気が向いたままに

木工〜樹脂加工、金属などなど・・・なんでも自作します。

ウォーレンのギター制作記(その5)

2021-01-27 | ギター

前回の記事でジャックプレートの問題を書いて、

すぐにオーナー様が別の部品を送ってくださいました。

 

ザックさん、これで大丈夫です!ありがとうございます!

 

今回、ご依頼を受けているギターは2本ありまして。

もうひとつは・・・・・

 

これです。僕もめっちゃ好きなギターで、ウォーレン・デ・マルティーニはこのギターを

「フレンチ」と呼んでいますので、僕もそう呼ぼうと思います。ww

 

これは僕がトレースして作図したデータです。

で、このギターは実は2016年にボディだけを塗装して完成していました。

それを他所でブログの記事にしていたのを、今回のオーナー様がご覧になり、制作に至ったワケです。

完成していたとはいえ、ジ〜っと見ていると、気に入らないところや、その頃の自分の力のなさなんかが見えて

・・・・これは、そのままでは申し訳ないな〜って思って・・・・

 

気がつくと、バリバリ塗装をはいでしまってました。

もっとキッチリしたギターにします!

 

 

このギターのボディにはスタッドのアンカーが打ち込まれていますので

これをなんとか抜かなくてはいけません。

ん〜どうしようかとネットでアレコレと調べて、いい方法があったので試してみました。

 

まずはアンカーにピッタリの長いネジを取り付けてます。これはM6のネジです。

 

「高ナット」って名前らいいですが、ブ厚いナットと、M6のナットとワッシャーです。

 

それをこんな感じに組み合わせて、長ナットをコンコンと上に打ち付けます。

 

少しづつアンカーが抜けてきました。

結構簡単にいけて拍子抜けですが、無事にアンカーを撤去!

これでやっとボディの面出しができます。

 

まずは、最初のギターと同じく、ネジの穴に埋め木をします。

 

 

この画像はアンカーを抜く前ですが

2つのボディは角のアールが少し違います。

フレンチの方が角ばっててシャープな感じです。

 

2本同時に塗った方が効率がいいので、この後はフレンチの面出しをしていきます。

 

 

 

そうそう!思い出したことがあります。

2016年にこのギターを作っていたとき、立ってギターのボディを拭いていたのですが

スルっと手が滑って、ギターを落としてしまいまして、足の親指に直撃したんです・・・

で、親指の骨が折れましたww

めっちゃ痛かったのを思い出しました。

 

この凶暴なギターは2021年にきっちり落とし前をつけさせようと思います!

 

 

つづく

 

 

 

 


ウォーレンのギター制作記(その4)

2021-01-24 | ギター

ボディの下ごしらえはもうちょっと続きます。

昨日はオーナー様からペグが届きました。

世界のゴトー製であります。

信頼度バツグンの贅沢パーツですね〜

オーナー様の本気が伝わってきます。僕も負けてはいられません!

 

まずは、前回の続きから。

ボリュームの位置を変更しました。穴は9ミリ。

木がチップしないように表と裏から開けました。

うまく開けれてほっとしました。

 

ボリュームポッドを仮に付けました。問題なしです。

ピックアップが付くエスカッションを仮に置いて、元のネジ穴を確認中です。

左下があっていませんね〜

このエスカッションの位置はなにげに重要です。

この部品にピックアッップが付くので、6本の弦とピッタリ合う必要があり、

ずれてしまうと各弦の出力にバラ付きが生じてしまいます。

 

ここは潔く、丸棒で埋めました。

同時にブリッジのスタッドアンカーも埋めました。

スタッドの方はこれよりも太い穴を開けるので、埋めた木は丸ごとなくなってしまうので

キレイに埋める必要はないワケです。

スタッドの穴とピックアップの穴はネックの位置が確定してから改めて寸法出しです。

 

トレモロハンガーのザグリ部分です。

ここにもネジの穴がありましたが同時に埋めました。

こういった母材にすでに穴があって、上からその穴めがけて穴を開ける・・・

という作業は僕の経験上、必ずずれてしまいます。

ここは急がば回れです。

一旦、穴のない状態にして、上からのっかる部品と同時に穴を開ける方が完璧に揃います。

 

ちょっと問題が発生しました。

ジャックプレートなのですが

ストラトの角アールにかかってしまって

 

両サイドが少し浮いてしまうのです・・・

 

ネジを付けるとネジの根本が見えてしまいそうです

 

フレンチの方は面取りアールが小さいので問題なさそうですが

こっちはちょっとどうかな〜って思ってます。

楕円形にするかもうちょっと細いタイプにするか・・・悩ましいところです。

ザックさん、どうしましょうか??

 

 

つづく

 


ウォーレンのギター制作記(その3)

2021-01-22 | ギター

このギターもやっと塗装剥離が完了です。

工業製品としてのギターがやっと楽器になりそうな気がします。

量産のギターは制作のやりやすさからポリ塗装がされています。(高級なギター様は違いますが)

塗装というよりは樹脂のような、厚みが1ミリぐらいあるブ厚い塗装なのですが

この塗装のせいで量産のギターは曇ったような音がします。

これを剥ぎ取って、ニトロセルロースラッカーを使って極薄に仕上げると

スカっと抜けるような、まったく違う音になるんです。

それをオーナー様に体験していただきたいな〜なんて思ってます。

 

 

塗装をはいでみるとたくさんの傷痕がはっきり見えてきます。

このギターは元のオーナーさんにかなり弾き込まれてきたようですね〜

僕がしっかりリペアするからね!

 

こういう深い傷は瞬間接着剤を流して削ればすぐに直ります。

写真はわかりにくいですが、補修した後です。

これはエンド側のストラップピンのネジ穴です。

元の穴がガバガバになったらしく少しずらした位置に開け直しています。

 

ドリルで少し穴を拡大して、きれいにしてから・・・

こういう丸い棒を

打ち込みます。

木部の接着は全てこれ!

タイトボンドです。ギター制作の必需品です。

ホームセンターなどで売っている木工ボンドとは桁違いの接着力です。

出っ張ったところを削って、何事もなかったようにします。

後日、正しい位置に再度開けなおします。

次はココです。

エンド側のジャック穴です。

ここに付くプレートです。オーナーのザックさんが送ってくださいました。

これは4本のネジで留めるタイプなので元の穴を埋める必要があります。

また、元の穴もネジによってサンディングシーラーが割れてしまっていますので

ドリルで拡大して、丸棒を打ち込みました。

 

が!片方を欠けさせてしまいました・・・あ〜

ってことで木で補修中です。

この部分はプレートが付くのでまったく見えないのですが

モデラーのサガでしょうか、直さずにはいれません・・・

削ってツラにして・・

 

サンディングシーラーを塗ってうやむやにします。

これ、お気に入りです。

 

どんどんいきましょう〜

次はボリュームの位置です。少しだけ移動する必要があります。

 

10ミリの丸棒をドリルに装着して、穴とピッタリになるように削りました。

タイトボンドで接着しました。

隣に描いてる線が移動する位置です。

この位置もウォーレンのギターと同じにしました。

少しだけピックアップに近づく感じです。

 

ゴシゴシ削って、うやむやにしました。

この後サンディングシーラーを塗って削ればまったくわからなくなります。

 

後はブリッジのスタッド穴を拡大するのとネックとのジョイントを確定させる作業ぐらいです。

その後は中塗りですが、ギターの塗装では一番重要なんやないかと僕は思っています。

サンディングシーラーを塗って、削ってっていう地味〜〜〜な作業を何回か繰り返します。

 

 

つづく


ウォーレンのギター制作記(その2)

2021-01-19 | ギター

オーナー様から部品が届きました。
いよいよ制作も本格的に始まります。

 

 

今回ドナーとなるギターです。
80年代ではたくさんあったタイプですが現在ではむしろ希少ですね〜
メーカーはフェルナンデス。
しっかりとしたギターです。

まずは、塗装をはくりしないと始まらないので、
ギターをバラしました。

外した部品は大事にとっておきます。

 

電気部品の配線も後で迷わないように画像をとっておきます。

塗装はくりを始めていきますよ〜
アイロンで加熱して慎重にスクレイパーではがしていきます。

 

狙うのはサンディングシーラー層と塗膜の間。


どうしてもサンディングシーラー層に傷がつきますが
後で追加でサンディングシーラーを塗るので問題なしです。

画像の後、どんどん作業を進めて、

2日かかってほとんど剥離は終わりました。
それほど難しい作業ではないのですが、難点は・・・・
アイロンが使えない箇所では、スクレイパーでめくった塗装面の破片が
ほとんど100%の確率で顔面に向かって飛んでくるってことぐらいです。ww


今日は会社から帰ったら残りのはくりと下ごしらえをしようと思います。


つづく

 


赤いペガサス SV01改 制作記(その10)

2021-01-06 | 赤いペガサス SV01改

2021年もよろしくお願いいたします。

休み中に少しづつ進めてた分をアップします。

えっと、前回はバキュームで作った部品を仮置きしてましたよね。
それをつなぐ作業から。

まずはつなぐ方法で結構悩みました。
本当は裏からつなぎたいのですが、それだと2つの部品の位置がずれてしまいそうに思いまして


修正覚悟で表から仮につなぎました。
短冊に切ったプラ板で固定してます。


わりとしっかりと固定できたので
やっと裏から板が貼れます。隙間にピッタリの形に切り出して
裏から厚みを削って一体にしました。

仮に貼った短冊を削り落として、裏から更に0.5ミリのプラ板を貼りました。
これで裏面はきれいになりました。


前後がつながったので形を決めていきます。
ほとんどヤスリで挑みました。


あ〜片方、削りすぎてしまった・・・・

パテを使おうかと思いましたが、プラ板をしっかり貼って
削ることにしました。

 

翌日、接着も完了したので、今度は慎重に削りまして、サフを噴いて確認中です。
まだ、少し修正がいるかな〜

ロータスと並べてみました。

ロータスよりも背が低くて、前側はかなり短いです。

 


制作記の最初の方で作ってたシャーシですが
部品の合いが悪くて左右で高さの寸法が1ミリほど狂ってるのが発覚・・・・
修正しようかと思いましたが、どうせならってことでスクラッチしようと思います。


さっそく中心の部分から。

シャーシが狂うと全てが狂ってくるので
WAVEの目盛入りのプラ板を買ってきて挑んでます。
このプラ板、めっちゃイイ!!
これからは全部これでいきたいぐらい切り出すのがラクラクですね〜

という感じでなんとな〜くシャーシが形になってきました。


つづく