僕らの「ほくろクラブ株式会社」の事を赤城先生がクラスのみんなに紹介した。
僕らだけが「ご褒美」をもらえるのは不公平だろう・・・と言うことになってみんなそれぞれ好きな仲間と集まって「会社」を作る事になった。
最初、仲間はずれになる子がいるかどうか心配だったけどそれぞれうまくわかれたみたい。
よっかったー!
来週のこの時間までにみんなどんな活動内容にするのか相談して各会社それぞれ発表することになった。
うひょーーー!
僕らは早速、学校から帰ったらぼくんちの庭で会議することにした。
赤城先生が「クラスの役に立つこと」って言ったけど、どういうことが役に立つことになるんだろう。
「掃除をする!」みずっちが言った。
もちろん僕らは大反対だ。
「この前みたいにクラスの子のなくしたものを探すとか言うのはどうだろう」とテンちゃん。
「それもいいね。クラスの困った人を助ける会社にしようよ」やまさん。
と言う事で僕らは「困った人を助ける会社」にすることにした。
探し物をしたりクラスで何か出来なくて困っている人を積極的に助けるというのが僕らの仕事だ。
なくした物を探す以外にたとえば逆上がりが出来なくて困っている子がいたら出来るようになるまで一緒にがんばるとか・・・いろんな困った事を助けるんだ。
スケッチブックに僕らの役割(役職)と会社の内容を書いた。
「ねぇー。誰が発表する?」と僕。
じゃんけんで決める事にした。
「さいしょはグー!じゃーーんけーーん!ポン!」
やまさん以外みんなパーだった。
そしてやまさんがグー。
決定だ!
「それじゃ、僕がこのスケッチブック持って帰るね。」
やまさんがそういって帰って行った。
自転車で去って行くやまさんを見送りながら僕ら3人はちょっと不安になった。
やまさんは遅刻の常習犯だ。
ひどいときには休んでしまう時もある。
やまさんのお母さんは夜が遅い仕事をしている(らしい)
お母さんの帰りを待っているとどうしても夜更かしをしてしまって・・・起きれない。
先生が何回電話をかけてもぐっすり寝ているやまさんとやまさんのお母さんは電話にもでない。
この話を僕のお母さんにした時にお母さんが
「それはやまさんのお母さんの責任だね」と言った。
それ以上お母さんは何も言わなかった。
やまさんが自分でちゃんと早く寝て、朝起きるようにしたらいいからやまさんの責任じゃないのかな。
僕にはよくわからない。
でも、あんなにやまさん張り切っていたから大丈夫だろう・・・と僕らは思うことにした。
やまさんはきっと友達を裏切らないよ。
・・・そして当日の朝が来た。
今日の3時間目にみんな発表する事になっている。
そして・・・そして・・・やまさんは来てなかった。
みずっちとテンちゃんとひそひそと相談。
「どうしよう」
「大丈夫だ、まだ時間はあるよ」
僕らは待つことにした。
1時間目の算数が終わって、2時間目の国語が終わってもやまさんはこなかった。
そしてとうとう3時間目が始まった。
それでも、やまさんはこなかった。
なんでだよ・・・。
漫画とかだったらこんな時は間に合うんじゃないのか・・・。
いや、僕らの発表までにはまだ時間がある。
信じるんだやまさんを。
みんなそれぞれの会社の内容とかを発表していた。
「めだか株式会社」教室にいるめだかの世話をするんだって。
「給食研究会」毎日の給食の献立についての感想や評価を研究する会らしい。
そのほかにもいろいろと面白い内容の集まりがいっぱいだった。
言いだしっぺの僕らは最後の発表だったけど・・・とうとう順番が回ってきた。
やっぱりやまさんはこなかった。
仕方ないので僕がとりあえず発表をすることになった。
「えーっと。えーーっと。僕らの会社名はえーーーっと。『ほくろクラブ株式会社』です・・・えーっと」
「えーっとはいらんよ!」
クラスのお調子者の三国君が言ってみんなが大爆笑した。
僕は顔がまっかになった。
テンちゃんとみずっちもなんだかもじもじしている。
えーい!くそーー!もうどうでもいいや!もう適当にしゃべっておわらしちゃえ!
と思ったときだった。
「すいません!遅れました!」
やまさんが教室に入ってきた。
やまさんは僕らの横に立つとVサインを出した。
わーーーーい!なんだかやまさん格好いいよーーー!
僕らもVサインを出した。
やまさんがスケッチブックを取り出して説明しだした。
「僕らの会社の名前は『ほくろクラブ株式会社』です。社長が僕で専務が水上君、そして課長が天童君。それから平社員の内田君です」
「平社員」と言うところで笑いが起きた。
「困った人を助ける会社です。みんな失くした物とかあったり何か困った事があったら僕たちに言ってください。」
「なんでほくろクラブって言うんですか?」と声がした。
「それは皆手にほくろがあるからです」とやまさん。
ぼくらは手を上にあげた。
ただ・・・僕だけはマジックで書いたほくろだけど。
あとはぼくら皆でどういう「困ったことを助ける会社」なのかを説明した。
とりあえず発表は無事に終わった。
僕ら皆で
「やまさん、よかった。心配したよ」
「でも、登場のしかたが格好良かったよ」
とか言い合った。
帰ってからお母さんに今日の事を話した。
「『走れメロス』みたいだね。でも、勇気たちはやまさんに怒らなかったの?」
とお母さんが言った。
「来てくれてよかったー!って皆で言ってたんだけど」
「あっそ・・・。」
僕らの友情はお母さんにはわからないんだ。
でも、「走れメロス」ってどんな話なんだろう。
いいや、わかんなくてもだってもう眠いし・・・Zzz ( ̄~ ̄)
僕らだけが「ご褒美」をもらえるのは不公平だろう・・・と言うことになってみんなそれぞれ好きな仲間と集まって「会社」を作る事になった。
最初、仲間はずれになる子がいるかどうか心配だったけどそれぞれうまくわかれたみたい。
よっかったー!
来週のこの時間までにみんなどんな活動内容にするのか相談して各会社それぞれ発表することになった。
うひょーーー!
僕らは早速、学校から帰ったらぼくんちの庭で会議することにした。
赤城先生が「クラスの役に立つこと」って言ったけど、どういうことが役に立つことになるんだろう。
「掃除をする!」みずっちが言った。
もちろん僕らは大反対だ。
「この前みたいにクラスの子のなくしたものを探すとか言うのはどうだろう」とテンちゃん。
「それもいいね。クラスの困った人を助ける会社にしようよ」やまさん。
と言う事で僕らは「困った人を助ける会社」にすることにした。
探し物をしたりクラスで何か出来なくて困っている人を積極的に助けるというのが僕らの仕事だ。
なくした物を探す以外にたとえば逆上がりが出来なくて困っている子がいたら出来るようになるまで一緒にがんばるとか・・・いろんな困った事を助けるんだ。
スケッチブックに僕らの役割(役職)と会社の内容を書いた。
「ねぇー。誰が発表する?」と僕。
じゃんけんで決める事にした。
「さいしょはグー!じゃーーんけーーん!ポン!」
やまさん以外みんなパーだった。
そしてやまさんがグー。
決定だ!
「それじゃ、僕がこのスケッチブック持って帰るね。」
やまさんがそういって帰って行った。
自転車で去って行くやまさんを見送りながら僕ら3人はちょっと不安になった。
やまさんは遅刻の常習犯だ。
ひどいときには休んでしまう時もある。
やまさんのお母さんは夜が遅い仕事をしている(らしい)
お母さんの帰りを待っているとどうしても夜更かしをしてしまって・・・起きれない。
先生が何回電話をかけてもぐっすり寝ているやまさんとやまさんのお母さんは電話にもでない。
この話を僕のお母さんにした時にお母さんが
「それはやまさんのお母さんの責任だね」と言った。
それ以上お母さんは何も言わなかった。
やまさんが自分でちゃんと早く寝て、朝起きるようにしたらいいからやまさんの責任じゃないのかな。
僕にはよくわからない。
でも、あんなにやまさん張り切っていたから大丈夫だろう・・・と僕らは思うことにした。
やまさんはきっと友達を裏切らないよ。
・・・そして当日の朝が来た。
今日の3時間目にみんな発表する事になっている。
そして・・・そして・・・やまさんは来てなかった。
みずっちとテンちゃんとひそひそと相談。
「どうしよう」
「大丈夫だ、まだ時間はあるよ」
僕らは待つことにした。
1時間目の算数が終わって、2時間目の国語が終わってもやまさんはこなかった。
そしてとうとう3時間目が始まった。
それでも、やまさんはこなかった。
なんでだよ・・・。
漫画とかだったらこんな時は間に合うんじゃないのか・・・。
いや、僕らの発表までにはまだ時間がある。
信じるんだやまさんを。
みんなそれぞれの会社の内容とかを発表していた。
「めだか株式会社」教室にいるめだかの世話をするんだって。
「給食研究会」毎日の給食の献立についての感想や評価を研究する会らしい。
そのほかにもいろいろと面白い内容の集まりがいっぱいだった。
言いだしっぺの僕らは最後の発表だったけど・・・とうとう順番が回ってきた。
やっぱりやまさんはこなかった。
仕方ないので僕がとりあえず発表をすることになった。
「えーっと。えーーっと。僕らの会社名はえーーーっと。『ほくろクラブ株式会社』です・・・えーっと」
「えーっとはいらんよ!」
クラスのお調子者の三国君が言ってみんなが大爆笑した。
僕は顔がまっかになった。
テンちゃんとみずっちもなんだかもじもじしている。
えーい!くそーー!もうどうでもいいや!もう適当にしゃべっておわらしちゃえ!
と思ったときだった。
「すいません!遅れました!」
やまさんが教室に入ってきた。
やまさんは僕らの横に立つとVサインを出した。
わーーーーい!なんだかやまさん格好いいよーーー!
僕らもVサインを出した。
やまさんがスケッチブックを取り出して説明しだした。
「僕らの会社の名前は『ほくろクラブ株式会社』です。社長が僕で専務が水上君、そして課長が天童君。それから平社員の内田君です」
「平社員」と言うところで笑いが起きた。
「困った人を助ける会社です。みんな失くした物とかあったり何か困った事があったら僕たちに言ってください。」
「なんでほくろクラブって言うんですか?」と声がした。
「それは皆手にほくろがあるからです」とやまさん。
ぼくらは手を上にあげた。
ただ・・・僕だけはマジックで書いたほくろだけど。
あとはぼくら皆でどういう「困ったことを助ける会社」なのかを説明した。
とりあえず発表は無事に終わった。
僕ら皆で
「やまさん、よかった。心配したよ」
「でも、登場のしかたが格好良かったよ」
とか言い合った。
帰ってからお母さんに今日の事を話した。
「『走れメロス』みたいだね。でも、勇気たちはやまさんに怒らなかったの?」
とお母さんが言った。
「来てくれてよかったー!って皆で言ってたんだけど」
「あっそ・・・。」
僕らの友情はお母さんにはわからないんだ。
でも、「走れメロス」ってどんな話なんだろう。
いいや、わかんなくてもだってもう眠いし・・・Zzz ( ̄~ ̄)