&「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状
いろんな人が書いてある書籍を読んでみても、名医とか第一人者とかの紹介でテレビに出てきて物知り顔に語る人達の誰一人として、「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状について語ろうとはしないのです。まるで決まり文句のように、中核症状と周辺症状とかの何の意味もない区分で語る以外に、「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴について、三段階に区分される症状について私たちのように詳しく精緻に語れる人達は他にいないのです。「アルツハイマー型認知症」の症状について、回復の可能性という物差しを当てて分類すると、軽度認知症」(小ボケ)、「中等度認知症」(中ボケ)及び「重度認知症」(大ボケ)の三段階に区分することができるのです。こうした区分をしているのは、「脳のリハビリ」{「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体としてのその人の機能レベルに見合った「脳の使い方」としての「生活習慣」の改善、工夫及び日々の実践)という方法により、正常な機能レベルに改善させる(「アルツハイマー型認知症」を治す)具体的でかつ実践的な「手技」を持ち、実際に治した極めて多数の症例を有する、私たちの「二段階方式」と金子満雄医師が提唱してきた「浜松二段階方式」(元の「浜松方式」)だけなのです。
「軽度認知症」(小ボケ) 改善(正常なレベルに回復)させることが、容易
「中等度認知症」(中ボケ) 改善(正常なレベルに回復)させることが、未だ可能
「重度認知症」(大ボケ) 改善(中ボケレベルに回復)させることも、もはや困難
上記の区分を生活面から説明すると、「小ボケ」は社会生活の面で様々な支障が出てきて、「中ボケ」は家庭生活の面で様々な支障が出てきて、「大ボケ」はセルフケアにも支障が出てきて「介護の対象」となる段階ということなのです。
どうしてこの程度のことさえも専門家たちはわかっていないのか、皆さんも不思議に思われることと思うのですが、私たちも不思議に思っているのです。私たちは、加齢とともに誰でもが辿ることになる「脳の老化」という現象に興味を持ち、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれにリンクした症状を計測し判定する方法を見つけ出して、極めてたくさんの「脳機能データ」を積み上げてきたのです。正常な段階から小刻みに正常下限の段階まで、更には、異常な段階のうちの初期から中期を経て末期の段階までの脳機能データを積み上げてきたのです。その努力と解析の結果、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の特徴として、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして「認知症の症状」が発現して来ることを突き止めたのです。更には、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の工夫と改善)によって、治すことができる(正常なレベルに脳全体の機能を回復させることができる)ことを体験的に知ったのです。そうした「脳機能データ」の集積と解析により、「アルツハイマー型認知症」は、発病も、症状の進行も、アミロイドベータの蓄積とか、タウタンパクの蓄積とか、脳の顕著な萎縮とかとは無関係だということを知ったのです。器質的な変化が原因なのではなくて、脳の機能的な変化、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が真犯人だということに気づいたのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの低下、廃用性の加速度的で異常な低下のレベルに、症状の発現や症状の重症化が直結しているということなのです。
書籍で見ても、「アルツハイマー型認知症」は、治せないタイプの認知症だとしか書いていないし、テレビに出てきた人達の話を聞いていても、誰もが同様の発言ばかりするのですから、皆さんが、「アルツハイマー型認知症」は治らないものと思い込むのも、無理からぬことなのです。本を書いている人達も、テレビに出てきて発言している人達も、その人達自身が、治した経験が全く無いからなのです。その理由は、その人たちが「アルツハイマー型認知症」の症状だと考えている症状とは、末期の段階で発現してくる症状のこと、私たちの区分でいう「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状のことを言っているからなのです。その人達は、中ボケの段階の症状のことも、小ボケの段階の症状のことも知らないで居る、気づいていないからなのです。彼らは、末期の段階である「大ボケ」の段階を区分けて、前半を早期の段階(MMSの得点が二桁のところまで)と呼ぶのです。二つに区分したところで、どちらも末期の段階(「大ボケ」の段階)のことなので、何の意味もないのです。この段階で見つけていたのでは、もはや「治すことはできない」のですから。病院の様々なホームページを読んでみてください。まるでアメリカの弁護士事務所のように、患者さんに来てほしいと呼び掛けているのをたくさん見つけることができるのです。高額の診察費を稼ぐことができるCTやらMRIやらSPECTやら、果ては PETまでも総動員して、治すことが困難な末期の段階の早期の段階で見つけて、彼らがすることといえば、「治すことはできないが、症状の進行を遅らせる効果が期待できるかもしれないから」との説明の下に、(興奮型か抑制型のものでしかない)効きもしない薬を処方するだけなのです。認知症の専門家とされる人たち、わが国だけでなくて、世界中の専門家とされる人達が何故、小ボケの段階の症状のことも、中ボケの段階の症状のことも知らないでいるのかと皆さんは、不思議に思うでしょう。「見つける物差し」自体に重大な誤りがあるからなのです。
世界中の認知症の専門家達は、認知症の症状らしき症状を呈している患者さんを目の前にしたとき、その症状が「アルツハイマー型認知症」の症状であることを診断する物差しとして、米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」の規定に依拠して診察を行っているからです(最新の規定のバージョンとしては「DSM-5」が存在するのですが、いろいろな意見を集約した結果として、規定の内容が曖昧になりすぎて使えなくなってしまい、実際の診断では、古い「DSM-4」が好まれ使われているのです)。この規定の重大な誤りについては、詳細な説明と問題提起をこのブログ中で既に行っているので、興味が湧いた方は、ここを「クリック」してください)。他に比肩するものが無い程の大きな権威だけはあるが、重大な誤りがあり内容が全く無いという他ないこの規定に、すがりつき、金科玉条として敬い、何の疑いもなく診断基準に採用している、我が国医学会のその体質は、不可思議というしかないのです。
詳細な説明は、そこに譲るとして、「DSM-4」の規定に依拠して診断を行っている限りは、末期の段階の症状(私たちの区分でいう「大ボケ」、重度認知症の段階の症状)しか見つけることができないということなのです。この規定に依拠していては、「小ボケ」どころか「中ボケ」の段階の症状さえ見逃してしまうことになるのです。その規定に依拠して診断する限り、末期の段階の更に後半の段階になって初めて出てくる症状しか見つけることができないのです。「アルツハイマー型認知症」の発病を確認するための「第一の要件」とする内容にも重大な誤りがあるのですが、「第二の要件」にも致命的な誤りが存在しているのです。それらの誤りに気づいて、問題を提起できているのは、世界広しといえども、私たちの「二段階方式」だけなのです。
医療機関は、むしろ「DSM-4」を錦の御旗に掲げて、「アルツハイマー型認知症」の診断には不必要なCTやMRIやSPECTやPET等の高額な診療費が稼げる機器を総動員して、その上「回復させることが困難」になる末期の段階で見つけて、効きもしない薬を(場合によっては、症状の進行が遅れることが期待できるかもしれないので、、、)とか言いながら、いろいろな種類の薬を処方して、稼いでいるだけなのです。薬など出さなくても、認知症の症状の進行を遅らせる要因が他に有ることも知らないでいるのです。薬を生産し、販売している製薬会社でさえ、そのことを知らないでいるのです。その要因とは、後述する、「脳の老化のスピード差」をもたらす要因のことなのです。学者はと言えば、「アルツハイマー型認知症」の様々な段階的な症状が、「前頭葉」を含む脳全体の「機能レベル」の直接のアウト・プットそれ自体であることに気づかないでいて、「前頭葉」と言う脳機能を持たないマウスの行動を追いかけたり、発病の原因ではなくて結果(副産物)に過ぎないアミロイドベータやタウタンパクの血液中の量を検出する方法を見つけ出すことばかりに励んでいるのです。私たちが活動を開始した20年前の頃は、「アセチルコリン説」と言う「仮説」が主流だったのです。現在は、アミロイドベータ説が主流で、タウタンパク説と言う少数説が主張されているのです。ところが、アセチルコリン説も、アミロイドベータ説もタウタンパク説も、それらすべてが単なる「仮説」に過ぎないのです。原因とされるそれらの説と発病と言う結果との間の「因果関係」は、未だに、立証されないままで居るのです。単なる仮説にすぎないのに、名医とか第一人者であるとかの紹介に喜んで、テレビに出てきては、まるですでに立証されているかのように、そうした説を振り回して、断定的な物言いをするのです。本当は、迷医なのでは。
12月の初めにみたテレビ番組でのことなのですが、アミロイドベータやタウタンパクの蓄積による神経繊維などの器質的な変化(私たちが主張している廃用性の機能低下とは、その本質が全く異なることになるのです)としての神経線維の変性や神経細胞の脱落が「アルツハイマー型認知症」の症状としての「記憶の障害」の症状を惹き起こす原因だとかいう説明をしながら、その口の乾かないうちに、回想法が症状の進行を喰い止めたり、発病の予防に効果があるなどと意味不明の、それこそ出鱈目の説明をアナウンサーが行っていたりするのです。アナウンサー自身は、さしたる勉強もしないで、台本の通りに話しているだけのこととは思うのですが、テレビでの発言は、社会的な影響力が極めて大きいのです。「社会的な責任と使命」という視点が欠けているのではないかと疑うのです。アミロイドベータやタウタンパクの蓄積によって惹き起こされた器質的な変化としての神経線維の変性や神経細胞の脱落が回想法によって修復され、元の状態に戻るとかいうその「メカニズム」を、関連の教示をした学者か医師にテレビの番組に出てきてもらって、説明していただきたいと思うのです。
12月の中旬のテレビ番組では、「アルツハイマー型認知症」と診断された人たちが何人も出てきて、自分たちの日々の生活の中で、どんなことにどのように苦しみ悩んでいるかを、その苦しさを感情にも表しながら、切々と語るのです。どのような症状があるのかの放送はなかったのですが、そうした態度を観察し、発言を聞いているだけで、その人達が「アルツハイマー型認知症」ではないことが、私たちには分かるのです。なぜなら、その人達の「前頭葉」の機能レベルが正常であることが分かるからなのです。そもそも、廃用性の異常な機能低下が原因で認知症の症状が発現してくる「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の場合は、「前頭葉」の機能が最初に異常なレベルに衰えてくるものなのです。最初の段階である、「軽度認知症」(小ボケ)の段階における脳全体の機能レベルに関する私たちの定義を参照してみてください(ここを「クリック」してください)。その番組を企画した担当ディレクターも、放送内容を仕切っていたアナウンサーも、認知症ケアの専門家とかいうコメンテーターも、皆さん全員が、「アルツハイマー型認知症」の特徴について無知というしかないのです。「アルツハイマー型認知症」と紛らわしい病気である「側頭葉性健忘症」のことも知らないし、「緩徐進行性失語」のことも知らないのです。「DSMー4」が規定する「第一の要件」としての重度の記憶障害の症状さえ確認されれば、全てが「アルツハイマー型認知症」だと勘違いしているのです。余りにも不勉強であり、無知というしかないのですが、或いは台本通りに発言しているだけなのでしょうが、私たちが戸惑うほどの内容のひどさ、いったい誰の指導を受けて、こんなにも出鱈目な番組が制作されたのか、番組を仕切っていたアナウンサーの語る内容が余りにも出鱈目なのに、憤慨を通り越して、哀しさが抑えきれなくなったのです。その番組に出演していた人達に共通の症状、恐らくは、新しいことの記憶ができないというタイプで、且つ「重度の記憶障害」の症状の発現が特徴だと思われるのですが、この番組では何故だか記憶障害の症状がカットされていたので、この番組を見られたお年寄りは殆どの人が、これで「アルツハイマー型認知症」だとすれば、自分はもっとひどいのにと不安になったと思うのです。
また先日は、血液中のアミロイドベータの蓄積量を調べることが「アルツハイマー型認知症」の早期発見につながるとか、血液中のアミロイドベータの蓄積量を減少させることで「アルツハイマー型認知症」の発病を予防することができる等、マスコミで報道され騒がれていたのですが、発病との間の因果関係自体が未だに確認されてもいない仮説にすぎないのに、どうしてそれが可能になるのか、根拠を詳しく説明していただきたいのです。他社に先駆けされまいと、功を焦るがあまりに、肝心の因果関係の存在の有無の確認作業を怠っているというか、確認作業自体がなおざりにされているのではと疑うのです。
そうした余談は、さておくとして、「アルツハイマー型認知症」は、治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症であるというのは、間違いであり、出鱈目と言う他ないのです。発病の原因のメカニズム自体に迫ろうとはしないで、「様々な程度及び態様で発現してくる症状」を外観から眺めて、空想し、妄想しているだけの結論であり、主張に過ぎないのです。然も、外観から観察した「症状」を基準としているとはいっても、「DSM-4」の規定が診断の「第一の要件」に設定しているのは、「記憶の障害」なのです。これも、余談になりますが、「DSM-4」の「第二の要件」は、失語、失認、失行、又は実行機能の障害の確認となっているのです。
「記憶の障害」と聞いて、第二の人生を送っているお年寄りである皆さんが最初に思い当たるのは、「物忘れ」の症状でしょう。認知症の専門家とか言いながら、「物忘れの症状」と肝心の「アルツハイマー型認知症」としての「記憶障害の症状」とを区分ける物差しを持たないので、「昨日レストランに行って、食事を摂ったが、何を食べたのか思い出せないのは、物忘れの症状であって、食事に行ったこと自体を思い出せないのが認知症としての記憶障害の症状だ」などと、意味不明の、吹き出してしまいそうな例示が真顔でなされていたりするのです。これは国家機密事項なのですが、このブログを読んでくださっている皆さんだけに教えてあげることにしましょう。両者を区分ける物差しは、「前頭葉」の機能が正常なレベルにあるか、異常なレベルにあるかと言うことなのです。そのことに尽きるのです。但し、ここで一つ重要な問題があることを指摘しておかなければならないのです。私たちの「二段階方式」では、「前頭葉」の機能が正常なレベルに在るのか、異常なレベルに在るのかを精緻に計測し、判定することが出来るのですが、CTでもMRIでもSPECTでも、更にはPETでも、肝心の「前頭葉」の機能が正常なレベルに在るのか、異常なレベルに在るのかを精緻に計測し、判定することは出来ないということなのです。それらの機器は、診断に要する費用が多額のものになるだけで、物の役には立たないということなのです。
「意識」について、私なりの見解を提示したこのブログの(B-09、B-10、B-11及びB-12)を読んでみてください。私たちの意識的な世界を支配しコントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」と言う脳の機能の働き方、或いは機能の衰え方について深くを知ることなしには、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムに気づくことも、早期の段階で見つけて治す方法を見つけることも、発病自体を予防する方法を見つけ出すことも、「それらのすべてが、出来ない相談」と言うことになるのです。
更なる問題を提起すると、「前頭葉」の機能レベルと言う視点が欠ける「MCI」という考え方、「記憶の障害」の症状という外観から観測するだけの判定基準は曖昧過ぎて、本当の意味での早期の段階を見逃してしまうことになるのです。「アルツハイマー型認知症」の症状を発現させている脳の機能という視点、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルという視点を持つことが、「回復」させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分でいう小ボケ及び中ボケの段階)を見つけるのに不可欠の方法となるということなのです。 私たちの「脳機能データ」と440を超える市町村での実践の成果に照らして言うと、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、「アルツハイマー型認知症」こそが、発病を予防することが出来るし、早期の段階で見つければ治すことも出来るタイプの認知症なのです。
ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されたままで居て、飲むだけで(或いは、貼るだけで)、異常なレベルにまで衰えていた「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが正常なレベルに回復してくることなど、絶対にありえないことなのです。後述する、「前頭葉」の機能の詳細を読んでみてください。素人の皆さんでさえ、ありえないことだということが分かると思うのです。製薬会社と医療機関とによる売り上げ至上主義ともいえる不条理な商業活動を容認していたのでは、この先もずっと、「アルツハイマー型認知症」の発病者数は増え続けていくだけでなくて、「介護」が不可避となる末期の段階のお年寄りの数が増え続けていくことになるのです。介護保険の料率を上げ、消費税の税率を上げ続けることにもなるのです。放置しておいていいのですか。皆さんには、選挙権が保証されているのです。
市町村の議員や、国会議員に対して、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期段階の判定による回復ということを明確な活動目的とした「地域予防活動」の展開を、皆さんが居住する地域での早期の実施を、更には、全国的な規模での制度的な展開を要望すべきときなのです。一部の業界に税金を単に垂れ流しているだけの政策を止めさせて、もっと有効な政策へ大事な税金を投入させるべきなのです。
ところで、「アルツハイマー型認知症」の発病を確認する「第一の要件」は、「記憶の障害」の症状であるとするのが、上述した「DSM-4」が規定するところなのですが、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階で発現してくる症状(症状の類型については、ここを「クリック」してください)を詳細に分析してみれば、「前頭葉」の廃用性の機能障害に直接起因する症状、すなわち、来る日も来る日もナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続することにより(生活習慣化する)、肝心の「前頭葉」の機能自体が廃用性の異常で加速度的な機能低下を起こしてきたことが直接の原因となり発現してくる症状が核心的な症状なのであり、「記憶の障害」の症状は全く確認されないことが分かるのです。効きもしない4種の薬(バイオ医薬品も同様)やら食べ物とかではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」を工夫することによって、且つ、その方法だけが発病自体を予防することが出来るし、「脳のリハビリ」を目的とした「生活習慣」の改善とその実践によって、治すことも出来るのです。「前頭葉」の働きのメカ二ズムに無知な専門家達が気付いていないだけなのです。
「アルツハイマー型認知症」の場合は、権威がある人達が言っていることこそが、実は、でたらめなのです。発病の予防にも、早期の段階で見つけて治すことにも目がいかないで居て、介護の問題ばかりが声高に叫ばれているのです。誰もが、「アルツハイマー型認知症」は、発病を予防することができないし、治すことができないし、症状の進行を止めることもできないものと思い込んでいるというか、思い込ませられてしまっているのです。
私たちの主張は、医学会からは未だ認知されてはいないのですが、「東日本大震災」の被災地の高齢者達(60歳を超える年齢のお年寄り達)の間で密かに進行している問題状況が、2017年の春か夏頃に明るみに出てきて、私たちの主張が正しいものであることが疫学的に立証された暁には、まさしく、「コロンブスの卵」と言うことになるのです。世界中の認知症の研究者(製薬会社や独立行政法人等)や学者(大学)や医師達から、発病の原因もメカニズムも、今なお分からないとされている、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムも分かってしまえば、「素人でも思いつきそうなことなのですが、最初に実行し成功させるのは難しい」ということなのです。
書籍を出版したり、テレビに出てきたりして、認知症の専門家と自負してはいても、実際に町や村に出て行って、実態を自分の目で観察してみたという体験が無く、何も知らない人達ばかりなのです。例えば、高齢化率が40%に到達している村や町に行けば、「アルツハイマー型認知症」を発病しているお年寄りがあふれているのです。そうした町や村の住民に聞いてみれば、どんなお年寄りが「アルツハイマー型認知症」をこの先発病することになるかを、的確に、ものの見事に推定し、判定してくれるのです。その人達が推定の根拠にしているもの、判定の物差しは、その人の日々の生活ぶり、脳の使い方としての生活習慣なのだということに気づくのです。
& カクシャク老人の生き方(「日々の生活を自分なりに楽しむ」)
脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は、60歳より70歳、70歳より80歳、80歳より90歳と年をとればとる程誰でも老化が進んでいって、働きが次第に悪くなっていく性質があるのです。それなら、年を取ったお年よりは誰でも認知症になるのかと言うと、そうではありません:第二の人生が始まったばかりの60歳代で早々と「アルツハイマー型認知症」を発病する人もいれば、普通の人もいれば、身体がもつ限り脳ももって、生涯「かくしゃく」としている老人もいるのです。そうした差は、どこから(何から)生まれてくるのでしょうか?「かくしゃく老人」は、「前頭葉」の老化の進み方が、「年をとるスピード」よりもずっと緩やかなのです。早々と認知症になっていくお年寄りは、「前頭葉」の老化の進み方が、年をとるスピードよりもずっと速いのです。「アルツハイマー型認知症」になるか、ならないか、或いは、早々と「アルツハイマー型認知症」になるか、身体が持つ限り脳もイキイキと保てるか:それは、毎日の脳の使い方という「生活習慣」が、決め手になるのです。
どんな「生活習慣」が決め手になるのか。「かくしゃく老人」は、「前頭葉」を含む脳全体を生き生きと使う「生活習慣」をもっているのが特徴なのです:「左脳」が主体となる仕事とは無縁の「第二の人生」を送るという日々の暮らしの中で、何をどのようにするのかを決める「前頭葉」の出番が多い生活を楽しんで暮らしているのです。毎日の暮らしの中で、「運動の脳」を使ってスポーツや散歩を楽しむ生活、「右脳」を使って趣味や遊びや人付き合いを楽しむ生活、或いは、ボランティア活動等を自分なりに楽しむ生活をしているのです。自分なりの目標や喜びや生き甲斐を持てる生活を送っていて、「前頭葉」の出番が多いので、「前頭葉」がイキイキと働き、活性化していて、加齢に伴う「前頭葉」の老化のカーブがとても緩やかにしか低下していかないのです。その結果として、「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁の「第二の人生」を完走していくことになるのです。
& 認知症になるお年寄りの生き方(「単調な生活習慣」)
60歳代以降の「高齢者」と呼ばれる年齢になってから、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症を発病するお年寄りの割合がどんどん増えていきます。私たちのデータによれば、60歳代のお年寄りの12%、70歳代のお年寄りの30%、80歳代のお年寄りの50%、90歳代のお年寄りの75%もの人達が、「アルツハイマー型認知症」を発病しているのです。但し、此処に示した%は、厚労省が発表している「重度認知症」(大ボケ)の段階の人達の人数だけでなくて、「中等度認知症」(中ボケ)の段階の人達及び「軽度認知症」(小ボケ)の段階の人達の全てを併せた数値であることに注意してください。
「第二の人生」に入っているということは、60歳を超える「高齢者」と呼ばれる年代になっているということなので、誰でも、「加齢に伴う前頭葉の老化の問題」を抱えているということなのです。そうした年齢のお年寄りが、「時間はたっぷり有るのに、することがない」毎日:自分なりの喜びや生き甲斐もなく、目標もなく、趣味を楽しむこともなく、遊びを楽しむこともなく、人付き合いを楽しむこともなく、運動を楽しむこともない「ナイナイ尽くし」の単調な毎日、ただボンヤリと暮らすだけの「単調な生活」を送っていると、もともと年をとるにつれて老化して機能が衰えていく生来的な性質(「正常老化の性質」と私たちは名付けています)を持っている「前頭葉」の働きが、出番が少なくて不十分にしか使われないことにより、衰えを加速させていく(廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになる)ことになるのです。その先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているのです。「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムについては、詳細を後述します。
& 意識的な行為の世界と個別機能によるその認知度及び機能の発揮度を支配している脳の機能とその構造
脳全体の司令塔の役割を担い、左脳、右脳及び運動の脳と言う三頭の馬を制御する役割、三頭立ての馬車の御者の役割を担っていて、私たちが意識的に何かを実行しようとする世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」と言う機能(「前頭前野」という機能部位 )には、何十種類もの機能が存在しています。ある種の機能は単体で、又ある種の機能は様々な機能の集合による複合体としての重層的な機能を、更に、複数の単体の機能が重合したものとしての機能を発揮しているのです。後述するように、「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の異常で加速度的な機能レベルの低下が直接の原因で、認知症の症状が発現してくるものに過ぎないが故に、創薬に高い可能性が期待できるのではとマスコミ報道で今話題の「iPS細胞」をもってしても、治療薬の開発には役に立たない(治療効果のある物質を探し出すことは、絶対にできない)と私たちは確信を持って主張しているのです。税金を無駄遣いしない為の警鐘です。
意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、意欲、注意集中、注意分配、自発性、観察、分析、考察、洞察、想像、推理、表象、批判、理解、了解、把握、判定、興味、関心、着眼、発想、連想、空想、妄想、意図、企図、企画、計画、創意、工夫、創造、具象化、抽象化、シミュレー・ション、予見、予測、修正、比較、選択、確認、整理、統合、判断、決定、決断、監視、機転、拘泥、執着、憤怒、抑制、忍耐、及び感動等、「前頭葉」の個別機能を構成している各種の高度な認知機能を正常に発揮する上で、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となるのです。認知度が一定レベル以下だと、例示した「前頭葉」の各種個別の認知機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした個別の認知機能によるその「認知度」の高さ、或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(私たちが「二重構造」と名付ける構造、個別機能の「認知度」と「発揮度」とがともに、「三本柱」の機能レベルと「リンク」しているという構造が存在するのです)。
「前頭葉」を中核の機能として、有機的な連携のもとに左脳や右脳や運動の脳も参加して、脳全体で何をどのように実行するのかを組み立てるには(実行すべきテーマをいくつか発想し、その中から1つを選択し、その実行内容を組み立てるには)、先立って且つ常に、必要な機能レベルでの「意欲」の継続的な発揮が不可欠になるのです。自分が現在置かれている状況と環境の判断をベースとして、様々な状況の変化を予測して考慮し、いく通りかのケース・シミュレーションを経た上で最終的な内容を決定し、実行に移すには、「注意の集中力」と「注意の分配力」の機能の継続的な発揮も必要になるのです。上述のようにその「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能の構成要素である「個別機能」によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、個別機能を十分に発揮するに際しての「二重構造」の関係が存在しているのです。意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」と言う脳機能は、幾種類もの及び幾層ものネットワークが有機的に結合された複合/集合/統合機能体なのです。その個別の及び/全体的な機能の発揮度及び認知度を左右している大本は、注意の分配機能を筆頭とした「前頭葉の三本柱の機能」なのです。てんかんや糖尿病や脳梗塞の治療薬が「アルツハイマー型認知症」の症状に対する治療効果を有する訳ではないのです。三本柱の出番が多い生活習慣こそが、唯一無二の治療薬となるのです。
& 私たちが主張する「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム
生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標もない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されている日々(これも私たちのネーミングです)、三頭建ての馬車の御者の役割を担う「前頭葉」と三頭の馬である「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」との間で量も少なく質も劣る情報しかやり取りされない「生活習慣」が継続されていて、時間は余るほど有るのにすることが無い毎日を送っているお年寄りは、それまでは緩やかな下降曲線だった「前頭葉」の老化曲線(私たちが言う、正常老化の曲線)が加速度的に低下していく曲線を描いて、急速に低空飛行になっていくことになります。その行き着く先には、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです。
本来的な性質として内在している「前頭葉」の「正常老化の曲線」の問題、これを言い換えると、60歳を超える年齢の高齢者(私たちが定義する発病の「第一の要件」)という条件と第二の人生に入って、何かを「キッカケ」にして(類型については、ここを「クリック」してください)、「右脳」も「運動の脳」も「左脳」をも使う機会が極端に少なくなるような生活、「生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない」ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まり、そうした生活が日々継続している(私たちが定義する発病の「第二の要件」)という条件の二つが同時に充足される時、出番が極端に少なくなった「前頭葉」が、「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されるその「相乗効果」により、廃用性の異常で加速度的な機能低下を惹き起こしてきて、「アルツハイマー型認知症」の発病への道を歩みだすことになるのです。
&「脳の老化のスピード差」と「生活習慣」との相関
私たちの「二段階方式」では、「アルツハイマー型認知症」と判定された人達の脳の使い方としての「生活習慣」を詳しく聞き取ります。「キッカケ」となる状況が発生して以降の「生活歴」を「前頭葉」を含む脳全体の出番がどの程度あったのかなかったのか、日々の生活を送る中でどのような「テーマ」が、どの程度出入いりしていたのかと言う視点から詳細に聞き取り、脳機能データとして集積しているのです。そうしたデータの解析から見えてきたこと、それは、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下を進行させる要因であったり、逆に、機能低下の進行を遅らせる要因であったり、更には、低下していた機能レベルを回復させる要因であったり、脳の使い方としての様々な生活要因が存在することに気づいたのです。そうした様々な要因が複雑に織りなす生活の継続の中で、「脳の老化のスピード差」と言う問題が存在しているのです。「アルツハイマー型認知症」の治療薬として、現在処方されている4種類の薬が、単に「興奮型」の物であったり、又は、単に「抑制型」の効果しか有せず、「症状の進行を遅らせる効果は持っていない」と私たちが主張する根拠となるデータでもあるのです。
立ち上がれないほど「意欲」を喪失させてしまうような「生活状況」の発生が「キッカケ」となり、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まり、 半年~1年もすると、「アルツハイマー型認知症」を発病することになります。発病してから3年間が「小ボケ」の期間、「中ボケ」の期間が2~3年間続き、発病から5~6年経つと「大ボケ」になる」というのが大原則であり、判定の標準的な指標となります。「アルツハイマー型認知症」の特徴は、段階的な症状を呈するのです。最初が小ボケ、次いで中ボケ、最後に大ボケの3つの段階をたどるのです。脳のリハビリにより回復させることが可能な「小ボケ」や「中ボケ」のレベルの間であれば、「生活習慣」の影響により「前頭葉」の「三本柱」の出番が増えたり減ったりする中で、脳の機能レベルの顕著な「改善」や更なる「悪化」の現象が見られるのです。ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されているように見えてはいても、実際の生活実態を詳細に聞き取ってみると、それなりに「プラス要因」の生活が入り込んでいたり、逆に「マイナス要因」の生活が入り込んでいたりもするのです。期間の計算が、上述の「基準」に適合しないケースは、「プラス要因」と「マイナス要因」の「生活習慣」の質と量とが脳に働いて、「アルツハイマー型認知症」の症状の回復や更なる進行に影響を与えているのです。症状の進行を遅らせたり、脳の老化を引き戻す「プラス要因」は、(①家族や仲間と散歩や運動を始めること、家族の優しい言葉かけや家族とのだんらん、ゲーム、カラオケ、買い物、外出、小旅行などの家族とのイベント.②離れて住む子や孫からの定期的な電話や手紙。③趣味の教室やボランティア活動への参加。④家事へのカムバック。⑤友人や仲間とのふれあいや談笑など)の状況の発生と継続であり、症状の進行を早める「マイナス要因」は、(①定年退職。②家族や友人との別離。③いつも心を占めて離さないが他人には言えない自身や家族の心配事や辛い出来事の継続。④自身の病気。⑤連れ添いの介護など)の状況の発生と継続なのです。 症状の悪化と改善に影響するこうした生活上の要因を排除しないで、治験した薬の効能は、因果関係が立証されていないとしか言いようがないのです(因果関係の立証が不十分と言うしかないのです)。
& 一年の計は元旦にあり
全ての病気は、予防及び早期発見と早期治療が大原則。「アルツハイマー型認知症」もその例外ではないのです。「アルツハイマー型認知症」の正体は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」なのですから、「アルツハイマー型認知症」こそ、対象となる患者の総数から見ても、介護に要する天文学的な費用の規模からも、発病自体を予防し、早期の段階で見つけて治すべき病気なのです。
発病の予防も、早期の段階で見つけて治すことも放棄して、末期の段階で見つけるという遅すぎる医療診断を容認しているその結果、介護保険制度の財政面からの破綻という状況に対して、家族介護の奨励に走るなどという政策は、無為無策に過ぎるのです。
「アルツハイマー型認知症」は、原因不明で治らない病気とするマヤカシ、呪文の束縛から解放されて、医学会と医療機関に対し、本来の道、発病自体の予防と早期発見による回復という正しい道へと180度方向転換させるコペルニクス的転回を求めるべきなのです。
ナイナイ尽くしの単調な日々を送るだけの第二の人生、有り余るほどに時間があるのにすることがない毎日、そうした不本意な毎日を送っているお年寄りが、目覚めて、「アルツハイマー型認知症」の地域予防活動に参加していく中で、自分なりのテーマを見つけて、自分なりの居場所を見つけることができれば、天文学的な規模での税金を垂れ流しているだけの無意味な診察も、想像を超える規模と速さとで減少していき、家族介護による介護離職も世間の話題から消えていくことになるのです。加えて、そうした活動が市町村の小さな単位集落にまでいきわたるようになれば、「一億総活躍社会」の実現の姿を皆さんが目の黒いうちに目にすることも夢物語ではなくなってくるのです。 今日は、年の初めなので、アルツハイマー型認知症について基本的な理解をしておいていただきたいと思い、少し詳しく、その流れを書いてみました。専門家といわれる人たちこそが重大な誤解をしているところにこの病気が抱える根源的な問題が存在しているのです。
& 「アルツハイマー型認知症」患者に対する薬物療法の問題
上述のように、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の本質は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」なのです。但し、食生活ではなくて、「脳の使い方」という視点からの生活習慣病である点が重要なのですが。従って、その治療法とは、「脳のリハビリ」(「前頭葉」を含む脳全体を活性化させるための「生活習慣」の改善策の実行)ということになり、薬による治療は不可能なのです。一部の医師達からもてはやされている薬物療法なるものの中味はというと、「アルツハイマー型認知症」の患者、就中、末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階にまで進んでいる患者に対する薬の使用、薬物療法なのです。その治療法とは、二つに大別されていて、言動面からの症状の発露が激しい症状を示す人には「言動を抑制するタイプの薬」を投与し、言動面からのの発露が極めて低い症状を示す人には「言動を引き出すタイプの薬」を投与するだけの方法なのです。これは、「アルツハイマー型認知症」の症状の治療方法と言うのではなくて、介護者の側から見た患者への対策療法に過ぎないのです。「アルツハイマー型認知症」の本質を知らず、私たち人間の意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」と言う機能について無知な医師達の、次元の低い、身勝手な対策療法に過ぎないのです。こんな程度の低い療法が、一部の医師達とはいえ、もてはやされているのは、嘆かわしい限りというべきでしょう。
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