
|
|
|
|
|
|