亀のようにゆったりとしてゆっくりと歩む、
ウサギのように脱兎のごとくではないものの速く進む、
あなたの生き方が決めるのが脳の老化のスピード!
〇 プロローグ
皆さんの周りでよく見かけるタイプの認知症、様々な種類が数ある認知症のうちの90%以上の割合を占めていて、超高齢化社会を達成した国でしか大量の発病が起きてこないもの、それが、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病なのです。但し、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについては、未だに定説が無く、原因不明とされているのです。有るのは、憶測や推測に基づいただけの仮説の類、アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウタンパク説、或いは、脳の萎縮説といった様々な仮説(主張内容と発病との間の因果関係の立証が出来ていない為に、仮説と呼ばれる)が唱えられている一方で、世界中の認知症の専門家達から、『発病及び症状が重症化していく原因(機序)が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症である』とも言われていて、そのその『誤った情報』が今猶発信され続けているのです。「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行をテーマとしつつ、それとの関連で、「脳の老化」と言うテーマを取り上げてみようと思い立ったという訳なのです。
つい先日も、国立長寿医療研究センターが、アルツハイマー病の(正しくは、「アルツハイマー型認知症」のというべきもの)原因とされる(正しくは、未だに発病との間の因果関係が立証されてはいないが、一部の学者から発病の原因ではないかと推測されているところの)タンパク質(アミロイドベータ蛋白質、或いは、タウタンパク質)を僅かな量の血液から高精度で検出できる技術を確立したと発表したばかりなのです。その報道に接した皆さんは、素晴らしい研究だと思うでしょう。実は、その表現自体には裏があって、正確な発表内容とは言えないのです。正確に言うと、アミロイドベータもタウタンパクも「アルツハイマー型認知症」を発病させる原因物質ではないかとの仮定に立った検出技術に過ぎないのです。アミロイドベータの蓄積(老人斑)も、タウタンパクの蓄積(神経原線維変化)も 、「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の存在自体が未だに立証できてもいない単なる「仮説」に過ぎないのです。どんなに精緻なレベルで、血液中から検出できたからといって、それがどうしたのという世界なのです。「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係が存在しない場合には、何の意味もないことなのです。
私達は、「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」(ただし、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」に起因して発病する病気)に過ぎないと主張しているのです。加えて、脳の使い方としての「生活習慣」、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築と実践及び改善と工夫により、発病自体を予防できるし、早期診断により治すことが出来ると主張しているのです。認知症の専門家とかの仮説の類とは異なり、私たちの主張は、北海道から九州までの452の市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践とその指導の中で実証されてきてもいるのです。「加齢」に伴う脳の老化(正常老化の性質)という要因とナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下という要因、この二つの要因の同時存在こそが、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化する真の原因であって、アミロイドベータの蓄積による老人斑の生成も、或いは、タウタンパクの蓄積による神経原線維変化も、両者ともに発病の結果であって発病の原因ではないと考えるのです。『そもそも、「記憶の障害」が「アルツハイマー型認知症」発病の第一に確認されるべきテーマだとする「DSM-4」の規定内容自体が重大な誤り』なのであり、その重大な誤りを前提に仮説を組み立てているのがアセチルコリン説であり、アミロイドベータ説であり、タウタンパク説であり、脳の萎縮説なのです。肝心要の因果関係の立証という重大なテーマを脇に置いたままでいて、権威を笠に着ただけの主張でしかないのです。
〇 閑話休題
老化といっても、肌の老化であれば、若い時から気になるものなのですけど、『脳の老化』は、表面に見えてこないし、それとは気づかないうちに緩やかに進行してくるものなので、「物忘れ」もそれほどひどくはないし、40や50歳とかの年齢では、誰しも気には止めないことなのでしょう。とはいえ、あなたは、もはや『高齢者』‼
肌のしわが深く刻まれていて、周りの異性たちからは気にも留められない存在になってしまったあなたなら、肌の老化などそれほどの悩みではないでしょう。今一番の悩みといえば、深いしわが幾重にもより重なり、より集まっているあの「脳」という場所の、老化という問題でしょう。若いころにはそれ程気にもしていなかったあの「物忘れ」の症状が、何時でも何処でも顔を出すようになってきているからでしょう。おまけに言葉も出なくなってきていて、『ほら、あの人よ!』とか、『ほら、あれのことよ!』とか、あれしか言葉が出てこなくなっている今日この頃なのでしょう。『物忘れは、ボケの始まりだ』とか周りから揶揄されたり、テレビに出てきて迷走する迷医が、MCI(軽度認知障害)とかの、いかにもそれらしい言葉を持ち出してきて、物忘れが「アルツハイマー型認知症」の予備段階の症状であるかのごとき説明をしていたりすると、不安感が募ってくるのでしょう。こと、「アルツハイマー型認知症」については、『認知症の専門家とされる人達が主張している発病の原因なるものも、「アルツハイマー型認知症」の症状として紹介されている類型も、更には、様々な症状は、「記憶障害」に起因して発現してくるとされていることなども、その全てが単なる思い付き、出鱈目で、主張内容を裏付ける客観的な根拠データが存在していない』と言ったら 我が耳を疑うことでしょう。そもそも、「アルツハイマー型認知症」の症状として発現してくる最初の段階(私たちの区分でいう「小ボケ」の段階)では、『記憶障害の症状、或いは記憶障害に起因した症状は、その欠片さえも確認され無い』のであって、『確認出来るのは、「前頭葉」の機能障害に起因した症状ばかり』なのです。私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に何かを行おうとする世界、その核心をなしている「前頭葉」という脳機能に焦点が当てられていないのです。恐らくは、「意識」の機能構造についての知見が浅薄であるか、或いは、その機能構造にかかわる判定のための肝心の手技自体を有していないからなのでしょう。何しろ、彼等はというと、マウス(アルツハイマーマウスを含む)が檻の中で餌を求めて彷徨するデータを追いかけまわして、仮説の根拠としている訳なのですから。マウスには、「前頭葉」という脳機能も備わっていないし、「注意の分配力」の機能も備わっていないことを、どう考えているのでしょうか。
〇今日の耳寄り情報(これは、国家機密なの)
米国精神医学会の診断既定である「DSM-4」の規定内容の重大な誤りに気付いていなくて、やみくもにその規定内容を信望しているだけの人達、認知症の専門家達が未だに知らない世界があるのです。それは、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症には、本当の意味での早期の段階であり、「脳のリハビリ」により元の正常な機能レベルに回復させることが出来る(認知症としての症状を治すことが出来る )段階があるということなのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル及びその機能レベルに厳密にリンクした症状であり、『脳のリハビリ』(「前頭葉」を含む脳全体の機能の活性化を目的とした、脳の使い方としての「生活習慣」の改善及びその実践を言います)により回復させることの可能性及びその程度から、私たちが「三段階」に区分する類型的な症状の段階があるということなのです。その最初の段階が「小ボケ」の段階であり(「脳のリハビリ」により治すことが比較的に容易)、次いで「中ボケ」の段階があり(「脳のリハビリ」により治すことが未だ可能)、最後に末期の段階である「大ボケ」の段階がある(治すことは最早困難であり、「介護」の途しか残されていない)ということを認知症の専門家達が未だに知らないのです。彼等は、「DSM-4」の規定が第二の要件で確認を要求している失語、失認、又は、失行の症状が「アルツハイマー型認知症」の早期の段階の症状であると誤解したままでいるのです。失語、失認、又は、失行の症状は実は、30点が満点のMMSEの得点が一桁にしかならないまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてきて初めて発現が確認される極めて重度の症状であることさえも知らないのです。その重大な誤りの結果として、早期の段階で見つければ(小ボケ及び中ボケの段階で見つければ)治すことが出来るものであるにも拘わらず、極めて重度の症状を基準にしてそれよりもさらに重い症状だけに焦点が当てられている結果として、治らないものと誤解されているだけなのです。簡単に言うと、専門家達(医療現場の医師をも含めて)が見つけている段階が遅すぎる、治すことが出来なくなる末期の段階の症状(失語や失認や失行と言った症状を基準にしてそれよりもさらに重い症状)を見つけて居るということなのです。
〇症状は、「三段階」に区分されるのです
左脳が専管する仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であるあなた。自分なりの目標があり、趣味や遊びや人付き合いもそれなりに楽しんでいて、時には、居住地域の町興しなどにも関わることがあり、自分なりの喜びを覚える時もあり(極めてまれとはいえ、自分なりの感動があったりして)、自分なりに生き甲斐もおぼえている第二の人生を過ごせていると自負してもいたのです。そんなあなたの「意欲」を喪失させてしまうような何等かの「キッカケ」の発生が契機となり、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まり、半年から1年間が経過すると「アルツハイマー型認知症」を発病することになったのです。発病してから3年間が「小ボケ」の期間、「中ボケ」の期間が2~3年間続き、発病から5~6年経つと「大ボケ」になるというのが大原則であり、私たちが三段階に区分する症状の標準的な期間となります。東日本大震災が発生したのは、2011年の3月でした。あれから、7年の月日が経過しようとしているのです。そろそろ、末期の段階である「大ボケ』の段階の症状の発現が確認される人たちの姿が目に付くようになってきているはずなのです(但し、失語や失認や失行の症状が発現してくるのは、末期の段階のさらに後半になってのことなので、未だずいぶんと先の事になってしまうのです。そんな段階で「アルツハイマー型認知症」の発病を見つけることに、何の意味があるというのでしょうか)。「大ボケ」のレベルになると、中ボケレベルへの回復を期待することさえも最早困難となるのです。その「大ボケ」のレベルの中で、運動の脳や右脳を刺激する「生活改善」により、症状の進行が緩やかになる程度の改善がみられることはありますが(但し、それも、MMSEの得点が14~10点までの段階でのことであり、一桁になるとそれさえも期待できなくなってしまうのです。「前頭葉」が殆ど働かなくなってくるからなのです)、「中ボケ」レベルへの改善の見込みさえも極めて低いものになってしまうのです。そこまで廃用性の機能低下が進行してしまうと、右脳や運動の脳は、大ボケの枠の中での或る程度の働きが未だ期待できるのですが、肝心の「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)の機能が働かなくなってきてしまうのです(せっかくの刺激を認知できなくなってしまうのです)。 とはいえ、「大ボケ」のレベルで(但し、MMSEの得点が14~10点までの場合に限る)右脳や運動の脳を刺激する「生活改善」を試みることさえもなく、介護しているだけでは、症状は更に重いものになっていくだけなのです。同じ「大ボケ」のレベルといっても、大河の幅のようにその幅は極めて広いものなのです(身体が何時までも持つ人の場合であれば、前頭葉だけでなくて、左脳も右脳も運動の脳も働かなくなり、まるで植物人間のような状態になるまで、脳全体の機能が衰えて行くだけになるのです)。
「小ボケ」や「中ボケ」のレベルの間であれば、脳の使い方としての「生活習慣」の影響により「前頭葉」の「三本柱」の出番が増えたり減ったりする中で、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの顕著な「改善」や「悪化」が見られるのです。言葉によるコミュニケーションが可能なので、「脳リハビリ」の意味を本人が理解できるので、家族の支えと後押しとがあれば、「脳のリハビリ」を続けることができるからなのです。また、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されているように見えてはいても、実際の生活実態を詳細に聞き取ってみると、それなりに「プラス要因」の生活が入り込んでいたり、逆に「マイナス要因」の生活が入り込んでいたりするものなのです。上述の症状が進行する標準的な期間の基準に適合しないケースは(症状の継続期間と脳の老化のスピード差をもたらす要因:ここを「クリック」して下さい)に例示する「プラス要因」と「マイナス要因」の「生活習慣」の質と量とが脳に働いて、「アルツハイマー型認知症」の症状の更なる進行や回復に影響を与えているのです。このことは、極めて重要な意味を示唆しているのです。「前頭葉」の機能が正常な機能レベルにある段階を保っている限りは、「アルツハイマー型認知症」を発病することは無いということなのですが、それを決定づける要因が、脳の使い方としての「生活習慣」であるということなのです。
〇症状の期間と脳の使い方としての「生活習慣」の影響
エイジングライフ研究所の「二段階方式」を活用するときは、定期的に「前頭葉」(かなひろいテスト)並びに「左脳」及び「右脳」(MMSE)の働き具合を神経心理機能テストで測定し、「生活実態」の聞き取りから『30 項目問診票』に照らして生活の自立度を判定し、更に、「生活歴」の聞き取りからその期間中の「生活習慣」としての脳の使い方を具体的にチェックします。「二段階方式」では、神経心理機能テストによる定期的な脳の働き具合の総合的な判定結果を、「改善」、「維持」、「悪化」の三段階に区分し判定します。そして、対象期間中の「生活習慣」を脳の機能レベルの判定結果と照らし合わせるのです。「改善」、「維持」、「悪化」の各々のケースについて、その人の脳を活性化させるような「生活習慣」としての生活実態があったのか、プラス要因やマイナス要因がどのように入り混じっていたのか、或いは、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続したままだったのかを詳細にチェックするのです。そうした判定により、脳の機能レベルの推移(改善、維持、悪化)と対象期間中の脳の働き具合を支える生活実態としての「生活習慣」の内容とは、必ず合致していることが分かるのです。
そうした極めて多数の事例の分析とデータの積み重ねから、上記「老化のスピード差」の標準的な期間が指標として導き出されているので、この「小ボケ」、「中ボケ」の期間は標準的な指標となるのです。ところで、「大ボケ」の期間というものは存在しません。「大ボケ」の段階にまで症状が進行してくると、身体がもつ限り(「アルツハイマー型認知症」は、単なる廃用症候群であり、「アルツハイマー型認知症」の発病が原因で死に至ることは無いのです。老衰により及び他の何らかの病気が原因で、死を迎えることになるまで)、「大ボケ」の枠の中で症状が更に進行していくことになるのです。
この指標となる期間と実際のケースの期間との間に差異があるときは、「プラス要因」と「マイナス要因」とが複合して脳の機能レベルの変化に影響を与えているのです。その実態を丁寧に確認する作業がとても重要なのです。こうした多数のデータの積み重ねから、専門家たちから原因も分からないし治らない病気とされている「アルツハイマー型認知症」を発病する原因は、「加齢」(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」)が第一の要因であり、その年齢の下での日々の脳の使い方としての「生活習慣」であり、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が第二の要因(発病するかしないかを最終的に決定する、決定的な要因)であることが分かったのです。
なお、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が開始されるキッカケについては、標準的なものを類型化して導き出すことはできるのですが、絶対的なものはなくて、あくまで相対的なものだということが留意すべき重要なポイントです。その「キッカケ」を個々の本人の「前頭葉」がどのように評価したのかが、「前頭葉」の「三本柱」の意欲、注意の集中力と注意の分配力の働き具合に直接影響するからです。ある日突然降ってわいた「キッカケ」の発生を契機として意欲を喪失してしまい、ナイナイ尽くしの単調な日々が始まり継続することが、「アルツハイマー型認知症」の発病に直結していくことになるのです。
更に、「小ボケ」と「中ボケ」のレベルであれば、日々の「生活習慣」の改善により、正常レベルへの脳機能の回復が可能であることが分かったのです。但し、「大ボケ」のレベルにまで脳の機能が衰えてしまった人達は、「中ボケ」レベルへの機能の回復さえも期待できないことも分かったのです。「前頭葉」を含む脳全体の極めて異常なレベルに低下した機能レベルの問題並びに「前頭葉」及び「左脳」の異常なレベルへの機能低下によりコミュニケーション自体が機能しないので、本人が「脳リハビリ」の意味も目的も理解できなくて、「脳のリハビリ」自体が実行できないからなのです。従って、「アルツハイマー型認知症」の場合は、早期発見(小ボケ及び中ボケの段階での発見)と早期治療(「脳のリハビリ」の実践)が極めて重要だということなのです。猶、ここで言う「治療」とは、「前頭葉」の出番が増えて活性化するような脳の使い方としての「生活習慣」の改善のことを言います。飲む(貼る)だけで「前頭葉」を含む脳全体の働き具合を回復させる効果があるような薬は、この世の中には存在するはずがないので注意してください。
現在、殆どの医療機関で行われているような方法、「重度の記憶障害」の症状の確認並びに「失語、失認又は失行」の症状の確認を基準にした「アルツハイマー型認知症」の発病の有無を診断する方法では、末期の段階であり、「脳のリハビリ」の実施により回復させることが最早困難な「大ボケ」の段階(あるいは、その後半の段階)でしか見つけることが出来ないのです。回復可能な「小ボケ」と「中ボケ」の段階という本当の意味での早期の段階を見逃してしまうと、回復の見込みはなくなり、「介護」だけの対応となってしまうのです。
〇 仕事とは無縁の「第二の人生」を、どのように生きれば、良いのか
年を取って、高齢者と呼ばれる年齢になってくると、第二の人生を送るような年齢になってくると、誰もが気になるのが「脳の老化」という問題です。一口に脳の老化とは言っても、実は、二つの種類があることさえも知らない(気づいていない)のです。その一つは、皆さんもご存じのものである「加齢」に起因した脳機能の低下、所謂、『脳の老化』と言われている問題であり、もう一つ(別の)ものが、脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した『廃用性の機能低下』という問題なのです。
今日は、この二つの要因に言及しつつ、ボケないで(「アルツハイマー型認知症」を発病しないで)「第二の人生」を完走するには、どのような生活習慣、脳の使い方としての「生活習慣」、平たく言えば、日々の暮らし方としての「生き方」を実践すべきなのかを取り上げてみようと、思い立ったのです。「アルツハイマー型認知症」は廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、「第二の人生」での脳の使い方としての「生活習慣」、あなたの「生き方」が発病するかしないかを、更には、発病後に治すことが出来るかどうかを決定する要因(決定的な要因)となるからなのです。アミロイドベータの蓄積とかタウタンパクの蓄積とか脳の萎縮とかとは無関係なのです。
「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の特徴は、年をとればとるほど発病する人の割合が増えていくのです。60歳代で12%、70歳代で30%、80歳代では50%、90歳代になると75%、加齢の極まりである100歳代では97%ものお年寄りが発病するのです(此処に掲げた%は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全てを含む数値であって、厚労省が発表している「大ボケ」だけの数値ではないので、注意してください)。このデータが示しているように、長生きすればするほど発病の可能性が高くなるのが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の特徴なのです。その発病のメカニズムをよく理解して、発病するリスクをできるだけ少なくしていただきたいと願うのです。万一発病した場合にも、必ず「早期診断」により、回復してきていただきたいのです。『「アルツハイマー型認知症」こそが、早期診断により治せるし、発病自体を予防することが出来る』タイプの認知症なのですから。あなたの生活習慣、脳の使い方としての生活習慣、「第二の人生」での「生き方」を点検して、見直すべきは見直して、足りないところは補う努力をして頂きたいのです。東大や京大や、あの理化学研究所までもが、アミロイドベータの蓄積(老人斑)が発病の原因だとか言っている世界では、ましてや、『「アルツハイマー型認知症」は、治すことも予防することもできない』などと公言している現状では、現実感がなくて(具体的な意味が、分からなくて)、どう対応していいかが分からない為に、かえって無関心になってしまうのでしょう。アミロイドベータ説もタウタンパク説も脳の萎縮説も、全てが仮説であり、主張している原因と発病との間の因果関係さえ立証することが出来ないでいて、権威だけを笠に、間違った情報を発信し続けているだけなのです。このブログをお読みになった今日から、それらの仮説の類を闇の彼方へと葬り去って頂きたいのです。「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であるという私の主張を信じ、「第二の人生」での脳の使い方としての「生活習慣」を真剣にチェックし、見直し、改善して頂きたいのです。
「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であるあなた。これは、私たちが、「アルツハイマー型認知症」発病の第一の要件に掲げる条件なのです。「第一の要件」の内容は、誰の脳にも、生まれつき存在している性質、私たちが独自に開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の活用により集積した「脳機能データ」を解析する過程で発見した性質であり、「正常老化の性質」に起因した脳機能の老化に係る機能低下の問題なのです。脳の使い方としての「生活習慣」の如何に拘わらず、「正常な機能レベル」を保ちつつも、100歳に向かって緩やかにではあるが、働きが直線的に衰えていく(脳の機能が「老化」していく)という性質があるのです。
この性質が存在するが故に、私たちは、『第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること』を、「アルツハイマー型認知症」発病の第一の要件に掲げているのです。米国精神医学会が策定した診断基準である『DSM-4』が発病の第一の要件に掲げている「記憶の障害』という条件とは、視点自体が及び根拠自体が根本的に異なるのです。「DSM-4」の規定が第一の要件に掲げる条件の内容は、権威はあるものの、客観的な基礎となるデータの根拠がなくて、外観的に観測した憶測に基づいただけのものであるのに対し、私たちが掲げる内容は、権威と情報の発信力は無いとはいえ、事象事実にも合致していて及びその事象事実を裏付ける客観的な基礎データに基づいているのです。『「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者は、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」だけなの』であり、「特定の範囲の全数調査」という実測値に基づいた私たちの経験値による年齢別の発病率は、上述したような数値になるのです。この数値の意味するものそれは、『発病のメカニズムを知らないで、脳の使い方としての「生活習慣」を見直さないままに、問題点に気づかないままに、なんとなく「第二の人生」を送っている』とすると、大半のお年寄りは、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるということなのです。
なお「脳機能の老化」の場合にいう、「脳」というのは、理解、判断、考察、企画、計画、洞察、推理、比較、選択、決断、抑制、或いは、感動等の機能を構成している「前頭葉」の個別認知機能の働き具合を左右し/下支えしている脳機能であって、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と呼ぶ意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能のことなのです。この「正常老化の性質」は、30歳代になると誰もが経験することになる、脳の老化現象としての症状、所謂、「物忘れ」の症状を初発させてくる真の犯人なのです。私たちが集積した「前頭葉」の三本柱の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能のこと)の老化のカーブは、18歳~20歳代の半ばまでが最盛期で、この後は、年齢を重ねるごとに緩やかながらも直線的な低下のカーブを描いていくのです。「第二の人生」が始まる65歳頃までには、最盛期の半分程度までに機能が衰えてきて、その後も100歳に向かって直線的に衰えていくものなのです。「正常老化の性質」が症状を発現させている「物忘れ」の症状は、年をとればとるほど、頻度が増していき、程度及び態様も重く複雑化していくものなのですが、『物忘れの症状の先には必ず 、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現が待っている』という訳ではないのです。『物忘れがボケの始まりではない』ということなのです。テレビ番組に出てきた認知症の専門家と紹介された講師が、出演者に記憶のテストを実施するなどは、専門家とは名ばかりで、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化していくメカニズムについて無知なだけでなくて、「アルツハイマー型認知症」の症状についても無知な人というしかないのです。『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症は、「正常老化の性質」に起因した「脳の老化」が進んでいる「お年寄り」だけが、発病の対象となることから、若者は関係ないし、ましてや、「働き盛りの若い年齢の人達(30歳代~50歳代まで)も無関係なのです。『「前頭葉」の機能が正常なものであるか否かをチェックしさえすれば、容易に鑑別することが出来るのです。『廃用性の機能低下を本態とする「アルツハイマー型認知症」は、最も高度な機能であり、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たち人間だけに特有なものである「意識的な世界」を創出し、構築し、支配し、管理し、コントロールしている「前頭葉」の機能から衰えが順次進行していくというのが特徴となる』のです。
注)「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者は、私たちが発病の「第一の要件」に掲げているように、『60歳を超える年齢の「高齢者』に限定される』ことになるのが事象事実として厳然と存在しているのです(『30歳代~50歳代までの働き盛りの若い年齢で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が増えてきている』として話題を呼んだテレビ報道番組、或いは、『30歳代~50歳代の年齢の人達が対象となる若年発症型の「アルツハイマー型認知症」の人達を支援するネットカフェ』等のテレビ報道番組は、誤った内容の報道なのです。番組の報道局は、報道の内容が重大な誤りの内容であることも知らないで、何度も何度もこれらの番組を放送しているのです。『重度の「記憶障害」の症状が共通に観測されていようとも、「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」の機能レベルが異常なものであるのに対し、「側頭葉性健忘症」の場合は、「前頭葉」の機能レベルが正常なものであるのが両者を区分ける重要なメルクマールなのです。加えて、側頭葉性健忘症の記憶障害の症状の特徴は、「新しい記憶が入っていかない」という点だけの障害なのです)。番組を指導した医師は、「アルツハイマー型認知症」についても、「側頭葉性健忘症」についても無知な人なのでしょう。
〇「アルツハイマー型認知症」の発病を決定づける真の要因
とはいえ、『「高齢者」と呼ばれる年齢になれば、誰もが「アルツハイマー型認知症」を発病することになる訳のものでものない』のも、厳然たる事実なのです。緩やかなカーブを描きながら、「加齢」の進行に伴って「前頭葉」の三本柱の機能の機能低下(脳の老化)が進行していくという「正常老化の性質」だけでは、「アルツハイマー型認知症」を発病することにはならないのです。「物忘れ」の症状が、どれだけ頻回に発現してこようとも、脳の正常老化のシグナルではあっても、脳の異常な老化、廃用性の機能低下のシグナルではないのです。両者の差異に気づいていないで、物忘れの症状が一つの目安であるかのような説明をする認知症の専門家が数多いのですが、根本的な誤りを犯しているというしかないのです。正常老化の性質だけでは、それがどこまで進行していこうとも(どれだけ加齢が進もうとも)異常なレベルにまで「前頭葉」の機能が低下することにはならないのです。機能は緩やかなカーブを描きながら低下していくものの、正常な機能レベルという範囲内でしか機能低下が進行していかない、それが、「正常老化の性質」の特徴なのです。それを異常な機能レベルにまで機能低下を進行させる要件とは何か、それが今日のテーマである、脳の使い方としての「生活習習慣」なのです。
「アルツハイマー型認知症」の発病を左右する決定的な条件は、私たちが発病の「第二の要件」として規定する条件、キッカケを契機に開始される脳の使い方としての「生活習慣」であり、具体的には、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない『単調な日々の暮らし方』、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が開始され、継続され、「生活習慣」化することなのです。上述した発病の「第一の要件」(「正常老化」の性質に起因した「加齢」による脳機能の老化としての機能低下)に加重される条件としての機能低下、すなわち、発病の「第二の要件」(ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続することによる廃用性の機能低下)とが同時に存在し充足される条件下での「相乗効果」により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくその先に、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の本態は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であるというのが、私たちの主張なのです。認知症の専門家とされる人達が主張している「アミロイドベータ説」も(我が国では、東大、京大、理化学研究所がその牙城)、「タウタンパク説」も、「脳の萎縮説」も、その全ての学説(仮説)が、「アルツハイマー型認知症」の本態を見誤ったものであり、それらの仮説の主張内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係自体が存在していないものであることを指摘したいのです。
〇 あなたへの提言
結論から先にいうと、『「アルツハイマー型認知症」は、老化廃用型の生活習慣病』に過ぎないのです。但し、そこで注意しなければならないこと、それは、『発病を左右する「生活習慣」とは、「食生活」ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」、就中、「第二の人生」における脳の使い方としての「生活習慣」である』ということなのです。AI技術を駆使する時代の新産物として、カレーや地中海料理を食したり、葉酸(ビタミンM)を摂取することが、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防に効果があると主張する学者が現れてきたりもしているのですが、全くの間違いなのです。たとえどれだけ多くの項目を解析しようとも、カレーや地中海料理をよく食べるとか、赤ワインを好み、、葉酸を毎食後摂取している等の「食生活」がらみの生活習慣ばかりで、肝心の『脳の使い方としての生活習慣』に関わる項目が載っていないデータを解析してみたところで、AI技術なるものを駆使して引き出され、共通に確認された項目として「カレー」或いは「地中海料理」を頻繁に食するとか、「葉酸を頻繁に摂取する」とか、「赤ワインをよく飲んでいる」とかが確認されたというだけのことであり、AI技術の活用自体が発病の「予防」との間の「因果関係」を立証した訳のものではないのです。それなりに権威ある学者が、言い切った事により、正しい主張であるかのような間違った評価を得ているというだけのものなのです。
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脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)