ぶろぐのおけいこ

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いまどきの結婚披露宴

2024-11-25 18:56:42 | ぶろぐのおけいこ
 11月に姪の結婚式、披露宴に招待されました。昭和世代としては驚きの連続。自分の思ったことを記録をしておこうと思います。

 はじまりは招待状。数年前の私の長男の時は郵便で招待状が送られてきました。中にはがきが入っていて、出席か欠席かを書いていついつまでに返事をせよと書かれています。私自身もそうでした。そもそも、出席するという約束があるから、招待状を送ってきたのにねとか思いながら、これまで何度も招待状を受け取り、出席しました。

 ところが、今回は招待状がLINEに乗ってやってきた。LINEのリンク先から彼女らのページに案内されて、出席かどうか、食事の際にアレルギーはないかとか答えるようになっています。無駄な紙を使わないという意味ではSDGsではあります。郵便局の仕事がまた少し減るよなぁなんて思うのてすが、会社で若い人に聞くと、今どきは郵送の招待状とWeb経由の招待状は半々だと言っていました。さらに驚くことを聞いたのは、Web経由の場合お祝いもWeb経由で「包む」(=送金する)ケースもあるらしいです。式場の受付では、多くの場合は新郎新婦の友人が預かるというのが従来からのパターンだと思いますが、うっかり失くしたりとか盗難に遭ったりとかしたら、台無しですものねぇ。

 で、当日、いそいそと出かけました。大阪市内の会場。親族紹介があるので、いついつまでに来るようにと書いてあります。昔は、親族紹介なんてあったっけ?親戚づきあいがどんどん希薄になっていくと、ここで紹介をしておかなゃ二度とチャンスはないということなのでしょう。どんな部屋で紹介されるのかなと思っていたら、なんとチャペルでの紹介でした。
 チャペルというのも大層で、牧師さんだか神父さんだかよくわかりませんが、西洋の方です。東洋の方だと恰好がつかないのでしょうかね。それに鍵盤楽器の男性と歌い手さんの女性がつく。

 親族紹介が済んだら、お友達や招待客も入れられて、一旦閉められた扉が開く。あれっ?新郎らしき(だって初めて見るのだもの)男性が、上着を来ていないぞ。これも演出だそうで、新郎の母親が上着を着せてあげるところも見せてしまおうということらしい。次に新婦がやってきて、ベールをその母親がつけてあげるのも、皆に見せる。今どきはこういう演出をするのか。そして、新婦はその父親に連れられて、前まで進む。

 いまどきの結婚式、披露宴を一言で表現するならテーマパークのアトラクションではないか。アトラクションのヒーロー、ヒロインは新郎新婦。招待客はゲスト。その一回のアトラクションが盛り上がるために、新郎新婦のみならず、ゲストも協力しなければならない。そんな印象を受けました。チャペルに入ると、花びらの入ったカップが一人ひとりに渡され、退場時にフラワーシャワーの協力を依頼される。パーティールームへの移動時には、参加者全員の写真を撮られるけれども、「今度はゲストのみなさんも何か動きを…」とかカメラマンから注文をつけられる。
 さていよいよ披露宴。入り口で飲み物が何種類か置いてある。なるほど、アルコールの必要な人、不要な人、それぞれで自分の好みを持って入ればよいというわけだなと思ったものの、不思議なのはビール瓶もその選択肢の中にあるということ。グラスを持って入室はいいとしても、ビール瓶を持って…恰好がつかないだろう。これが飲みたい派にとってはちょっと辛かったことがあとでわかる。
 テーブルには、ナプキンの上に飾りのようにウエディングレセプションと書かれた、薄い冊子。もちろん、新郎新婦の写真がいっぱいのもの。ここまでのなれそめや、座席表や食事のメニューなどが書かれたものです。

 ふと気になったのは、高砂はどこにあるのだろう?高砂がない。じゃ、ヒーローヒロインはどこに落ち着くのだ?私の常識では披露宴会場にはないだろうと思われるソファが一脚。なるほど、主役たちの拠点はここなんだな。私のイメージする結婚披露宴は、仲人の結婚式の報告や、新郎新婦の紹介に始まって、新郎の上司(主賓というやつです)や新婦の上司が、いかに職場で優秀な人材かと持ち上げたり、才色兼備だとヨイショしたりに始まって、今度は「ご友人」と紹介される人たちが、歌を歌ったり、今度は「持ち下げた」り、して進行していきます。その間、高砂の二人は、話を聞き、笑顔でいるか、感謝で頭を下げるかして披露されるわけです。しかしいまどきは、そもそも二人がヒーロー・ヒロインです。二人のショーでした。司会者こそ存在するものの、いつも中心にいるのは新郎新婦。なるほど、こういう時代なんだ。
 ウェディングケーキ入刀で、新郎新婦がケーキを食べるのは昔からあるとして、その両親にまで食べさせる。いわゆるお色直しのための退場は、兄弟を連れ添って…このショーに登場する人たちが、ほとんど肩書を背負って紹介されないのが気楽と言えば気楽。

 テーブルでは、黙っていては飲み物はやってこないし、ビール瓶が林立するような仕組みになっていないということがだんだんわかってくる。これもいまどきでしょうか。目の前にビール瓶があるから、隣席のグラスを観察して、注がなきゃならないという気にもなるでしょうし、「勧められて、お腹はビールでタプタプ」という人も出てきましょう。それに、半端に空いたビール瓶が林立するのも、写真写りとしても奇麗ではない。かくして、飲みたい派の私は、ビールを何杯かとワインを一杯だけという、寂しい「おひらき」を迎えたのでした。

 帰宅して、晩御飯で飲みなおしたのはいうまでもありません。

 引き出物。昔、子どもの頃、家族が誰かの結婚式に呼ばれると、たいがい持って帰ってきたのは折箱だったと思います。あの経木が懐かしいなぁ。それに新郎新婦の名前が入った食器とかなんとかがついていたような気がします。
 社会人になって、熊本県での披露宴に呼ばれた時には、鯛が一匹ついていました。しかし当方はその日のうちには帰宅できませんでしたので、申し訳ないと思いつつ、翌日、駅のホームのゴミ箱に尾頭付きを預けてしまいました。今ならいいアイディアが浮かんだかもしれませんが、当時は無事に持ち帰っても一人暮らし。新郎新婦にも駅員さんにも申し訳ないことをしたものだと、思いだしては今更ですが、反省します。
 通り過ぎる人が誰でも、「この人は披露宴帰りだね」と想像できるような大きな引き出物の袋を持ち帰った時代を知っている者には、お弁当箱を運べるくらいの小さな、その割に厚手の紙でできた立派な紙袋は、中身も紙ばかりで軽い。お菓子でも入っているかと見ても、そんなものはない。シンプルでいいねと思っていたら、数日後に気づいたのは、Web経由で好みに応じて選べる引き出物の案内が入っていたことでした。気づかずに期限切れになってしまうところでした。少し前なら、冊子が入っていて、この中から選んではがきで回答するという形でしたね。今はQRコードが命。
 もうひとつの驚きは、業者が撮影した写真はゲストたちがWeb経由で購入できるらしいということ。だから、ゲストたちにもいろいろと注文をつけて、写真を撮ろうとしていたわけですね。私たちはアトラクションのゲストです。
 勉強になりました。いまどきをしっかり勉強させてもらいました。
 かわいい姪が、穏やかで笑顔あふれる日々を過ごしてくれることを祈ります。



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