認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の本当の正体、早期診断による回復と発病の予防(その四:C-13)

2018-09-10 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

永年の間、世界中の専門機関(専門家達)から発病の原因が不明とされてきていて、米国精神医学会が策定した診断規定である「DSM4」の規定、或いは、アセチルコリン仮説、アミロイドベータ仮説、タウタンパク仮説、脳の萎縮仮説等の4つの「仮説」(発病との間の因果関係が実証できていない為に、学会では仮説の扱い)が推測に基づいて主張(憶測)する「記憶障害」が発病を惹き起こす原因ではなくて、『生活習慣』が発病の危険因子であるとする考え方を、世界的な権威ある機関であるカロリンスカ研究所ランセット委員会、更には、我が国の国立精神・神経医療研究センターが、最近になって相次いで、唱え始めたのです(すべて、コホート解析の結果だけの主張)。

私たち、『二段階方式』(主体は、KinukoとTadの二人で活動するエイジングライフ研究所)は、活動を開始した1995年以来一貫して、『「アルツハイマー型認知症」は、『老化・廃用型の生活習慣病』(但し、食生活は無関係であり、仕事とは無縁の日々の暮らしとなる「第二の人生」を送る上で展開される脳の使い方としての視点と意味で言う単調な生活習慣であることに留意する)である』と主張し続けているのです。

加えて、試みの先駆的な活動ではあるものの、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践展開』を、10年の期間が有償の「使用許諾契約」(「二段階方式」の手技並びに「個別事例判定マニュアル」A、B、C及び各種の独自様式の使用許諾)の締結に基づいた、北海道から九州に跨る全国的な規模、450を超える市町村での指導の成果により、主張内容が正しくて、手技の活用が有効であることを疫学的方法により実証してきてもいるのです(導入先が尻すぼみとなってきた背景は、「アミロイドβ仮説」の登場と国が『川下対策に重点化』してきたことなのです。市町村の保健師さんは、国の方針に絶対服従するしかないのです)。

 世界的な権威ある上述の研究機関が正しい見解を主張し始めた(但し、コホート解析の結果に過ぎず、理論的な根拠はないことが問題)ことにより、潮目が大きく急速に変わっていくのではと期待してはいるのです。今日は、私たち二段階方式独自の考え方【世界中で唯一、正しくて、実証された主張と手技】を専門家達だけではなく、一般の皆さんにも分かりやすく整理して、提示しておきたいと考えたのです。


&1三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の類型的な症状

1.認知症研究の専門家とされる人達の考え方は誤り

(1) 認知症研究の専門家とされる学者も研究者も医師も、「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での早期の段階の症状(小ボケ及び中ボケ)については殆ど無知と言うに等しく、認知症の軽い症状、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階の症状のことを知らないで居るのです。米国精神医学会が策定した「DSM4」の規定の「第一の要件」及び「第二の要件」の重大な誤りに気付かないで、「記憶障害」が「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくる核心的な要因だと誤解していて、加えて、失語や失認や失行(紛い)の症状が極めて重度の症状であることも知らないで、むしろそれ等の症状の確認を皮切りに、「アルツハイマー型認知症」の症状を捉えようとしている誤りにも気づいていないのです。

(2)極めて重度の物忘れの症状が確認され(DSM-Ⅳの第一要件が確認を要求しているもの)及び失語や失認や失行(紛いの)症状(DSM-Ⅳの第二要件が確認を要求)が発現してくる段階、私たち二段階方式の区分で言う発病の末期の段階である『大ボケ』の後期の段階以降の症状だけを捉えていては、治すことは愚か、症状の更なる進行を抑制することさえも不可能となるのです

DSM-Ⅳの第二要件が確認を要求している失語や失認や失行(紛い)の症状が発現してくる「大ボケの後期」の段階は、30点が満点のMMSEの得点が一桁になるまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきて初めて発現が確認されるという『極めて重度の段階の、極めて重度の症状』なのであり、この段階で発病を見つけることに何の医学的な意味もないのです。医学的な治療であれば、第一番に治すことであり、第二番に症状の進行を抑制することであるはずと考えるのです。この段階で、アルツハイマー型認知症の発病を見つけたところで、為す術は何もなく大ボケの枠の範囲の中で、身体がもつ限り更なる重症化が進行して行くだけなのです。

私たち二段階方式が、予防に傾注して言った理由は、この1点にあるのです。
アルツハイマー型認知症の診断が専門の精神科医は、発病自体の予防が出来る典型的な認知症であり、本当の意味での早期の段階である、「小ボケ」は症状の回復/症状の進行の抑制(中ボケにさせないこと)が可能であり、「中ボケ」は症状の進行の抑制(大ボケにはさせないこと)が可能であることにも無知な儘で、症状を治すこと又は進行を抑制する事については為す術がない、末期の段階である「大ボケ」の更にその後期で発病を見つけて、『アルツハイマー型認知症は、治らない』と語るのです。アリセプトが単なる対症療法薬興奮型で、症状の発現の仕方を昂進させるだけのもの)であることの認識も無く、(場合によっては、症状の進行が2~3年程度抑制できるかもしれない)などと説明し、処方しているのです。

2.「二段階方式」(エイジングライフ研究所)の考え方

(1)私たちは、『「アルツハイマー型認知症」が、「前頭葉」(前頭前野に局在する複合機能体を言う)が創出し、構築し、コントロールしている意識的な世界、「意識的」に何かのテーマを発想し、実行する際に、様々なレベルで支障が出てくるタイプの認知症であること及び様々な程度及び態様により発現してくる症状が、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現してくるのが特徴であることに着目し、「アルツハイマー型認知症」の症状の類型を、厳密な定義の下で、「三段階に区分」(小ボケ、中ボケ、大ボケ)しているのです(『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定できる独自の手技を有しているのが「二段階方式」の特徴)。

(2)「アルツハイマー型認知症」の症状は、いきなり、失語や失認や失行(紛い)の症状が発現してくるものではなく(失語や失認や失行紛いの症状の確認が「アルツハイマー型認知症」の発病と診断する上での十分条件であるとする「DSM4」の「第二の要件」は重大な誤り)、最初に小ボケの段階があり、次いで中ボケの段階があり、最後に末期の段階である大ボケの段階があるのです(徐々に、段階的に症状の重症化が進行してくる。失語や失認や失行紛いの症状は、大ボケの段階の後期で初めて発現してくるものなのです)。

(3) DSM-Ⅳ」の規定に準拠した診断では、『脳のリハビリ』(前頭葉が活性化する生活習慣への改善と継続的な実践)により、症状を治す/症状の進行を抑制することが可能である「小ボケ」の段階も、症状の進行を抑制することが未だ可能である「中ボケ」の段階も見落とされることになるのです。

彼等専門の精神科医が見つけて居るのは、末期の段階の「大ボケ」の段階の症状であり、廃用性の異常な機能低下の進行に因り、ここまで前頭葉を含む脳全体の機能が衰えてくると、『治すことは愚か、症状の進行を抑制する事さえも、可能性がなくなるのです。とはいえ、回復/又は症状の進行を抑制 させることが可能な本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を判定するには、意識的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定できることが不可欠のテーマとなるのです。廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病が本態である『アルツハイマー型認知症』の場合には、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順番に、廃用性の機能低下が進行して行くからなのです(14689例の発病患者の脳機能データが根拠=末期の段階の症状しか知らない精神科医には、未知で、無知の世界の「脳機能データ」)。

(4) アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり、性質それ自体として治すことが出来ないのでなく、精神科医が見つけて居る段階が遅すぎるが故に治すことが出来ないだけのことCTMRISPECTやら、果てはPETまで持ち出して、高額の診療費を稼ぎながら、治すこと/症状の進行を抑制することが最早出来ない「末期の段階」である大ボケの前期の段階(あるいは、大ボケの後期の段階)で「アルツハイマー型認知症」の発病を見つけている(アルツハイマー型認知症の発病と診断している)医師達は、単なるレッテル張りをしているだけ。その上、症状の進行の抑制には効きもしない薬、アリセプトなどの単なる対症療法薬を処方して、『半年から1~2年くらい、症状の進行が遅れることが期待される』と説明する診断状況が放置されたままの不条理な医療診断(含む、対症療法薬の処方)に対して、天文学的な規模での血税が垂れ流されているのです【世界で最多の病床数を誇り乍ら、新型コロナの初期に、病床数が足りなくて騒いだ医療機関の不条理な考えと行動と同じ類のものなのか)。


&2『小ボケ』(軽度認知症)の典型的な症状の類型とは

(1) 脳の機能面からの定義(「二段階方式」独自の考え方)

「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での初期の段階である「軽度認知症」(「小ボケ」)は、左脳と右脳と運動の脳の働きは未だ正常レベルにあるのに対し、『脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけが、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、異常な機能レベルに衰えてきている』のが特徴。「左脳」と「右脳」の働き具合を調べるテストであり、大抵の病院で活用しているMMSEの得点は、合格範囲内に在り、正常レベルなのに対し、「前頭葉」の働きは、異常なレベルとなる(私たちが独自に開発した『改訂版かなひろいテスト』による判定で、設定された「基準点」に対して不合格となり、異常な機能レベルと判定される)。

左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の御者である「前頭葉」が居眠りしている状態下では、馬車は目的地には行き着けない。4つの仮説が主張の前提としている記憶障害が原因ではなくて(御者が目的地や目的地に行く道を忘れている訳ではない)、私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界を構築し、統括し、コントロールしている「前頭葉」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常なレベルにあることが原因。

馬車を牽引する三頭の馬が正常な機能レベルに在ろうとも、前頭葉」が異常な機能レベルに在る状態下では、その働きに起因した(前頭葉が統括し、管理している)アウトプットは全て異常なものとなるのであり、アルツハイマー型認知症の症状として発現するのです。私たちの区分で言う、小ボケ及び中ボケの段階の症状は、単なる老化現象なのではなく、「アルツハイマー型認知症」の症状であることが見落とされているだけ。診断のための「客観的」な物差しを持たないで、主観的な基準を使用しているが故の誤りなのです。

(2)猶、「加齢」に起因した機能低下のカーブ(下記左側の図)と廃用性の機能低下が加重された廃用性の加速度的で異常な機能低下のカーブの図(下記右側の図)を参照。加齢に起因した『老化のカーブ』とは、全く異なるカーブであり、小ボケ、中ボケ及び大ボケの各段階の症状の基礎には、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が横たわっている(私たちの主張の根拠は、14689例の「アルツハイマー型認知症」発病者の『脳機能データ』)

(3)小ボケに特有な症状を後に例示する。「記憶障害の症状」、或いは、「記憶障害に起因した症状」は、その欠片も確認されないことに注意。末期の段階でなく、ごく初期の症状を観察し、分析する方がより正しく理解できるはず。

注)加齢による機能低下(左図) 廃用性が加重された機能低下(右図)

 (前頭葉) と    (脳全体)。

 (14689人のアルツハイマー型認知症の発病患者のデータ) 

4)「アルツハイマー型認知症」の症状は、『DSM4』の第一要件の規定が確認を要求する『記憶障害』に起因して発現してくる訳ではないのです

大ボケの更に後期の段階の症状である失語や失認や失行(紛い)の症状のいずれもが、記憶障害に起因したものではなく、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて、極めて異常な機能レベルに在ることの反映(『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの反映=アウトプット)に過ぎないことに気が付かないでいるだけのもの。

老人斑、神経原線維変化、或いは、脳の顕著な萎縮は、「アルツハイマー型認知症」発病の原因なのではなくて、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行した結果としての副産物に過ぎないと考えるのです。

注)「アルツハイマー型認知症」の症状としての失語(紛い)の症状は前頭葉と左脳が、失認(紛い)の症状は前頭葉と右脳が、失行(紛い)の症状は前頭葉と右脳及び運動の脳が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきて異常な機能レベルに在ることが直接の原因で、且つ、その機能レベルの反映として発現しているに過ぎない。『器質的な原因病変』は存在しないし、『記憶の障害』という要件は、誤解に基づく憶測が条件設定の基礎になっているだけ(「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下により殆ど働かなくなってきている為に、状況の理解と判断が出来ず、シミュレーション機能も分析機能も検索機能も働かないので、何をどう組み立てればいいのかが分からないだけ)。


&3 個別認知機能の機能の発揮面における「機能発揮上の二重構造」

(1)状況の分析と理解と判断、テーマの発想、実行内容の計画、実行結果のシミュレーション、シミュレーション結果に基づく比較、検討、修正並びに選択と決定、更には、実行の決断等意識的に何かのテーマを発想し、選択し、目的的に実行していく過程では、前頭葉の個別認知機能群(Executive Function)が働くことが不可欠となる。更には、個別認知機能群が働くには、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が(取り分けて、注意の分配力の機能が)関与することが不可欠となる。『前頭葉の三本柱の機能が、前頭葉の個別認知機能群の発揮度を左右し、下支えしている』関係、『個別認知機能発揮上の二重構造』の関係を理解することが、発病のメカニズムの解明には不可欠となる。

(2)発病の原因及び症状の重症化が進行する原因は、「加齢」に起因した機能低下(正常な老化)とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の異常な機能低下(異常な老化)という異なる二つの要因の同時存在による相剰効果により、前頭葉を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて、極めて異常なレベルに機能低下が進行して行くことにあるのです(発病及び重症化のメカニズム)。

注)生来的な遺伝子の異常が発病の原因である「アルツハイマー病」が、働き盛りの30~50歳代という若年で現職中でも発病するのに対し、『アルツハイマー型認知症』の場合には、60歳を超える年齢の「高齢者」であろうとも、現職でバリバリ仕事をしている場合には(職業の種類とは無関係で、経営者、会社員、農家を問わない)、「アルツハイマー型認知症」を発病することはないという事象事実が存在。『4つの仮説』の内の何れも、この事象事実の存在理由を合理的に説明することは出来ないのです。

「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」である場合には、&2(2)の脳機能データが示すように、誰の脳にも存在する性質としての「加齢」による機能低下(正常な老化)と言う問題が基礎に在って、加えて、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されているお年寄りの場合には(且つ、その場合に限り)、同じく&2(2)の脳機能データが示すように単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行(異常な老化)という問題が、加重要因として、「前頭葉」の三本柱の機能の発揮度を左右し、衰えさせていく。

注)『加齢』による正常な性質としての機能低下と単調な生活習慣の継続に起因した異常な性質としての廃用性の機能低下という異なる二つの要因が同時に存在していることの相剰効果の結果として、前頭葉の三本柱の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく結果として、前頭葉の個別認知機能である実行機能の発揮度が前頭葉の三本柱の機能レベルを反映したものとなる)。脳の機能面から言うと、「アルツハイマー型認知症」の各段階の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを直接、且つ、厳密に反映したものとして発現してきているもの。私たちの意識的な世界、自分が現在置かれている状況の分析と理解と判断、状況の判断に沿って、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行内容を計画し、実行の決断をして実行に移す世界では、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきた前頭葉を含む脳全体の機能レベルを厳密に反映したもの(前頭葉を含む脳全体の機能レベルの直接的な反映)としてのアウトプットそれ自体が、【アルツハイマー型認知症】発病の症状として、具体的には三段階に区分される症状として、発現してくるのです。左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者が『前頭葉』という脳機能であり、馬車がどのような経路を辿り、どのように目的地に行き着くかは、御者次第となると言えば、分かり易いか4つの仮説」が提起しているような、アセチルコリンの不足とか、アミロイドベータの蓄積による老人斑やタウタンパクの蓄積による神経原繊維変化により、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死が惹き起こされる結果として、アルツハイマー型認知症の症状が発現してきている訳のものではない。その意味で、『DSM4』の規定内容も、4つの仮説も、同類であり、全てが誤り

(3) 世界中の専門家達(学者、研究者、医師)から、発病の原因が不明とされてる「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムは、発病の第一の要因が、誰の脳にも起きてくる性質のものである「加齢」による機能低下(正常老化)並びに発病の第二の要因が、『第二の人生』を送っている高齢者で、且つ、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されている「特定のお年寄り」の脳だけに起きてくる性質のものである廃用性の異常な機能低下(異常な老化)という、異なる二つの要因が同時に存在し、且つ、充足されることの相剰効果により、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行による『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの低下の反映(直接の原因)として発現してくるだけのものなのです。


&4 『軽度認知症』(小ボケ)の段階とは

(1)   脳の機能面から見た特徴 

認知症研究の専門家達から不活発病と名付けられていたり、或いは、老化現象と混同されていたりする段階の症状でもある「アルツハイマー型認知症」の発病としての極初期の症状、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階の症状が発現してきている『お年寄り』達の脳の何処にも、「器質的な原因病変」は存在しない。加えて、「記憶障害」に起因した症状は、存在しない。小ボケの段階の全ての症状が、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した(即ち、『前頭葉』の異常な機能レベルを反映した)症状ばかりなのである。認知症研究の専門家達とは言いながら、「前頭葉」の機能レベルを客観的に、且つ、精緻に判定する手技を持たない彼等は、脳の後半領域、左脳と右脳の働き具合を判定するMMSE による判定でお茶を濁しているだけ。『意識的な世界』は、謂わば、三頭立ての馬車の御者である「前頭葉」が運行する世界なのであり、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が元気いっぱいでも、御者である「前頭葉」が居眠りしている状態下では、馬車は目的地にはたどり着けない結果となるのである。「小ボケ」の段階では、日常の「社会生活」面で発生してくる種々のテーマを実行するのに必要となるレベルでの「前頭葉」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能レベルの低下により異常なレベルに衰えてきていることが直接の原因で、十分には発揮出来ない機能状態に在ることが見逃されているのです。

こうした状態は、「空気ポンプ」に例をとれば、空気をチューブに送る役割のゴム管部分に支障があるからではなくて(アミロイドベータ説やタウ蛋白説の考え方:情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死が主因だとする考え方)、そもそも、チューブに空気を送り込む働きをする役割のポンプの部分自体の機能低下のせい(脳全体の司令塔としての役割を担っている「前頭葉」の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した機能発揮レベルの低下が原因。意欲が湧かない、集中力が発揮できない/集中力の発揮が続かない、注意の分配力が働かないことが症状として際立つ「小ボケ」は、家の外に出て行って、他人と交わり、何等かの共通目的を実行する場である『社会生活面』での、様々な支障が出てくるのが特徴となる。人間だけに特有な意識的な世界、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿ったテーマを発想し、実行内容を計画し、実行の結果をシミュレーションした上で必要な修正を行い、実行の内容を決定し、実行を決断する上での様々な支障が目立つ人「何かにつけて人を頼ろうとする『指示待ち人』が小ボケの特徴」。  

(2)  「軽度認知症」(小ボケ)の段階に特有で典型的な症状の8項目

□発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□問いかけに対する反応が遅く、生き生きした表情や笑顔が見られない

□根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

注)意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能障害(異常な機能レベルにあることの反射的効果)が原因の症状ばかりなのが特徴(『小ボケ』は、かなひろいテストが不合格となり「前頭葉」が異常な機能レベルに在る一方で、MMSEの得点は、換算点が24点以上の合格点となり、左脳及び右脳は正常な機能レベルに在ることに注意)。


&5 『中等度認知症』(中ボケ)の段階とは

(1)     脳の機能面から見た特徴

ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されたままで居ると(小ボケの標準的な滞留期間は3年間)、中ボケの段階に移っていくことになる。前頭葉の機能が更に異常なレベルに衰えてきている上、「小ボケ」の段階では正常な機能レベルに在った左脳、右脳及び運動の脳までもが異常なレベルになる(改訂版かなひろいテストが不合格で、MMSEも換算点が23点以下15点以上の範囲で不合格となり、「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルに在ると判定されるのが、「中ボケ」のレベル)。前頭葉を含む脳全体の機能が異常なレベルに衰えてきていることを反映した症状が発現してくる「中ボケ」のイメージは、「家庭内の簡単な用事」程度のこともちゃんと出来ないで(家庭生活」の面でも、様々な支障が出てくる)、言い訳ばかりしている「幼稚園児」が特徴。

注)「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があることが重要な指標。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき用事を処理出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じている。ところが「中ボケ」の段階になると、「前頭葉」の機能レベルが更に異常なレベルに低下してきている上に、左脳及び右脳の機能も異常なレベルに低下してきて(脳全体が異常なレベル)、そうした自覚を持つこと自体が出来ない

自覚がないので、不安も全く感じていない。『こんな点が、おかしいと』家族が指摘しても、『私は、ボケてなんかいない』と言い張り、平気。自分のおかしな行動についての、ヘリクツを並べ立てる。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、前頭葉の機能がそこまで衰えてくると、自分自身のおかしさに、気づくことが出来なくなる。前頭葉を含む脳全体の機能年齢は64歳児のレベル。

(2) 「中等度認知症」(中ボケ)に特有で典型的な症状の8項目

□簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□自分が飲む23種類の服薬管理が出来ない

□服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る)

□入浴時の温度管理が出来ず、身体を洗わないとか石鹸がついたまま

□料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)

(3) 小ボケが3年も続くと、次は、中ボケの段階に移っていくことになる。

アルツハイマー型認知症である場合は(且つ、その場合に限り)、時の見当識についていうと、日、年、月、季節、昼夜の順番に出来なくなっていく。□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)という中ボケの症状は、季節が分からなくなってきているという脳全体の機能レベルの反映であり、□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐという大ボケの症状は、昼夜が分からなくなってきているという脳全体の機能レベルの反映。いずれの症状も、木隠岐障害に起因した症状ではないのです


6 『重度認知症』(大ボケ)の段階とは

(1)  脳の機能面からの定義

「中ボケ」の段階になっても、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、中ボケの期間が 23年間続いた後は、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に移っていく(かなひろいテストが不合格で前頭葉が異常な機能レベルに在り、MMSEの換算点が14点以下0点までの範囲の不合格のレベルで左脳、右脳及び運動の脳までもが、次第に機能しなくなっていく)。猶、「DSM4」の規定が「アルツハイマー型認知症」の発病と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、末期の段階である大ボケの段階も後半になって初めて発現が確認される極めて重度の症状30点が満点のMMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される症状)であり、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の症状を見逃してしまう原因要素となっている。「DSM4」の「第二の要件」に従って、『アルツハイマー型認知症』の発病と診断している限り、「せっかく見つけても手遅れ」、治すことは最早出来ないことになる(診断の中身としては、単なる「レッテル貼り」に終わってしまうのです)。

大ボケの段階になると、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきている。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきている(就中、『注意の分配力』の機能が、殆ど働かない。『かなひろいテスト』が実施可能で、且つ、合格点が取れるようになる年齢は、6歳児以上となることに注意)。「大ボケ」のイメージは、「脳の寝たきり」(セルフケアにも支障が出てきて、『介護』が必要となる)。「重度認知症」(大ボケ)の脳の働きは、3歳児以下(下は、0歳児まで)のレベル。 

医療現場では、大ボケの前半の段階(かなひろいテストが不合格で、MMSEの換算点が1410点までの範囲で不合格のレベル。失語や失認や失行(紛い)の症状が発現してくるより前の段階)を、大病院のホームページに見られるように、「アルツハイマー型認知症」の早期という表現を使用しているが、「脳のリハビリ」により回復/又は進行の抑制が可能な本当の意味での早期の段階は、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのこと。「大ボケ」の段階の症状が発現するまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてしまうと、進行の抑制も出来なくなる。身体がもつ限り(病気や寿命で死を迎えることになるまで)、脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、最終的には植物人間のような状態にまで脳の機能が衰えていくことになる。大ボケの段階になると、その前期においてさえ、「前頭葉」が殆ど寝たきりの状態になっている為、これまでの人生で何度となく体験して身体に浸み込んでいるような「言葉」や「テーマ」に対しては或る程度の対応が出来るが、折々に直面する新しい状況や身体に浸みこむ程の経験が無いテーマに対しては、理解することも対応することも出来ないのです。 

「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が殆ど働かなくなっている上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない「大ボケ」の段階では、自分の身の回りの「セルフケア」にも支障が出てくる。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介護」が必要な状態となる。

(2) 「重度認知症」(大ボケ)に特有で、代表的な症状の8項目

□着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする

□自分の子供を配偶者と間違えたりして、同居の家族の顔も区別出来なくなる

□自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐ

□痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

注)私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っている(状況の分析や理解や判断、必要な動作や手順の比較と選択、自分が置かれている状況に応じて行われているこうした判断は、『注意の分配力』の機能が正常に働くことが必要不可欠。大ボケの段階では、注意の分配力の機能は、最早働かない)。

上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではない。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れたが為に着ることが出来ない訳ではない。「前頭葉」の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である「注意の分配力」の機能(複数の異なった錯綜する「テーマ」を同時に並行して処理する為の機能)が、廃用性の加速度的で異常な機能低下により、殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び核心の原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、服を正しく着ることが出来ないだけ。『家族の顔が分からなくなり、子供を配偶者と間違えたりする』という症状も同じこと。「子供を配偶者と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなく、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、機能が低下してきている為』。

DSM4」の規定が「第二の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行(紛い)の症状は、『服を正しく着ることが出来ない』症状の事例で説明したのとまったく同じメカニズムの下で発現してくるものなのであって、『「記憶障害」に起因して、それらの症状が発現してきている』との考え自体が、重大な誤り。「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「記憶障害」に起因した症状だとする考えは(「DSM4」の規定が、第一要件の規定で確認を要求)、科学的な根拠がある訳ではない。「アルツハイマー型認知症」を発病し、末期の段階にまで症状が進行し、更には、失語や失認や失行(紛いの)の症状が確認されるまで身体が持っていた『お年寄り』の死後の脳の解剖所見に見られる老人斑(アミロイドβ仮説)、神経原線維変化(タウ蛋白仮説)、或いは脳の顕著な萎縮(脳の萎縮仮説)を犯人と決めつけ、加えて、外観から観測し、推測しただけの『仮説』は、「器質的な原因病変」とか、「記憶障害」とかのトラウマに凝り固まり、肝心要の要件である『「前頭葉」を含む脳全体の機能低下』と言う視点並びに『廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行』と言う重大で不可欠の要因を見落としている(『木を見て森を見ず』)。


&7 三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の症状の特徴

 (1)   標語的な表現による全体としての特徴

ⅰ)「小ボケ」の段階の特徴

「小ボケ」の段階の特徴は、「指示待ち人」。

ⅱ)「中ボケ」の段階の特徴(6歳児以下~4歳児のレベル)

「中ボケ」の段階の特徴は、「言い訳ばかりしている幼稚園児」。

ⅲ)「大ボケ」の段階の特徴(3歳児以下~0歳児のレベル)

「大ボケ」の段階の症状が発現している『お年寄り』の特徴は、セルフケアも自分では、出来なくて、日常生活面での『介護』が不可欠となる状態、いわば、「脳が寝たきり」の状態。「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で、そこまで、異常なレベルに低下してきて働かなくなってしまっていることが、上掲の症状が発現する直接の原因であり、「記憶障害」に起因してというのは憶測。

(2) 症状を回復させる(症状が治せる)薬は未来永劫存在し得ない

我が国では、「アルツハイマー型認知症」の症状を発病したお年寄りの為の薬として、「アリセプト」を含む4種類の薬が医療現場では処方されている。但し、それらの薬のいずれもの薬が、症状を治す(改善させる)効能は有していなくて(治療薬ではなくて)、対症療法薬(興奮型、又は、症状の抑制型)。私たちは、「前頭葉」が、活性化される要因/不活発となる要因に区分される「生活習慣」としての要因の存在から、『それらの薬は、主張する効能との間に要求される因果関係自体が存在しないもの』と考えている。それらの治験の評価段階で、私たちが独自に発見した要因である「症状の継続期間と脳の老化のスピード差をもたらす生活要因」の存在の影響について無知であるが為に、「因果関係の不存在」という真実の実態を見落としているだけのこと(杜撰な評価)。

3)私達が独自に発見し、住民参加型の「地域予防活動」の活動の柱(根拠)として実践してきた「アルツハイマー型認知症」の症状を治す方法である「脳のリハビリ」(「前頭葉」を含む脳全体の機能を活性化する「生活習慣」の改善、工夫及びその実践)による回復(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すこと)の可能性と言う視点から、「アルツハイマー型認知症」の症状を三段階に区分している。

「小ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により症状を治す/進行の抑制が、可能

「中ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により進行の抑制が、未だ可能

「大ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により進行の抑制も、最早困難


&8廃用性の機能低下が発病/症状の進行の原因である根拠データ

 DSM-4」の第一要件の規定内容及び『4つの仮説』が主張する発病原因が共に誤りであることを示す事象事実として、以下の項目を挙げることが出来るのです。

(1)  「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は(その場合に限り)、『MMSEの下位項目に出来なくなっていく極めて厳密な順番が存在すること。その順番とは、

想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名(『MMSE下位項目の項目困難度』の指標)

(2)  本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階で見つければ、『脳のリハビリ』(「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の改善)により、前頭葉を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させること/症状の進行の抑制が未だ可能(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すこと及び/又は、症状の進行の抑制が可能)。

(3)  「アルツハイマー型認知症」の発病としての症状については、『脳のリハビリ』により回復させることが出来るか否か及びその程度により、三段階に区分されるのであるが、以下のような標準的な「滞留期間」が存在する。

「小ボケ」 3年間が標準的な滞留期間

「中ボケ」 23年間が標準的な滞留期間

猶、末期の段階である「大ボケ」については、滞留期間は存在しないことに注意(身体がもつ限り、大ボケの枠の中で、症状が更に重いものになっていくだけなのです=大ボケの段階で発病をみつける事には、何の意味もない)。


&9 『二段階方式』が提唱する対策方法「前頭葉が活性化する生活習慣」

症状を治すための指針は、『発病前に被験者が日々行っていた、その人本来の生き方としての「生活習慣」に引き戻すこと』なのです。発病の直前ま、その人なりに、追及すべき「テーマ」(「第二の人生」であるので、仕事は対象となっていないことに注意。趣味や遊びや人付き合いや運動、或いは、居住地域の活性化等がテーマであったはず)及び達成すべき「目標」があり、そのテーマ及び目標遂行の過程で、或いは、目標の達成により、自分なりの喜びや生き甲斐が得られていた「生活習慣」の復活が当面のターゲットとなる。発病前の本人の日々の暮らし方を詳しく聞き取り、現在置かれている状況の下での最善策を、家族や周りの関係者が探り、実行させることに尽きる。

注)「脳のリハビリ」の実践に関わるテーマの選択及び目標達成上の困難さの程度は、小ボケ、中ボケの前半(MMSEの換算点が2320点)及び中ボケの後半(MMSEの換算点が19~15点)の三段階に区分し、実行させることが必要不可欠。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに対する配慮が不可欠となる。「前頭葉」の機能、就中、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきているので、その機能レベルに見合った目標の困難度の設定が不可欠となる


&10   『発病の予防対策』についての有効で有益な情報の発信

本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケ)で見つけて、出来るだけたくさんの症例について、治してみせて、「脳のリハビリ」が有効で唯一の対処策であることを示すことが、そのまま、発病の予防(適切な生活習慣の維持により、「前頭葉」が正常な機能レベルを保っていれば、発病はしない)に対する関心を醸成させることに繋がると考えるのです。世界中の権威ある機関やその所属の研究者達から『原因不明で治らないし、発病を予防することが出来ないとされてきた「アルツハイマー型認知症」が、「生活習慣病」である』ことについて、言葉で説明し、納得を得ることも極めて重要であるが、それ以上の説得力及び情報の発信力を有するのが『実際に治してみせること』。

小ボケ及び中ボケの段階(本当の意味での早期の段階)で見つけさえすれば、『脳のリハビリ』、『「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の実践』により、「アルツハイマー型認知症」の症状を治すこと及び/又は、症状の進行の抑制が出来、且つ、その方法が唯一のものであることを、多数の実践事例によって証明して見せることが極めて重要。小さな地域単位で、明確に実証して見せることにより、地域住民の及び我が国民全体の目を『発病自体の予防』(「前頭葉」が活性化する「生活習慣」の構築)に向けさせることになると考えるのです。小ボケ及び中ボケの早期の段階で見つけて(早期診断)、実際に治して見せることが、発病の予防に向けた最も有効な情報の発信策となるのです。


&11  『発病自体の予防』の為の有効で有益な施策の展開方法

「二段階方式」の考え方に基づいて、且つ、「二段階方式」の手技を活用した組織的な活動、「アルツハイマー型認知症」の「早期診断」による回復及び発病の予防を明確な目的とした「住民参加型」の「地域予防活動」を、我が国の全ての市町村で、且つ、小さな地域単位での密な実践を国策化する活動を全国展開することを建白する考えなのです。

注)『意識の機能構造』や『複合機能体である前頭葉の機能』については、専門とする学者でさえ未だに殆ど分かっていない状況に在ります。

このブログ中で、私が、「前頭葉の個別認知機能の発揮度」という表現をしているのは、例えば、理解や判断の機能の働き方を例にとって説明すると、意識的な世界では(意識が覚醒されている状態下では)、何等かのテーマや状況についての理解や判断が働く際には、『前頭葉の三本柱』の機能と私が呼ぶ、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能、就中、注意の分配力の機能の関わりの程度により、理解や判断の機能の発揮度が左右され、下支えされているという意味なのです。言い換えると、前頭葉が統括し、管理し、コントロールしている状態の下で、理解や判断の機能が発揮されている状態を、『前頭葉の個別認知機能の発揮度」と表現しているのです。意識状態、或いは意識の覚醒度という風に、意識自体を動態的に捉えているので、個別認知機能についてもその働き方を動態的に捉えて表現しているのです。

本著作物「Cー13」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。 (「個別事例判定マニュアル」並びに二段階方式独自の各種様式及び本ブログ中の記載内容の一部を引用する際は、著作権法の規定に則った手続きが必要です。厳しく注意を喚起しておきます) 

 

 

 

 

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