※1アルツハイマー型認知症は、基盤の要因として、「加齢に因る前頭葉の老化=前頭葉の機能の低下の進行=正常な機能範囲を保ちつつも、機能低下が進行していく性質」が存在しているのです。
そのことに加えて、加重要因(発病を惹き起こす引き金となる要因)としての
※2 上記「異なる二つの要因の同時存在による『相剰効果』によって、前頭葉を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していき、前頭葉の機能が真っ先に異常なレベルに機能が低下したときが、発病の時=小ボケの段階」なのであり、次いで、必ず、中ボケを経由して、最後は、為す術が何も残されていなくて、介護するだけとなる末期の段階、大ボケの段階へと至るのです。
(極めて不条理な状況が是認されているのが、我が国の特徴!!)
⇔ ⇔
※1第二の人生を送っている高齢者だけが発病の対象となるアルツハイマー型認知症の発病者は、症状の回復/症状の進行の抑制の可能性の有無及び程度により、小ボケ中ボケ/大ボケの(3つの段階)に区分されるのです。
(プロローグ)
2025年には、我が国の75歳以上の年齢の高齢者の数が、2200万人越え、我が国の総人口の5人に1人の割合を占めることになると予測されているのです。
その場合、『2025年問題』という問題があって、その内容は、『アルツハイマー型認知症の発病者数が大幅に増加してくることとなり、現状で既に天文学的な規模に達している「介護の費用」の更なる大幅な増加と言う問題並びに発病し「末期の段階」にまで症状が進行し、セルフケアにも重大な支障がある為に介護が不可欠の末期段階の発病者である「要介護者」を抱える家族の経済的、精神的及び肉体的な負担の問題が大きな社会問題となる』ということ。
現在我が国では、老々介護、認々介護、介護離職という極めて大きな「社会問題」が存在しているのです。2025年問題は、それらの社会問題を更に加速させることになるのです。そうした状況下で、「認知症の発病者」の内の大多数、90%以上の割合を占めているのが、権威とされる人達から、『発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症であるとされている『アルツハイマー型認知症』と言うタイプの認知症なのです。権威とされる人達から、発病の原因が不明とされている為に、私たち「二段階方式が、世界に先駆けて、452を数えた市町村での住民参加型の『地域予防活動』の実践指導により、『発病自体を予防できる』ことを疫学的方法により実証してきているにも関わらず、川下である末期の段階、日常の生活面での介護が不可欠となる「大ボケ」の段階」に目を向けただけの、「介護の予防」の措置しか、国策として実施されていないのです。
権威とされる人達は、『アルツハイマー型認知症』については、上述のように、末期の段階で発病を見つけているだけであって、二段階方式の区分で言う本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の発病者の存在について無知であり、気が付いてもいないで、その段階の発病自体を見落としている結果、『様々な種類が数ある認知症のうちの70%程度しか、アルツハイマー型認知症が占めていない』ものと誤解しているのです。
その状況下、2020年の初頭以来、新型コロナに対する有効な感染回避策としての『三密の回避』策という生活習慣の構築と厳格な実践とが政府により推奨され、社会的にも、強く求められ、特に、『第二の人生』を送っている「高齢者達」が、極めて厳格にそうした生活習慣の実践と継続とを厳守してきたことが直接の原因となって、『アルツハイマー型認知症』の新規発病者が激増してきているのです(「小ボケ」の期間は、3年間続き、その後に来る「中ボケ」の期間は、2~3年間続き、その後は、末期の段階である「大ボケ」の段階に入っていくというのが、私たち「二段階方式」が有する『標準的な滞留期間』のデータなのです)。2020年初頭に新規に発病した「お年寄り」であっても、そのお年寄り達は未だ「小ボケ」の段階にあることになり、末期の段階である『大ボケ』の症状にしか関心が無い(知らない)権威達は、当該問題についての認識が無くて、騒いでいないだけなのです。
『三密の回避』策という生活習慣の構築と厳格な実践は、言い換えると、仕事とは無縁の日々となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」にとっては、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(追及している特段のテーマもなく、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標となるものもない、「脳の使い方」としての『単調な生活習慣』)を送っているという訳なのです。私たち二段階方式が提示する、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続的な実践こそ、実は、『アルツハイマー型認知症』を発病させる核心的な要因なのです(アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムについては、&4を参照)。
&1 『 記憶』のメカニズムと「アルツハイマー型認知症」の発病との原因関係の有無
1.「記銘」が容易であるのに対し、「想起」が極めて困難な機能構造面からの理由
(1)「 記憶」のメカニズム
『記憶』は、「記銘」して、「保持」して、「想起」するという工程から成り立っています。
通常は、記銘できているのに、想起できないとき、『記憶できていなかった』ということになります。そもそも「記銘すること自体に重度の支障=重度の記銘力障害」がある結果、想起することに重大な支障がある病気、重度の記銘力障害が原因で、想起に重大な支障がある病気は、『側頭葉性健忘症』なのであり、「アルツハイマー型認知症」とは厳格に区別されるべき(鑑別されるべき)ものなのです。人間だけに特有である意識的な世界(意識的に何らかのテーマを発想し、実行に移す世界=目的的な世界)に於ける、脳全体の司令塔の役割を担っている肝心要の『前頭葉』の機能レベルが正常であるか / 異常であるかの鑑別さえしないでいて、想起できないという点だけから判定して、側頭葉性健忘症であるケースについて、アルツハイマー型認知症の発病だと誤診している医師達が極めて多いのです。
誤診しているとも知らないで、且つ、両者を混同していることにも気づいていない儘に、『アルツハイマー型認知症』の発病者(重度の記憶障害を基礎に発病の診断を行っている為に、殆どのケースが、末期の段階である、大ボケの段階にあるのが特徴。この場合、前頭葉の機能が極めて異常なレベルに衰えてきているものの、「前頭葉」の機能レベルを判定していないのが、医療機関の診断の特徴なのです)にも、その人達なりの目的や意味がある行為だとか言って、暴言や暴力行為、徘徊等について、意味不明の説明を行っているのです。『側頭葉性健忘症』の発病者である場合は、重度の記銘力障害が原因で起きてくるものである「重度の記憶障害」の症状が確認されようとも、「前頭葉」の機能が正常なレベルに保たれている為、自分の日常生活面での様々な困難について、自分なりの言葉で、キチンと状況説明が出来るのが特徴であることさえ知らないでいるのです(それでいて、認知症の専門家等と自称しているのです)。
(2) 超高齢社会に特有な病気である『アルツハイマー型認知症』については、医療機関は、末期の段階で発病を見つける診断(発病のレッテル貼りをしているだけ)を平気で行っていて、その上、アリセプトを含む効きもしない「4種類の薬」のどれかを処方するのです(それら「4種類の薬」は、症状を治したり、症状の進行を抑制したりできる効能は有していなくて、症状の発現の仕方を抑制したり、昂進させるだけの効能しか有していないもの、「単なる対症療法薬」でしかないのです)。国全体の高齢化率が30%に達していて、超高齢社会を迎える(迎えた)世界中の国のうちで、トップランナーであるにも拘わらず、発病の予防についても、早期診断による回復についても、我が国は、無為無策でいるのです。
(3) 対象となる情報(①左脳がらみの言葉や論理、計算や場合分けなどのデジタルな情報、②色や形、時間や空間、感覚や感情などのアナログな情報、③身体を動かす情報、或いは、それらが複合、複層し、組み合わされた情報)を記憶する場合は、記銘して、保持して、それを想起するという工程を辿るのです。その場合に、よく記銘されたものが【記銘度が高い程】、よく保持されて、よく想起されることになるのです。よく記銘されている方が、よく想起し易いからなのです。直前に起きたごく短期の記憶、短期の記憶、或いは、長期の記憶となるか否かは、記憶について専門家とされる人達が、従来主張しているようなメカニズム、所謂、『海馬が区分けている』訳ではないのです。
上述した①、②、③の情報を、どのような基準によって、どのようなメカニズムによって、直前に起きたごく短期の記憶、短期の記憶、或いは、長期の記憶に区分けることが出来ると言うのでしょうか。おまけに、人間の記憶のメカニズムとは根本的に機能構造が異なるマウスやマーモ・セット等を材料にして、発病のメカニズムを研究して、そのまま人間の記憶に当てはまると主張しているのが、権威とされる人達の研究態度なのです。そこには、因果関係を立証しようという視点さえもないのです。以下の2で説明する「3つの仮説」は、その記憶のメカニズムについての深い考察さえもなくて、記憶の障害が原因で、『アルツハイマー型認知症』を発病すると、単に憶測により、想定しただけの主張をしているのです。
(4) 記憶とは、「意識的な世界」において、様々な脳機能が連携し働いた結果としての産物なのです。このことを言い換えると、『意識が関わった』産物だということになるのです。従って、Tadが提示している『意識の機能構造』を基礎/基盤とした考察が必要不可欠となるのです(「意識の機能構造」については、「G-02-その1とその2」を参照して下さい)。
「意識」の世界は、人間だけに特有な世界なのであり、その核心をなすのが、『注意の分配力の機能』なのです。記銘するには、意欲、注意の集中力の機能の発揮度を極力高めて、想起するには、「意欲、注意の集中力」は勿論のこと、注意の分配力の機能の発揮度を極力高めて、「実行機能」を駆使することが、必要不可欠の条件となるのです。『記憶』の研究論文を検索してみると、このことにさえ気づかないで、マウスを使ったりして、実証データを積み上げている人たちが多いのです。あきれてものが言えないというしかないのです。⇔ 彼等権威達が、『人間の脳を直接調べてみようとはしない理由は、何なのでしょうか』。
〇 上記データは、全て、二段階方式独自の「脳機能データ」なのです。
(5) 『MMSE下位項目の項目困難度』の脳機能データが意味する事
上述したように、よく記銘された【記銘度が高いという意味なのですが】情報は、よく想起されるのですが、もう一つ別の側面が存在していることについて、『脳機能データ』の解析結果から、説明しておきましょう。私たち「二段階方式」には、『MMSE下位項目の項目困難度』の脳機能データ、14689人のアルツハイマー型認知症の発病患者(小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階の発病者が含まれているのが特徴)にMMSEテストを実施して得られた脳機能データの解析結果(事象の事実)があります(解析結果は、世界初で、且つ、世界に誇れるレベルのもの)。
このデータによると、「記銘」が極めて容易な項目であるのに対し、「想起」が極めて困難な項目であるとされるのです。具体的なデータで言うと、「記銘」は、「11の下位項目から構成されていて満点が30点」であるMMSEの総得点が一桁の得点、7点になっても満点を取る人が最も多い程、極めて容易な項目、当該機能が最後まで残っている項目なのです。『3単語の記銘』は、「注意の分配力の機能」の発揮の度合いにより、記銘度の差異が生じるものの【記銘度の差異により、短期記憶、又は長期記憶となる差異が生じる事になる】、意欲と注意の集中力の機能の発揮さえあれば、「3単語の記銘自体は、出来る」項目なのです【「記銘」という項目は、みかん・・でんしゃ・・27と、3つの単語をゆっくり目に連続して言って聞かせた直後に、この通りに復唱してもらうもの】。これに対し、記銘の項目が終わった後で、他の項目の作業を行い、記銘作業の5分後によく想起するには、よく記銘されていること【記銘時の記銘度が高いこと】が必要不可欠となるのであり、「単に記銘するだけ」でなくて、「5分後によく想起する為」には、記銘時に、『注意の分配力の機能』が高度に発揮されていることが必要不可欠となるのです(詳細は、下記の説明を参照)。
(6)これに対し「想起」は、満点を取る人が最も多いのは、総得点が29点の所までであって、総得点が26点になると0点を取る人が最も多くなる項目、『最も項目困難度が高い項目』であり、11の下位項目中では、「最初に衰えていく機能」ということになるのです。
「想起」が何故そこまで難しいのかを、「脳の機能面」から説明します。「想起」するには、「3つの単語」を記銘した後、異なる別のテーマを実施してから、記銘の5分後に、「注意の分配力」の機能を最大限に高度に継続して発揮しつつ、付随的な条件をあれこれ付加し、「記憶の倉庫」の中の様々な場所を、あれか、これかと検索して、目的となる単語を探し出す(呼び出す)ことが要求されることになります。想起には、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の高度な発揮が要求されることに加えて、評価の物差し(意識の首座=自我)の傘の下で、前頭葉の三本柱の機能、就中、「注意の分配力」の機能が核となって、実行機能を駆使して、付随的な条件をあれこれ付加し、「記憶の倉庫」の中の様々な場所をあれか、これかと検索して、目的となる単語を探し出してくる作業、言い換えると、メタ認知機能の高度な発揮が要求される為に、『極めて項目困難度が高い項目』になっているという訳なのです(「二段階方式」が、世界で初めて問題提起する、想起という作業時には、「メタ認知」機能の高度な行使が不可欠という理解が、極めて重要な鍵となるのです)。
(7) このことに気付いていない為に、権威あるとされる世界中の専門家たちは、第二要件が初期症状として例示する失語や失認や失行(紛い)の症状が発現してくるメカニズムを未だに解くことが出来ないで、記憶障害に起因してそれらの症状が発現してくると誤解している上に、物忘れの症状の主観的な観測と判定を基礎とする意味不明の基準である「MCI」(軽度認知障害)とかの基準を持ち出してきているのです。基準とは名ばかりのものであり、あまりにも杜撰な考察というしかないのです(その程度で、なぜ「専門家」と言えるのか)。
⇔『よく記銘された対象情報が、よく想起されることになり』、短期記憶と長期記憶の相違を生じさせる記憶のメカニズムについて、一般化して言うと、『注意の分配力の機能がより高度に発揮されて記銘された情報、即ち、記銘度がより高かった情報程』、『よりよく想起されることになる』訳なのです。このことに加えて、『当該、想起の作業時において、注意の分配力の機能がより高度に発揮された場合ほど』、『記銘の対象となった当該情報をよりよく想起することが出来る』と結論することが出来るのです(海馬は、記憶の対象となる情報の入力機構であり、海馬の働きに支障が存するか否か、また、その程度が、記銘度を左右するものなのではあるが、短期、又は、長期の記憶の差異を生み出す「原因機構ではない」と考えるのです。『側頭葉性健忘症』が、「重度の記銘力障害」が原因で、発病することは、海馬の機能の支障が原因と考えるのです。何故なら、側頭葉性健忘症の発病者は、「重度の記銘力障害」を特徴とするものの、『前頭葉』の機能が正常なレベルにあることが確認されるからなのです=重度の記銘力障害に起因した、重度の記憶力障害の症状が確認されるものの、「改訂版かなひろいテストに合格する=前頭葉の機能が正常なレベルにある=注意の分配力の機能が正常なレベルにある」ことが特徴なのです)。
2.アルツハイマー型認知症発病の原因に関して、「3つの仮説」が主張の前提条件とする「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定内容の問題点:
(1) 米国精神医学会が策定した『アルツハイマー型認知症』の診断規定である「DSM-Ⅳ」の「第一要件」の規定は、『記憶の障害』に起因してアルツハイマー型認知症の症状が発現してくると規定しています(現在は、改訂されて、「DSM-Ⅴ」が最新の規定なのですが、規定内容が曖昧になりすぎて、「DSM-Ⅳ」の規定が、未だに権威を保っているのです)。
世界中の専門家達の間で通説の地位にある「アミロイドベータ仮説」は、アミロイドβという蛋白質が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞に沈着することにより生成された「老人斑」がもつ毒性に因り、神経細胞の大量死が惹き起こされ、記憶の障害が起きて、その領域が拡大することにより、『アルツハイマー型認知症』を発病することになると憶測に基づいて主張する仮説なのです。
(2)「他の2つの仮説」も全て、「記憶の障害が原因で、発病する」との前提に立脚していて、「記憶の障害」を引き起こす原因要因として、タウタンパクの蓄積による神経原線維変化(タウタンパク仮説)、或いは、アセチルコリンの不足(アセチルコリン仮説)を主張の核心に据えた「科学的な根拠も実証データも無しに、権威だけを傘に着た憶測だけに基づいた主張」を展開しているだけなのです。
「3つの仮説」の全てが、『アルツハイマー型認知症』の発病との間の因果関係(原因と結果の関係)の存在の実証が未だに出来ないでいるが為に、未だに『仮説の扱いを受けている』という訳なのです(後述のように、『実際にも、因果関係が存在していない』のですが、、、)。
(3) 上記1(2)において、データを付して詳細に説明しているように、「アルツハイマー型認知症」の発病者であって、末期の段階の後期の段階にある発病者たち(私たち二段階方式の区分で言う、大ボケの段階の後期にあるお年寄り)でさえ、「記銘」は出来るのです。
MMSEの総得点が10点を切った人達、9点8点、7点の人達でさえ、記銘は未だ満点の3点を取る人達が最も多いという事象事実を考慮すれば、「記憶の障害」に起因して発病するとする「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定内容が誤りなのであり、加えて、第一要件の規定内容が正しいものと想定した仮説である「3つの仮説」の全ての主張内容が誤りであるということになるのです。
3.「DSM-Ⅳ」の第二要件が発病の初期症状として例示列挙する症状の問題点
世界最高の権威、米国精神医学会が策定したものであり、『アルツハイマー型認知症』の診断規定として、権威が有るされる機関や研究者達から未だに妄信されている「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定が、発病の初期症状であるとして確認を要求しているのが、失語、失認、又は、失行(紛い)の症状なのです(正しくは、外観的には、失語のような、失認のような、失行のような症状というべきものか)。
『DSM-Ⅳ』が、第一要件の規定内容の存在の確認及び第二要件の規定内容の存在の確認をもって、初めて、アルツハイマー型認知症の発病者と診断すべきことを要求していることから、権威とされる機関や研究者たちに以下に述べる「2つの問題」を指摘しておきたいと考えるのです。
〇1つ目は、「重度の記憶障害の症状」が、発病者と判定する不可欠の要件とされているということなのです。私たち「二段階方式」が集積してきた、アルツハイマー型認知症の発病者の極めて多数の「脳機能データ」の解析結果によると、失語や失認や失行(紛い)の症状が確認されるお年寄りは、MMSEの総得点が一桁の得点、『9点以下のお年寄りの場合』に、初めて確認される症状、即ち、「極めて重度の発病者」だけに確認される症状なのです。
他方で第一要件は、「記憶の障害」の確認を要求しているのです。アルツハイマー型認知症の発病者と判定(診断)される為には、第一要件と第二要件の充足の確認が不可欠とされているのです。その結果として、第一要件が確認を要求している「記憶障害の症状」も、極めて重度の「記憶障害の症状」の確認が要求されることになるのです。
〇2つ目は、「アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ないタイプの認知症である」とされていることが、そもそも「重大な誤りである」ということなのです。
「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、『性質それ自体として、治すことが出来ないタイプの認知症ではない』のです。上記(1)で説明しているように、『DSM-Ⅳ』の第一要件及び第二要件の規定内容に基づいて(当該規定内容が、正しいものと妄信し/前提としていて)末期の段階の症状の発現を確認して初めて、発病と診断している結果として、『治すことが出来ないもの』と、認知症診断の専門の医師達までもが、『誤解している』だけなのです。
4.『アルツハイマー型認知症』の治療に効く薬は、存在し得ないのです:
(1) アルツハイマー型認知症というタイプの認知症こそ、治すことが出来るタイプの認知症の典型と言えるものなのです。
早期診断の実施(私たち二段階方式の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階、本当の意味での早期の段階で発病を見つけること)及び早期治療の実践である「脳のリハビリ」(「前頭葉」が活性化する生活習慣の改善)の継続的な実践により、治すことが出来るし、ケースによって治せなかった場合でも、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状の重症化が進行することを抑制させることによって、『介護の予防』の効果を上げることが出来るのです。
(2)この場合、『前頭葉の機能レベル』を精緻に判定することが不可欠の条件となるのであり、現在活用が推奨されている『MCIの基準』(「軽度認知障害」なる基準)では、判定も鑑別も困難である(無用の長物)ことを問題提起しておきたいのです。
「MCIの基準」は、「物忘れの症状」の発現について、『本人及び家族からの申告と診察する医師による外観的で主観的な観察を基礎』としただけのものであり、何等の有効な基準とは、なり得ないのです。それでいて、『MCIの基準に該当する』と判定された場合、診察を担当する医師からは、『アルツハイマー型認知症の発病の前駆的な段階にある』等という意味不明の、客観的で科学的なデータの裏付けさえも無い、『極めて主観的な説明が行われる』のが常なのです。
(3)そもそも、「物忘れの症状の発現」と「アルツハイマー型認知症の発病」(症状の発現)との間には、『何等の直接的な因果関係自体が存在していない』ことにさえ、未だに、無知で、無頓着な儘なのです。
挙句の果てに、症状の進行の抑制について、ケースによっては、ある程度進行を抑制する効果が期待できるかもしれないとして、アリセプトを含む「4種類の薬」のうちのどれかを処方しているというのが、医療現場での実態なのです。それら4種類の薬が、治療の効能は有していなくて、単なる「対症療法薬」でしかないことについて、「認知症の専門家」として診断している彼ら医師達は、知っているのか、どうなのか。
⇒ そもそも、仏国のように、『健康保険の適用対象から外すべきもの』なのでは?!
⇒その上、「アミロイドベータ仮説」の考え方に基づいて開発されたとされている例の薬、現在は、認可について継続審議中である『アデュカヌマブ』が、万一、認可されるようなことがあったなら、その裏に何があるのかと疑いたくもなるのです。何故なら、アミロイドベータの蓄積(老人斑の生成)と「アルツハイマー型認知症」の発病との間には、何等の因果関係が存在していないからなのです。このことについては、このブログ中で何度も指摘し、問題提起してきているところなのです(実は、「発病自体の予防」についての国策化の提言書の中でも、根拠データを添付し、指摘し、問題提起しているところ)。