今年収穫した太藺(フトイ)にてスツールの座編み

2023-09-17 | 椅子
今年収穫した太藺(フトイ)にてスツールの座編み

盛夏に刈り取り、乾燥、保存した太藺、まだ青みが残り、太藺特有の何か香ばしい野菜のような香りも残っています。
カサカサに乾いたフトイをお湯で蒸らして柔らかくしなやかな状態にし、椅子の座面に編み込んでいきます。

 
5.6本を束ねねじると約5ミリ程の太さになり、一定の太さを保つよう座面裏で1本ずつからめ足してつないでいきます。
このつなぎ方はヨーロッパで古くから使われている手法で外国の古い椅子の編み替えをするとほとんどこの方法がとられています。
裏面はほぼねじる事なくひと巻きするだけで継ぎ足され、表側(座る面)だけきれいにねじっています。

 
椅子の座面裏好きとしてはこの状態を見ると嬉しくなってしまいます。

 
自分の手で刈り取った太藺を使ってこの編みができて、静かな感動の時間でした。

この椅子は、来客時に補助として。
姿勢良く座れるように。
自然の曲りを活かした細めの丸太(枝)を脚に使って軽い感じでフトイ編みがいい。
色は濃いめが好み。
というようなご希望でしたので、ご相談の上

座面の高さは40cm
脚は細めのナラの小径木(枝)、貫はケヤキの枝。数年間乾燥済み材使用。
細めで軽い椅子として丈夫にするため、粘り強く硬い丈夫な木を使っています。
座骨(板に座った時にこりこり当たるお尻の骨)がしっくり納まるよう、交点を後ろへずらす編みで調整。
骨盤を起こしやすくするために座面の後ろ側を上げています。
柿渋を下塗り後オイルフィニッシュクリア仕上げし、時間と共に艶のある茶褐色に変化していきます。
座面をしっかり乾燥し完成です。
気に入っていただけますように。


 

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