も う桜も散ってしまおうかという日曜日の朝、私は駅を目指して歩いていました。途中で高校の野球部員たちがユニフォーム姿でゴミ拾いをしていました。この公立高校は進学校と呼ばれ、おまけに野球部は何度も甲子園の土を踏んだことのある歴史のある学校です。何十人といる部員たちがあちらでも、こちらでもゴミ拾 いをしています。これまでもこうして清掃活動をしていたのか、近頃始めたのかはわかりません。私にとっては初めて見る光景でした。
しばらく歩くと、そのうちの一人とすれ違うことになりました。彼はすれ違う私に作業の手を止めて帽子を取り、「おはようございます」と頭を下げたのでし た。私も、「おはようございます。ご苦労さま」と声をかけました。それから駅までのしばらくの間、私は、顔も名前も知らないそのユニフォームたちと何度あいさつをしたでしょう。気持ちよいままに、私は駅に到着したのでした。
明るく暮らしよい町かどうかのひとつの指標は、町のあちらこちらであいさつがなされているかどうかではないかといつも思っています。彼ら野球部員が通学途上で誰彼なしにあいさつをしているとも思えません。とすると、清掃活動は見ず知らずの人に抵抗なくあいさつをするためのツールのようにも思えます。先生が考えたんでしょうか、生徒自身の発案でしょうか。 いつから、彼らの清掃作業が始まったのかはこの際どうでもよろしい。彼らの作業でこの町が明るくなり、彼らは地元住民から信頼され、彼らも気持ちよく勉強や野球が続けられる。
この間までテレビで嫌になるほど聞いた、「魔法の言葉」ってやつですね。
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昔の田舎では、あたり前のようなことが、知らない間にすっかりなくなってしまったことってあります。
知らない人にニコニコ挨拶されると怪しいセールスマンかと思ってしまって身構えてしまう時代になってしまいました。
でも大事なことはちゃんと受け継ぐべきだと思います。
こちらでは桜が終わってハナミズキの白がまぶしいステージに入りました。
渡る世間に鬼はなしか、人を見たら泥棒と思えか、難しいところです。できることなら、渡る世間の力で泥棒を追い返したいと願うところです。
震災のおかげ?で、日本どころか世界中が優しい心持になりかけています。どうして平素から仲良くできないものかと、子どもみたいな疑問を、この年になってももっています。
「就職率100%」工業高校の秘密
県立王寺工業高校教諭 久保田憲司著 PHP
ご指摘の学校は、週間ポストだかに取り上げられて、全国区で一気に有名になってしまいましたね。みのさんの番組で取り上げられているのも見ましたよ。