[心と体を整える椅子]
骨盤で座る椅子ができあがりました。
チェアフィッティングの第一人者である吉野崇裕氏にご指導を賜り、技術を修得しました。
日本には900年の歴史を持つ座禅という座法があります。
座禅の座り方は「上虚下実」と言われ、姿勢、呼吸を整え、骨盤へ重心を集め、丹田へ気を充実させることによって、
上半身が完全なリラックス状態になります。
そして、心と体に向き合うことができます。
チェアフィッティングとは、この禅の座法を理想の姿勢ととらえ、その座り方を椅子の上で実現するため、一人一人の身体に合わせて1脚ずつ精密に作り上げる技術です。
この椅子作りを通して、身体に優しい、健康な座り方を提案する新しい技術です。
まずは私自身の体に合わせ試作を繰り返し、改良を重ね、一番身近な素朴な声をひとつひとつ形にしていった結果
私の形はこうなりました。
まずは椅子を作るために必要な体の各部位を計測します。
次に座面、骨盤サポートを微調整できる椅子に実際に座っていただき、感覚も含めフィッティングしていきます。
3〜4時間ほどかけて計測、微調整、体感していただくということを繰り返していきます。
人の身体は千差万別です。それに加え感じ方も人それぞれです。日をあらためてということも出てくることと思います。
自分以外の身体に合わせて作った第一作目は私の妻の椅子です。
そして、第二作目は初めてのご依頼主の方の身体に合わせ作りました。
どちらの椅子も、私が座っても全く合いません。
しかし、どちらも本人にはそれぞれぴったりです。
座面の高さはもちろん、三次元の曲面、骨盤サポートの高さ開きアール、こんなに違う物かとあらためて見ることができます。
似て非なる物です。
塗装前に当たる所や違和感がないか確認するため、初めて座っていただいた時
「座っているという感じがしない、柔らかい物で包まれている感じ、当たって嫌な所は全く無いです・・・いいです。」
という感想をいただきました。
自分では試しに座り心地を確かめることができず、図面と型通りに作るしかないので、不安がいっぱいでしたが嬉しい感想をいただきほっとしました。
経験を重ねることによって、自信もついていくと思います。
いつも、人生の転機にチャンスを与えてくれる言わば恩人である方です。
本当にありがとうございます。
これまで作ってきた椅子も含め、今後もより一層座り心地の良い椅子を作るべく精進していこうと思います。