■「由太郎ノート-早咲将棋に学ぶ！NO13」（第21回アマチュア竜王戦全国大会観戦記7：平成20年）

★「由太郎ノート－早咲将棋に学ぶ！ＮＯ．１３」
　（第２１回アマチュア竜王戦全国大会観戦記７：平成２０年）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　主催：読売新聞社

［観戦記：山崎由太郎］
　（編集責任）棋楽庵

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＜準決勝＞（平成２０年６月２９日）＞
▲早咲誠和（大分県）
△鈴木勝裕（秋田県）

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＝第１譜＝

（指し手　１～２０） ▲７六歩　　△３四歩　　 ▲２六歩　　△３二金　　 ▲７八金　　△８八角成　 ▲同　銀　　△４二銀（第１図） ▲３八銀　　△６二銀　　 ▲３六歩　　△６四歩　　 ▲４六歩　　△６三銀　　 ▲６八玉　　△５四銀　　 ▲３七桂　　△４四歩　　 ▲４七銀　　△４一玉（第２図）

準決勝の相手は秋田県代表の鈴木勝 裕さん。角換わりの名手とのことです。 さて、決勝トーナメントから引き角３ 連戦できましたが、今回は１手損角換 わり。 　大事な試合で相手の得意戦法に飛び 込むなんて僕には真似できないですが、 これが昔からの早咲さんのやり方のよ うです。

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＝第２譜＝

（指し手　２１～３０） ▲１六歩　　△１四歩　　 ▲５八金　　△３一玉　　 ▲７九玉　　△５二金　　 ▲９六歩　　△７四歩　　 ▲９五歩　　△６五歩（第３図）

△６五歩が鈴木さんの工夫の一手で す。もしかしたら研究の一手かもしれ ませんが。この△６五歩は攻めの手と いうよりは受けの手。将来、６四に角 を置き、先手の攻めを牽制して千日手 を狙う指し方です。

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＝第３譜＝

（指し手　３１～４４） ▲５六銀　　△７三桂　　 ▲４七金　　△６四角　　 ▲７七銀　　△６二飛　　 ▲１七香　　△３三銀　　 ▲１八飛　　△２四銀　　 ▲６八銀　　△４三金右　 ▲７七銀　　△８四歩（第４図）

早咲さんの右銀の動きがおもしろい ですね。８八～７七～６八～７七。一 見一人千日手のようにも見えますが、 実はそうではないのです。相手との距 離を調節しているのです。こういった 一人千日手含みで相手との距離をとっ た将棋で記憶に残っているのはアマ名 人戦記念対局での森内俊之名人（当時） VS早咲誠和アマ名人（当時）の角落ち 戦です。 　興味がある人は並べて見てください。 これは大分合同新聞に掲載されたので 県立図書館に行けば見られます。そし て、いよいよ調節していた局面が出現 しました。 　次の一手は？

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＝第４譜＝

（指し手　４５～５８） ▲８三角　　△６三銀　　 ▲６六歩　　△同　歩　　 ▲同　銀　　△５四歩　　 ▲６八飛　　△６五歩　　 ▲同銀右　　△同　桂　　 ▲同　銀　　△５五角　　 ▲７七桂打　△７二銀打（第５図）

もう、ここは流れを追って下さい。 さて、第５図は角が死んで一見困った ようですが、ここで次の一手のような 一手があります。 　さて、それはなんでしょう。

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＝第５譜＝

（指し手　５９～６５） ▲５四銀　　△８三銀　　 ▲６三銀成　△９二飛　　 ▲５六金　　△８二角　　 ▲８一銀（最終図）　　 まで、６５手で早咲さんの勝ち

▲５四銀が強烈！！　△同金は▲７ 二角成でひどいことになります。とは 言っても本譜も大差となってしまいま した。鈴木さんの投了も止むを得ない でしょう。 　角換わりの名手に対し構想力で勝利 し、そのまま完勝。アマ竜王位に向け て良い流れをつくり決勝戦進出です。

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◆関連リンク
→「第２１回アマチュア竜王戦全国大会」結果－ＮＯ．１（平成２０年６月２８・２９日：東京都「チサンホテル浜松町」）
　・決勝トーナメント
　・九州・沖繩・山口各県代表選手成績
→「第２１回アマチュア竜王戦全国大会」結果－ＮＯ．２（平成２０年６月２８・２９日：東京都「チサンホテル浜松町」）
　・予選リーグ成績　　１組～　５組
→「第２１回アマチュア竜王戦全国大会」結果－ＮＯ．３（平成２０年６月２８・２９日：東京都「チサンホテル浜松町」）
　・予選リーグ成績　　６組～１０組
→「第２１回アマチュア竜王戦全国大会」結果－ＮＯ．４（平成２０年６月２８・２９日：東京都「チサンホテル浜松町」）
　・予選リーグ成績　１１組～１５組

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