車で福岡市の「港」を通った時のことです。
港をふちどるように車道が走っていて結構曲がりくねっているところなのですが、
朝8:30位、そこは渋滞回避のための抜け道になっておりその道を利用しました。
港を左手にしちょうど左カーブにさしかかった時、私の右目が、右手側にある店舗低いブロック塀の上に「鳥の置物」があるのを捕えたのです。
車は左カーブを終えようとしていましたが、
「ん!?」
私はその鳥の置物が無性に気になり、右肩越しに振り返って確認をしました。
「いや、置物ではない・・・。」
再度確認した鳥の置物は大きく、背丈が100センチくらいはありそうな、背中がグレー色の鷺でした。
何故、運転中でも振り返るほど無性に気になったのかというと、
まず、普段通るときにはいなかった気がしたのが一つ。
「左カーブで右手の店舗、だから、今まで気づかなかったのだろうか?」
そう、今まであったのかなかったのか、置物なのか生きているのか、に
一瞬で心を奪われたためです。
そして、もし生きているならばそこは港ですので、シロサギやカモメはしょっちゅう見かけるので気にならなかったのですが、かなり大きなサイズで、しかも背中がグレー色、おまけにそれは、港の海とは反対方向の、店舗の方を向いていたのです。
看板や宣伝の置物なら、道路の方を向かせるはずだし、その置物らしきものがもし生きているなら、魚や仲間のいる港の海の方を向いているのが自然ではないか?
「ん?へんだな~」
・・そんなふうにその存在に強く心を引っ張られたのがもう一つの理由・・いえ、どちらかというと、その変な違和感の方が、大きな理由だったと思います。
その時その場では、生きているか剥製なのかはわからないままで、次に通る時にまた確認しようと心に決めました。
そして次の時、同じ場所を同じ時刻に車で通った時には、ブロック塀にそれは見当たりませんでした。
後でネットで検索したところ、それはアオサギという種類だということがわかりました。
それから2W間が過ぎ、私はまた、その道を車で通りました。
同じ時刻、同じ場所に、なんとそれはその場所にいました。
羽を微妙にもぞもぞと動かしていています。置物ではなく生きているのです。
やはり店舗の方を向いていました。
「あ、いた!生きてるアオサギだ!画像に納めたい!」
気持ちが高鳴りましたが、
けれどもやはりハンドルを握ってますし、車は路駐なんかできる場所ではありません。
後続車もバックミラーに存在していました。
車体は左カーブを早々に曲がり・・私は右肩越しにアオサギを振り返りながらその場を車に連れ去られたかのように泣く泣く走り去りました。
「ああ、でもアオサギはいた・・!」
その場で車から降りて確認まではできませんでしたが、アオサギの存在を再度見れたことで心温まる思いでした。
どうしてアオサギはあの場所で、しかも港でなく店舗の方を向いていたのか気になり、後で地図で店舗を調べました。
すると、その店舗は魚の食品加工場のようでした。
おそらく、アオサギはそこに大量に魚が運ばれる時を知っているのです。
だからアオサギはその店舗のブロック塀に止まっていたのです。
予想ですが、その場でおこぼれの魚をいつも拾っているか、もしかするとそこの方々から直接魚をもらっているのかもしれません。
そこに魚の集まる時間には、港の魚なんかを追ってる場合ではないのです。
なので、ブロック塀に止まって”店舗の方を向いて”待っているのでしょう。
鷺(サギ)の詐欺(サギ)・・・?笑
今度はどこかに車を停め、”首を長くして”店舗を一途に見つめるアオサギを、”鷺の詐欺”の実態を間近で見たい、できればその店舗の方に話を聞きたいな・・・と思っているところです。