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20世紀どんな時代だったか



何とこんな本を、ちらちらと読んでいます。
父の蔵書でした。ところどころ父のマーキングのあとがあります。

父が末期ガンと診断されたと母から電話があったのは2002年の8月9日でした。すぐ飛行機で実家の関西に帰ったその日は、ちょうど私の誕生日8月10日。あれから11年の月日が流れましたが、誕生日のたびにあの日のことを思いだします。

今なら病院に行かないという選択を父に勧めたと思います。好きだったお酒を飲んだり、行きたかった温泉に行き、食べたいものを食べたり、やりたいことをしながら自宅で静かに死を迎える選択があったと思います。

あのとき2002年8月10日、父は全く元気で、布団に横たわるというような病人の姿ではなく、庭に出たり、机に座って書きものしたり、全く普段通りの元気な姿でした。

それが病院通いするやいなや突然弱り、入院せざるを得なくなると重病人になり、9月25日あっという間に亡くなりました。死因はガンというより下血でした。母が言うには、体内の血液が全部出てしまうようなひどい下血だった。

父は72歳で亡くなりました。
生きていたら、ここ豊後竹田に来て、彼が好きだった家庭菜園を楽しみながら、彼がライフワークとしていた「明治維新から昭和史へ」という論文を書いていたと思います。

2006年に実家を処分して母を竹田に招いたとき、父の持っていた共産主義系の古い本を私の判断でみんな処分しました。古書として価値あるものもあったのでしょうが、古い漢字・旧仮名遣いのマルクス・レーニン主義の本は新しく誕生したエンジェルファームにふさわしくないと感じました。

でも左翼本でない比較的新しい本については、図書館にでも寄贈できるかなと思いダンボール3箱ほど残しました。
この「20世紀どんな時代だったか戦争編 読売新聞社編」も、そうして残った父の蔵書です。

私は若いころから芸術書、文学書、哲学書、宗教書は好みましたが、こういう本は嫌でした。
こんな本を読むきっかけになったのは福島原発事故だったと思います。ついで去年の母の認知症事件です。母を連れて東京~会津を旅行して以来、父のライフワークであった「明治維新から昭和史へ」に取り組んでいます。

それは実は、明治維新以降の医療・民間療法・自然療法の歴史を明らかにすることにつながります。このあたりできちんと取り組んでおきたいと思います。