何度か九州へ出張することがあって、博多駅のホームに立つたびに民営化後のJR九州には斬新な車両が多いなと思ったものでした。「かもめ」だったか、白い車体に床は木目、シートは黒の革張り。自分の切符でこんな大層な車両に乗っていいのかなと思ったものです。童心にもどって、車両の形や色を楽しめるのがJR九州ですね。
真っ赤っかの特急車両を走らせていたのもJR九州でした。会社のシンボルカラーが赤なんです。
JR九州の一風変わった車両たちの仕掛け人が、著者であるドーンデザイン研究所のデザイナー、水戸岡鋭治氏だったというのは、本書で初めて知りました。本書にはサブタイトルがついていて、
新幹線といえど電車。金箔なんてミスマッチと思いますよね。しかし彼によればちゃんと理由があります。九州新幹線800系「つばめ」に金箔を使っているのですが、彼のこの車両のコンセプトは「普遍性をもった機能美を追及すると同時に、アジアであり日本であり九州であるという地域のアイデンティティを洗練された形で表現する」ことであり、そのために九州産の山桜材や八代特産の藺草を使用したというのです。
当然のことなのでしょうが、いちいちのデザインにちゃんと理由がある。次々に紹介される車両デザインの理由を知るのが楽しくて、ページをめくっていきます。
デザインをするということはどういうことなのか、豊かさとは何か、ひとつの仕事を完成させるということはどういうことなのか、彼の考え方に触れられたのもありがたいことでした。これはデザインを離れても、私たちの「仕事」の中で生かせることかも知れません。気楽に楽しい本を読みながら実にためになると思うところでありました。
そして、JR九州に大きく貢献している水戸岡鋭治という人、実は子どもの頃にはまるっきり勉強ができなかった(と本人が記している)。絵ばかり描いていたそうです。ドーン研究所のドーンとは子どもの頃、鈍いので鈍治(どんじ)と呼ばれていたところから取ったとのこと。その「鈍」だった彼がこうして立派な仕事をしていると思うと、また勇気をもらえる気がします。ぼくも頑張れるんじゃないかと思いますよね。
本当に楽しい、ワクワクするような一冊でした。 そうそう、和歌山電鐡の「いちご電車」「たま電車」をデザインしたのも水戸岡氏ですよ。
真っ赤っかの特急車両を走らせていたのもJR九州でした。会社のシンボルカラーが赤なんです。
JR九州の一風変わった車両たちの仕掛け人が、著者であるドーンデザイン研究所のデザイナー、水戸岡鋭治氏だったというのは、本書で初めて知りました。本書にはサブタイトルがついていて、
「水戸岡鋭治の『正しい』鉄道デザイン 私はなぜ九州新幹線に金箔を貼ったのか?」
という長いタイトルです。新幹線といえど電車。金箔なんてミスマッチと思いますよね。しかし彼によればちゃんと理由があります。九州新幹線800系「つばめ」に金箔を使っているのですが、彼のこの車両のコンセプトは「普遍性をもった機能美を追及すると同時に、アジアであり日本であり九州であるという地域のアイデンティティを洗練された形で表現する」ことであり、そのために九州産の山桜材や八代特産の藺草を使用したというのです。
当然のことなのでしょうが、いちいちのデザインにちゃんと理由がある。次々に紹介される車両デザインの理由を知るのが楽しくて、ページをめくっていきます。
デザインをするということはどういうことなのか、豊かさとは何か、ひとつの仕事を完成させるということはどういうことなのか、彼の考え方に触れられたのもありがたいことでした。これはデザインを離れても、私たちの「仕事」の中で生かせることかも知れません。気楽に楽しい本を読みながら実にためになると思うところでありました。
そして、JR九州に大きく貢献している水戸岡鋭治という人、実は子どもの頃にはまるっきり勉強ができなかった(と本人が記している)。絵ばかり描いていたそうです。ドーン研究所のドーンとは子どもの頃、鈍いので鈍治(どんじ)と呼ばれていたところから取ったとのこと。その「鈍」だった彼がこうして立派な仕事をしていると思うと、また勇気をもらえる気がします。ぼくも頑張れるんじゃないかと思いますよね。
本当に楽しい、ワクワクするような一冊でした。 そうそう、和歌山電鐡の「いちご電車」「たま電車」をデザインしたのも水戸岡氏ですよ。
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