○ 専門ブログ開設の目的
このブログは、認知症の大多数、90%以上を占めていて、認知症の専門家達から「原因もわからないし、治すことも出来ない」とされている「アルツハイマー型認知症」について、出来るだけ分かりやすく世の中に、(特に、東日本大震災を被災された被災地の高齢者達及び市町村の保健師さん達に)知らせたいとの思いから、根拠となるデータの開示を含め、概要を公開しているものです。私達の主張や問題提起や基礎データの根拠は、1995年に「エイジングライフ研究所」を立ち上げて活動を開始して以来これまでに、「440を超える市町村」で実践指導してきた「地域予防活動」の成果に基づいています。
「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム、早期発見による回復、症状の進行の抑制と適切な介護の在りかた、そして個人及び地域単位での「アルツハイマー型認知症」の予防の仕方が、本ブログの「テーマ」です。「マニュアル」化され、「システム」化された「二段階方式」と呼ばれるそのシステムの使用は、有償、(使用許諾契約の対象は、市町村の健康・保健・福祉課など、在宅介護支援センター、地域包括支援センター、介護施設事業者及びNPO法人に限定されています)となっていますが、このブログの中で、「その概要」を逐次みなさんに公開していくつもりです。
「市町村」と「地域」との共同による、「アルツハイマー型認知症」の「予防」を目的とする「地域予防活動」(脳の使い方としての「生活習慣の改善」という考え方の地域住民への浸透とその日常生活レベルでの実践並びに早期診断による「アルツハイマー型認知症」からの回復のための窓口の開設)が全国的に拡大され普及することにより、「アルツハイマー型認知症」とは無縁の「第二の人生を完走」していただける「超高齢化社会」の実現に大きな役割を果たすことができると考えています。その根拠となる「脳機能データ」の開示を含めた「概要」を公開するのが、この専門ブログの役割です。
「アルツハイマー型認知症」については、世界で最も権威があるとされている米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」における定義で、「記憶障害」の症状(第一の要件)と末期段階の「重度の症状」だけに見られる失語や失行や失認の症状(第二の要件)とを「アルツハイマー型認知症の診断要件」として規定している為に、認知症の専門家とされる精神科医による診察では、認知症が気がかりで訪れる人の診断の際、「末期段階の重度の症状」を示している場合でないと「認知症」とは診断されないと言う結果を導くこととなっているのです(「DSM-4」の規定の問題点については、逐次説明していきます)。そのベースの上で、家族も「重度の記憶障害」の「症状」が出てくるようになって、どうにも手に負えなくなって初めて本人を精神科医のところに連れていくので、(「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし、治らない病気」)にされてしまったのです。「アルツハイマー型認知症」は、治らない病気ではないのです。「DSM-4」の規定に問題があって、その為に見つけるのが遅すぎる、言い換えると、「末期の段階」でしか見つけられないから、「原因も分からないし、治らない」病気にされているだけなのです。 その基準が現在もまかり徹っているために、我が国には300万人もの認知症のお年寄りが居るのです(その全てが、末期段階の「重度認知症」の段階の人達)。
その結果、回復可能な軽度の認知症の段階は、専門家達から「不活発病」や「老化現象」の名前を張られるだけで、見過ごされ、放置されたままになっているのです。「不活発病」のレッテルを貼られているものが最も初期の段階の症状(回復が容易な小ボケ)であり、「老化現象」と混同されているものが中期の段階の症状(回復が未だ可能な中ボケ)であり、原因も分からないし治らない介護の対象とされているものが末期の段階の症状(回復が困難な大ボケ)なのです。
「アルツハイマー型認知症」に関して出版されている本は、そのほとんどを読みました。新刊本も読みました。「アルツハイマー型認知症」をテーマにしているブログやホームページも、それなりのレベルで書かれているものは、ほとんど読みました。それらのほとんどの記事で、「アルツハイマー型認知症」の発病原因や症状の進み方の特徴等について書かれている内容は、誤りだらけと言うほかありませんでした。更には、「アルツハイマー型認知症」の回復と予防を「テーマ」とする記載については、どこにも見つけることができませんでした。「予防」がテーマとされている認知症は、唯一、「脳血管性認知症」だけでした。「アルツハイマー型認知症」の治療や予防を可能にするかの如くの「新薬の開発」に関する新聞記事やテレビの報道が時々見受けられますが、「治療や予防を可能にする薬の開発はあり得ない」ことを、このブログを読んでいる研究者や医師達に理解して欲しいと願うのです。
全ての記事は、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、原因も分からないし、治せない」ものとして記述されており、発病の原因に関する推測として、アミロイドベータ説やタウ蛋白説や脳の委縮説等の概要が記述されているだけでした。私達は、(「アルツハイマー型認知症」は、「原因不明でも、治せないものでもなく」て、「早期の段階で見つけると治せるし、予防することもできるものなのだ」)という正しい知識を全国に広めたいと考えているのです。
「アルツハイマー型認知症」の回復と予防を「テーマ」にしているこのブログでは、根拠となる「多数のデータ」を開示することにより、認知症の専門家達を含めて世間全体の「アルツハイマー型認知症」に対する誤解を解消させていく一助となればと願ってい るのです。このブログを通じて開示する内容は、エイジングライフ研究所が1995年の活動開始以来、440を超える市町村で(市町村の保健師さんたちとの共同により)展開してきた、「アルツハイマー型認知症」の早期発見と回復(「相談窓口」)及び発病の予防を目的とした「認知症予防教室」の開催を中核とする、集団参加による「地域予防活動」の実践の成果に基づきデータ化され、システム化されているものの概要です。
○ 主な認知症の種類と全体に占める比率
我が国では、「アルツハイマー型認知症」の患者がどんどん増えてきています。ご存知のように、認知症にもいろいろな種類があります。いろいろな種類がある認知症の中で、その大多数90%以上を占めているのが、「アルツハイマー型認知症」と呼ばれるものなのです。その「正体」は、毎日の脳の使い方としての「生活習慣」が原因で、第二の人生を歩んでいる「高齢者」だけを対象にして発病する病気、「廃用症候群に属する生活習慣病」なのです。
ところで日本では、「若年性のアルツハイマー病(狭義のアルツハイマー病)」と「老年性のアルツハイマー型認知症」とをまとめて「アルツハイマー病」と総称していますが、これは大きな誤解を招くものです。若年性アルツハイマー病(狭義のアルツハイマー病)は、「アルツハイマー型認知症」とは性質が根本的に異なるものだからです。 「狭義のアルツハイマー病」は、特定の「遺伝子」に生まれつき異常が認められる人にしか認知症の症状が発症してこないのです。しかも、発病する年齢は、早いと30代で遅くても50代どまりなのです。そして、発病後に症状が進行する速さも、「アルツハイマー型認知症」の場合の症状の進行度合いとは全く異なる、比べ物にならない速さで進行するのです。そのうえ、現在の医療レベルでは、症状の進行を抑制する方法も、症状を回復させる方法もありません。認知症全体に占める割合も、老年性の「アルツハイマー型認知症」が90%を超えるのに対し、若年性の狭義の「アルツハイマー病」は1%程度なのです。
○ 脳機能のレベルと認知症の症状とのリンク
「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムについて、重度の段階でしか認知症であるか否かの判定が困難な方法である脳の萎縮を基準に考えたり、原因ではなくて結果を示しているにすぎないアミロイドベータやタウタンパクによる老人斑の生成や神経原線維変化などを対象とする世間一般のアプローチと比べて、私たちのそれは根本的に異なるものです。
エイジングライフ研究所では、独自に開発した「二段階方式」と呼ばれる「現に生きている人達の脳の働き具合」とそのアウトプットである「症状」とをリンクさせて判定する方法により、「アルツハイマー型認知症」の予防を目的とする17年間に及ぶ市町村での実践活動の中で、極めて多数のデータを蓄積してきました。「脳機能と症状とのリンク・データ」が示す「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを、このブログの中で、簡潔に要約して載せたいと思います。「東日本大震災」の被災地の高齢者が他のどの地域の高齢者とも比較にならないほどの高い割合で「アルツハイマー型認知症」を発病すれば、「アルツハイマー型認知症は、生活習慣病である」という私達の考えが「疫学的に証明される」こととなり、専門家たちを含めて、世の中の考えを変える重要な契機になると考えています。
○ 長い第二の人生を、「アルツハイマー型認知症」とは無縁で、完走しよう
人生60年と言われていた一昔前の時代と違って、世界に先駆けて「超高齢化社会」に突入した現在の日本では、誰でも80歳90歳まで生きるのが当たり前となっています。会社や役所勤めの人のように定年がある場合がもっとも典型的ですが、60歳前後の年齢を起点にして、第二の人生に入るのが通常でしょう。人生60年と言われ、第二の人生の期間が殆どなかった昔の人達の老後とは違って、「超高齢化社会」に生きる私達には、「第二の人生」が20年も30年もある訳ですから、第一の人生がどうだったかだけでなく、「第二の人生」がどうなるかがとても重要な意味を持ってくることになります。第一の人生がどんなに立派でも、第二の人生ではやばやとボケてしまったのでは、人生を全うしたことにはならないでしょう。
「アルツハイマー型認知症」は、「狭義のアルツハイマー病」とは発病のメカニズムも症状の進行の度合いも回復と予防の可能性も全く異なるものなのです。「アルツハイマー型認知症」は、「症状が、何年もかけて、徐々に段階的にしか進行しない」のが特徴なのです。世間で「アルツハイマー型認知症」を発病してから死亡するまでの期間について言及しているものを見かけますが、あの数値は、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)から数えた数値なのです。私たちが問題にしている、「軽度認知症」(小ボケ)の段階と「中等度認知症」(中ボケ)の段階を加えると、「脳はもたないのに、はるかに長く身体はもつ」ところが、このタイプの認知症の特徴なのです。
日本全体の高齢化率も25%が目前です。手遅れにならないうちに、市町村を中核とした「地域予防活動」を展開し、普及させることが求められているのです。高齢化がどんどん進んでいく中で、独居老人や老夫婦のみの世帯がしだいに増加してきている現状をふまえるとき、お年寄りが、「いつまでも元気なままでいられる」、「身体が持つ限り、脳もちゃんともたせる」、或いは、「年齢相応の社会生活が送られるレベルに脳の機能を保つ」ための施策が、全ての「市町村」で切実に求められているのです。事業としての「必要な収益」を挙げることが期待できない、早期診断による回復や予防は、医療機関が中核となることは、困難だからです。「アルツハイマー型認知症」について、正しい知識を世の中に広め、早期発見と回復並びに予防と密接な関係がある、日々の脳の使い方としての「生活習慣」の改善に向けて、国民的な関心を呼び起こしたいと私たちは考えています。
注)本著作物(このブログA-72に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
エイジングライフ研究所のHP(ここを「クリック」してください)
脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)
http://blog.goo.ne.jp/quantum_pianist
http://blog.goo.ne.jp/kuru0214/e/d4801838dd9872301e0d491cd8900f1a