先日、「薬の知識」という講習会に参加しました。
当院が診察した患者さんのうち、もっと詳しい診断が必要な場合や、外科(口腔外科)領域の一歩勧めた診察を必要と考える場合は病院紹介で、聖マリア病院、久留米大学病院、九州中央病院、九大病院・・などに診察を依頼しお世話になっているのですが、患者さんを開院当初から紹介している九州中央病院の、現口腔外科部長でいらっしゃる堀之内康文先生が講師でいらっしゃったため、夜スタートの講習会だったのですが、ぜひ参加したいと思い、参加してきました。
開業医というのはある意味孤独です。一人で診察、治療を行っていく場合がほとんどです。
時間を作って勉強会などに参加し、自分の知識を再考したり、新しくしたりしなければなりません。
今回外科領域でしたので、特に興味があったというのもありました。
病院医療まで距離のある郊外の当院ですので、私が一人で口腔外科領域でもかなり困難な症例も行っているのですが、なかなか周囲に聞く環境がありません。
今回楽しみに参加しました。
講習会の内容は、学術的なものから臨床的なものまで幅広く、3時間行われました。
参加者は200名ほど。老若男女。女性歯科医は1割いたかな・・・と言う程度でした。
資料も大変丁寧に整理され、持ち帰る資料としてはちょっとした辞書を頂いたかの重宝さに仕上がっていました。大切に使っていきたいと思います。
しかし!
この講習会で最も私の中でヒットしたのは、実は講習会の内容そのものではありません!笑。
実は先生の言葉です。
資料の横に忘れないようにあわててメモをとったほどです。感激のあまり・・・。
「エビデンスは経験。なんでやろ・・?がイコール臨床です。
まず現症を診ること。ニュートンが見たからリンゴが落ちたんじゃない。」
おお~・・。痺れました。
そう。その通りだな・・!と。
医療とは、震災のような世の中や環境が回らない状況でも行わねばなりません。
私はそのような環境でも診察していける力を養ってきました。
患者さんの訴えと現在の症状と、ただ向き合うことが医療だと思うのです。
医療にエビデンス(根拠)が必要かもしれませんが、そればかりではありません。
先生もそうおっしゃっていたのだと思います。
人間はマシーンではないのです。
マニュアルが何とかしてくれる、取説が何とかしてくれることはないのです。
十人十色。その患者さん、人間一人一人と向き合うことだと思うのです。
一人一人の訴えとその症状を軽くすることが医療人として大切な心がけです。
単純なことですが、それが頭にない世の中になりすぎています。
講師の堀之内康文先生には本当に勇気を頂きました。