★「由太郎ノートNO.020-第63期大分合同アマ将棋名人戦3番勝負第2局解説:高段者編」
▲早咲誠和 対 △神品和男(平成21年7月12日対局)
棋譜解説:平成21年全日本アマチュア将棋名人 山崎由太郎
編集責任:棋楽庵
▲県名人 早咲誠和
△挑戦者 神品和男
【山崎の結論】
=第1譜=
=第2譜=
=第3譜=
=第4譜=
=第5譜=
=第6譜=
◆関連リンク
→「由太郎ノートNO.015-第63期大分合同アマ将棋名人戦3番勝負第1局解説:級位者編」 ▲神品和男 対 △早咲誠和(平成21年7月12日対局)
→「由太郎ノートNO.016-第63期大分合同アマ将棋名人戦3番勝負第1局解説:有段者編」 ▲神品和男 対 △早咲誠和(平成21年7月12日対局)
→「由太郎ノートNO.017-第63期大分合同アマ将棋名人戦3番勝負第1局解説:高段者編」 ▲神品和男 対 △早咲誠和(平成21年7月12日対局)
→「由太郎ノートNO.018-第63期大分合同アマ将棋名人戦3番勝負第2局解説:級位者編」 ▲早咲誠和 対 △神品和男(平成21年7月12日対局)
→「由太郎ノートNO.019-第63期大分合同アマ将棋名人戦3番勝負第2局解説:有段者編」 ▲早咲誠和 対 △神品和男(平成21年7月12日対局)
→「第63期大分合同アマ将棋名人戦三番勝負」結果-NO.1(平成21年7月12日:大分市「割烹 百合」)
→「第63期大分合同アマ将棋名人戦三番勝負」結果-NO.2(平成21年7月12日:大分市「割烹 百合」)
▲早咲誠和 対 △神品和男(平成21年7月12日対局)
棋譜解説:平成21年全日本アマチュア将棋名人 山崎由太郎
編集責任:棋楽庵
▲県名人 早咲誠和
△挑戦者 神品和男
【山崎の結論】
▲早咲 誠和 疑問符:63手目▲6六同歩 67手目▲6五飛 |
△神品 和男 疑問符: 38手目△7二飛 42手目△7五歩 敗着: 96手目△4一角 |
=第1譜=
(指し手 1~20) ▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三角 ▲7六歩 △4四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △5四歩 ▲6八玉(第1図) △4三銀 ▲9六歩 △9四歩 ▲1六歩 △1四歩 ▲7八銀 △3二金 ▲7九玉 △8四歩(第2図) |
勝率9割3分の真相に近づくカギ ふう~。いよいよ高段者編ですね。 ここからが本音タイムです。ここまで の棋譜を見た感じ、早咲さんは将棋よ り勝負を考えて指し手を進めていると 考えられます。明らかに、決め打ちを していると考えられるからです。おそ らく、事前に神品さんという人、棋譜 を調べられたのでしょう。 ▲6八玉は3三角型なので、攻撃型 雁木は可能性として低いものとして指 したものと考えられますが、▲9六歩 ▲1六歩▲7八銀の組み合わせは相手 が振り飛車党ならばしないものと思う からです。特に▲1六歩は△5二飛と 指されると最悪、緩手になりそうです。 おっと、これは現時点での僕が思っ ているだけですよ。正しいかどうかは わかりません。あまりにくどいと嫌が られそうなので、これで最後にします が、僕は一生懸命に書きます、といっ ても僕が正しいと思って読むのだけは やめてください。 さて話しは変わりますが、アマはプ ロと違い差が激しい領域だと思うので、 一流アマが勝率7~7.5割、超一流 アマが7.5~8割と考えています。 早咲さんが持つ9割3分という数字は 実力でとっていたら人間ではないと思っ ています。つまり、+1割は技術的な ものではないと考えています。その+ 1割の中身の1つが上記した、相手を 見て手を選ぶということと、どんな相 手にも手を抜かないということです。 |
=第2譜=
(指し手 21~38) ▲4六歩 △6二銀 ▲4七銀 △5三銀 ▲5六銀 △5二金 ▲3六歩 △4一玉 ▲3八飛 △8五歩 ▲7七角 △7四歩 ▲3五歩 △同 歩 ▲同 飛 △3四歩 ▲3六飛 △7二飛(第3図) |
相手を見た▲3八飛 ▲3八飛のところではいろいろ手が 考えられるところです。3手角は△4 五歩があるので、やりづらいですが、 ▲4八飛、▲2六飛は考えられそうで す。▲2六飛から考えて見ましょうか。 ▲3八飛に変えて▲2六飛△8五歩 ▲7七角△7四歩▲3七桂△3一玉▲ 1五歩△同歩▲3五歩△同歩▲4五歩 △同歩▲同桂△7七角成▲同桂△4四 銀右▲2四歩△同歩▲同飛。 ここで△5五歩か△2三歩だと思う のですが、△5五歩は▲2二歩△同金 ▲2三歩△1二金▲7一角△7二飛▲ 4四角成△同銀▲同飛△5六歩▲6一 銀△6二飛▲5二銀成△同飛▲4一金 △3二玉▲4三銀△4一玉▲5二銀不 成△同玉▲3二飛△6一玉▲4一飛成 以下詰み。 一応、早咲さんと神品さんと条件を 同じにするために頭の中だけで読んで いるので途中重大な見落としがあるか もしれませんが、その時はすいません。 ただ、級位者、有段者編なら途中図を 入れて、盤に並べて間違いがないか確 認という作業が必要ですが、高段者編 は図面いらずの間違いは読者が気が付 いてくれるので、書く方としてはかな り楽になります。 △2三歩の変化を忘れてました。△ 2三歩だと、▲4四飛~▲7一角でな んとかなるのではないでしょうか。す いません、書くのが疲れてきました。 (^-^; ここらで、ご容赦下さい。 ですが、2六飛車型を作ったからと 言って、先手が良いというわけではな いと思います。例えば、仕掛けられて、 ▲4五歩の時に、シカトして△7五歩 や△3四銀。もしくは、もっと前に△ 6四銀型で攻勢を築くとか、△8五歩 ▲7七角の交換を入れなければ、王手 飛車の筋が残りますから。ひとまず、 2六飛車型もあったでしょう。▲4八 飛も有力そうです。 ここで知りたいのが早咲さんの消費 時間です。▲3八飛に時間を使って指 していれば、その他の手と比較したの だなとわかるのですが、時間を使って なかったら、相手を見て指した可能性 が高そうです。 ▲3八飛の局面では将棋的な最善手 などわかるとはとても思えませんから。 つまり、早咲さんは神品さんが第3図 のように△7二飛と指してくる可能性 が高いと経験的にまたデータから読み 取ったのでしょう。そして、△7二飛 は僕としては疑問符です。次の手が厳 しい。 |
=第3譜=
(指し手 39~64) ▲3五歩 △同 歩 ▲同 飛 △7五歩 ▲3四歩 △5一角 ▲6六角 △7六歩 ▲8五飛 △8二歩 ▲4五歩 △3三歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲3七桂 △3四歩 ▲4四歩 △同銀右 ▲2二歩 △同 金 ▲4五銀 △5五銀 ▲4四歩 △6六銀 ▲同 歩 △3二銀(第4図) |
△7五歩の時の本当の後手の態度は ゴメンナサイと△8二飛だと思います。 将棋ってお互いつっぱちゃうとすぐに 勝負がついてしまいます。経験上、ゴ メンナサイと謝っておけば、戦力は変 わらないのですから、そんな悪くなる はずがないのです。 ただ、▲6六同歩は謎です。▲4三 歩成で先手勝ちだと思いましたが。結 構、うっかりしがちなんですけど、先 手の美濃囲いって7七を突破されても、 結構耐久力があるのです。あと、7七 ぶち込みには▲68金直という手もあ るので、この美濃囲いの耐久力の認識 ミスで僕が過去にどれだけ、右四間に 痛い目にあったことか。 さて指し手を見てみましょう。▲6 六同歩で▲4三歩成…すいません。訂 正します。やっぱり、▲6六同歩は冷 静かもしれません。理由を説明します。 ▲4三歩成△7七歩成▲5二と△同玉 ▲7七桂△同銀成▲同銀△同飛成▲7 八金△7二竜。この局面どうやっても 寄りだろうと思いきや、よくわからな いですね。直感▲5四銀や▲4四銀な のですが、持ち駒の銀・銀・金と後手 玉の4一と6一、6二のルートが複雑 に絡み合ってよくわかりません。どう も2三の空間が邪魔です。まさか、▲ 7七歩で勝てるわけもないし。 ▲5四銀あるいは▲4四銀に△7七 歩が痛いのです。逃げると、△7六桂 馬が7八清算後の△8八桂成以下の詰 めろになってますから。 また、今の変化のときに△7七銀成 が詰めろじゃないからということで、 ▲6一銀はありそうですが。以下△8 八角▲8九玉△9七桂▲同香△同角成 …この局面は▲7七銀か▲5二銀成で 先手勝ちそうとはいえ、なにか怪しい。 ということで、結論が出ないので実 戦的に▲6六同歩は冷静かもしれませ ん。失礼しました。 |
=第4譜=
(指し手 65~87) ▲6一銀 △9三桂 ▲6五飛 △7四飛 ▲3四銀 △6四歩 ▲2三歩 △1二金 ▲3五飛 △3三歩 ▲5二銀成 △同 玉 ▲4三銀不成△同 銀 ▲同歩成 △同 玉 ▲4四銀 △同 玉 ▲4五飛 △5三玉 ▲4一飛成 △8四角 ▲4五桂(第5図) |
▲6五飛は疑問符。これは、▲8六 飛が明快でしょう。△7二飛が縦に逃 げれば、飛車成。横に逃げれば7六歩 が取れますから。▲6五飛で神品さん にチャンスが巡ってきました。 |
=第5譜=
(指し手 88~95) △6三玉 ▲6一竜 △7三玉 ▲7二金 △8三玉 ▲6三竜 △7三銀 ▲5三桂成(第6図) |
△6三玉で△6二玉だと▲4二竜△ 7一玉▲5三桂成△6六角▲6三成桂 が一例でおそらく先手勝ち。△2六角 の王手の筋には気をつけなければいけ ませんがこの変化は大丈夫でしょう。 したがって、△6三玉は仕方ない感 じ。以下、お互い仕方ないを繰り返し、 ▲5三桂成。次の△4一角を僕なりの 敗着としたいと思います。受けの手筋 としては△8一銀▲同金△7二銀があ りますが、△8一銀の時に▲6二成桂 があるので無効。この局面は受けだけ という手は指せないみたいです。ただ、 どこかで△9二玉は切り札として残し ておきたい感じ、ただ、すぐに指すと ▲6一竜△6六角▲6三成桂で負け。 考えた結果、第6図は△3四角で難 解と見ます。 |
=第6譜=
(指し手 96~133) △4一角 ▲6一竜 △6六角 ▲6三成桂 △8八銀 ▲6八玉 △7七歩成 ▲5九玉 △8四銀 ▲9一竜 △7六飛 ▲7七銀 △同銀成 ▲4一竜 △6七銀 ▲同 金 △同成銀 ▲5六角 △6五銀 ▲6七角 △5七角成 ▲7六角 △同 銀 ▲5八銀 △7五馬 ▲4三竜 △3七角 ▲4八歩 △同角成 ▲同 竜 △同 馬 ▲同 玉 △4三飛 ▲4七角 △5六金 ▲8二金 △同 玉 ▲7二飛(投了図) まで、133手で早咲さんの 勝ち |
個人的な将棋観としては、第6図は 実戦的には先手勝ちやすいですが、後 手が将棋的には勝ちであって欲しい局 面と考えます。4枚の攻めは切れない といわれる中、先手の攻め駒は3枚で すから。 △4一角に▲7三金△同角▲6二銀 は△7二銀で千日手仕方なしと見ます。 千日手打開の権利が先手にあるという ことは、第6図は先手がいいのかな? 難解といった△3四角に対し、▲5 六歩をはさむかどうかはわかりませが、 ▲6七金型の受けには△9二玉(△3 四角の効果で▲6一竜がない)か△7 五飛か。はじめは、▲6七金型は△8 八銀で寄りかと思いましたが、(先に 角切りは角を渡すと後手玉は詰む)▲ 同玉(ここは変化として▲6八玉もあ るのでややこしい)△6七角成▲7三 金△同角▲7二銀△8四玉▲7四竜△ 同玉▲6三銀打△8五玉▲6七銀で負 け。ということで、なんか手渡しと思 い、△9二玉か△7五飛だったのです けど、△7五飛はないかもしれません。 △7五飛は次に△7四銀打の狙いだっ たのですが、その瞬間7三清算後▲6 二角△7二玉▲7三銀△8一玉▲7一 角成以下詰みです。しかし、途中、△ 8三玉なら詰まないから工夫すれば…。 でも、△9二玉なら難解ですか。▲9 五歩△同歩▲同香△同角▲9四歩がど れだけ厳しいかです。△8五桂は飛車 捕られてアウトなのでシカトでしょう が。 う~ん すいません。頭痛くなって きました。中途半端ですがここらへん で勘弁してください。(苦笑) さて、いよいよ最終決戦ですね。 |
◆関連リンク
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→「第63期大分合同アマ将棋名人戦三番勝負」結果-NO.2(平成21年7月12日:大分市「割烹 百合」)
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