大原の紅葉がやや盛りすぎの印象だったので、京都の町中であればどこでもよかったのですが、やはり去年行ったしょうざん庭園へ行ってみたいと思いました。義理があるわけでもなく、もっと別の、例えば白沙村荘へ行くことも考えたのですが、入ってから人の多さに驚くという可能性もあります。紅葉の魅力の割に訪れる人の少ないのが立証済みのしょうざんに行こうと決めたのです。
この植物園からは北山通を西へバスに乗っていけばラクチンなはず。今日は魔法の切符を持っています。記事のカテゴリーは「PiTaPaで歩く」ですが、今日は徹底して歩かない、乗り物を使う趣向で行こう。
実は、私は子供のころからバスに乗るのが苦手だと意識していました。列車に乗る場合はあらかじめ目的地までの切符を買って乗ります。ところがバスは、よく知っている区間でなければ、運賃そのものがいくらなのかわからないまま乗ることになります。金額がわかってから両替しなければならなかったり…、降車ボタンを押さなければ止まってもらえないのも列車とは違います。停車してから地面を踏むまでにあわただしく手順が進むバスは、大人になってもどうも苦手です。そもそも、前から乗るのか後ろから乗るのかというところから悩まなければならないのです。「PiTaPaで歩く」なんてカテゴリーを作ったのもバスが苦手なのと無縁ではないと思います。
バスに乗るぞ、と強く意識してバス停に近づく。時刻表を見ると、大都会京都なのに、北山通を西に向いて走るバスは30分に一本しかありません。それも5分くらい前に出たところ。ボーッと待っているのもあほらしい。あたりを見回しても、簡単に食事を済ませられそうなお店もない。適当なところからバスを拾おうと西を目指して歩き始めました。賀茂川を越えてどんどん歩いていきます。お腹も空いてきたのですが、この北山通というのはあまり飲食店を見かけません。堀川通を過ぎたところに「魁力屋」というラーメン屋がありました。何年か前に箕面で入ったことのあるラーメン屋さんです。が、結構な人気のようで入店待ちの客も少しいるみたい。パスします。
結局、昨年しょうざん庭園に行くときに間違えて通過した交差点、紫野泉堂町の三叉路に着いてしまいました。東から西へ随分移動したように思いましたが、後で確認をすると1kmちょっとしか離れていなかったのですね。その交差点にはサイゼリヤが。13時過ぎ、その店の客になり、腹の虫を落ち着かせることにしたのでした。
サイゼリヤでおよそ30分過ごし、ここからは絶対バスに乗るぞと決心をして店を出たものの、バス停が見つからない。結局、去年とまったく同じルートで住宅地を抜け、自動車学校を横目で見ながら、千本通、鷹峯御土居のところへ出る。ワクワクしながら、千本通からしょうざんに降りていく。えっ?その時気付いたのは、鷹峯に隠れようとする太陽です。千本通の西側には鷹峯という山があって、しょうざんはその山の麓に作られているのです。まだ14時くらいだというのに、太陽は沈んでしまうのです。同じしょうざんの敷地でも、ボウリング場のあるあたりはまだまだ沈まないのですが、運の悪いことに庭園から見れば、ちょうど鷹峯の頂を太陽が通過する形になるのですね。だから、翳るのがとても早い。陽が差さない紅葉はなんとも頼りない。そこで腰を下ろすこともなく、しょうざんは素通りして南下。仏教大学の横を通って、千本北大路まで出ました。しょうざんの敷地内では料亭の入り口で1回シャッターを押したきり。私はなんのために植物園を早めに切り上げたのでしょう。2時間ほど無駄に過ごしてしまいました。もしも、植物園からバスに乗っていたら…、もしも空腹に勝って、食事を摂らずにしょうざん庭園に直行していたら…。去年、そのことに気付かなかったのは、午前中に訪れていたからでした。後悔することしきりです。
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