静岡県内2番目の大都市の駅前とくれば、やはりにぎやかなものです。街頭でアイドルが踊り、歌う。取り囲む見物客。楽器の町ですから、音楽にも懐が深いのかもしれません。そしてやはり楽器の町を思わせるのが、アクトタワー。かんざんじの展望台からも見えたランドマークタワー。
このビルはハーモニカに似せて作ってあるって知ってました?新幹線で通過するとき、このタワーを見て、浜松だと意識するのに、これがハーモニカだとは気づかなかった。
遠鉄百貨店。これが関西人には、近鉄百貨店の文字に見えてしまいます。「鉄百貨店」の文字が見えたら、頭の中で勝手に「近」をつけてしまう。でも、遠鉄が遠州鉄道なら、近鉄は近江鉄道かと思えば、近畿日本鉄道だというのも面白いところです。
少し時間があったので、遠州鉄道に乗ってみることにしました。JR浜松駅からいえば、遠鉄百貨店の向こうに新浜松駅はあります。線路も高架も橋上駅になっています。どのみち行きたい先があるわけではありません。初乗りは140円。その金額で一番先にあるのは曳馬(ひくま)。そこまで行って帰ってこようと、ホームに上がりました。赤い色の角ばった車両が停まっています。ゆるゆると出発。2両編成は、昼間でもそこそこの客を載せて出発。ゆっくりのんびりと走る印象です。時刻表を見ると1日中ほぼ、12分ヘッド。1時間に5本の運転です。ん?どこかで似たようなのを見たぞ。夏に乗った江ノ電が12分ヘッドなのでした。ラッシュアワーは、4両編成にして対応。驚きは市街地はずっと高架になっているのに単線であること。また各駅に列車交換施設がある。なのに、高架に似合わないくらいゆっくり走る。ゆっくりゆえに、私のような初心者には景色が見えやすいものです。遠州病院(という名の駅)を過ぎたら、先ほど行ってきた浜松城が見えます。
八幡駅の横にはヤマハ本社や工場があります。電車から見ると、敷地内の横断歩道はゼブラではなく鍵盤の模様になっています、なるほど。
高架ですから、道路や区画もよく見えるのですが、これが整っています。空襲で焼かれたあと、整然と道路を引いたのでしょう。きっちりと区画されたイメージは、豊橋市でも感じたものです。
西側に緑がずっと続いています。線路の500mくらい離れて線路と並行して続いているように見えます。これが三方原台地というのだそうです。初めて知りました。浜松の町は天竜川の扇状地ですが、三方原台地と呼ばれる町の西部は扇状地が隆起してでき、長い間をかけて河川の流れによってけずられ、残った部分が台地になったものらしいです。これを洪積台地というそうな。東西10km、南北15km、標高は25~110mほどのサイズだと、「あすなろ学習室」という、静岡県総合教育センターの、小中学生用のページに説明されていました。
写真を振り返ってみれば、大草山から浜松駅方面の写真には、間に確かに台地のような森があるのが確認できます。自衛隊浜松基地も台地に、うなぎパイファクトリーも台地のなかにある勘定ですね。
さて、曳馬で下車しました。住宅街の中で、珍しいものもありません。車内の吊り広告やホームの広告を見ていると、遠州鉄道って、鉄道以外にいろいろな事業を展開している会社だなと思いました。
次の電車で新浜松まで戻ります。
終点に着いて下りようとしたとき、下り新幹線が出発するのが車内から見えました。それも、新幹線をやや見下ろすような位置関係。小さな地方鉄道が、あの、世界に誇る新幹線を見下ろしている。これは面白いと思ったものです。
帰り道は、三方原台地を走ってみました。自衛隊浜松基地の南側を通る。明らかに浜松市街地とは雰囲気が違う。台地と言われればそんな雰囲気がします。浜松西ICから東名道に乗って、浜名湖を跨いで帰りました。
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