ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

観音峯(2)

2019-10-22 20:02:34 | PiTaPaより遠くへ

 観音の岩屋というのがあるそうなので、観音峯に行くには少し寄り道になりそうですが右の道を行ってみました。大きな岩に穴があって、そこに観音さんが祀られています。

 穴の中に入って手を合わせました。入り口は腰を落として頭を下げてくぐらねばなりませんが、中は案外広い。説明板を読むと、なぁるほど。後村上天皇がこの岩屋で籠り、観世音を祀り、この山を観音峯とネーミングしたと記されています。そこから少し下りるとくぐってみたくなる岩のトンネル。

 この岩の断面がまったいら。くぐるな!という注意書きもなかったのでもくぐってみましたが、荷物を背負ったままでもラクに一往復できました。かつて訪れた四国の慈眼寺の穴禅定を思い出しました。

 いったん分岐点に戻って斜面を左側に回り込んで登っていきます。植林の中なのに、栗の小さな実が落ちていたりして楽しい。が、結構しんどくて、気が付くと、はっともほっともつかぬ声を出して、呼吸している自分に気づきます。この声はクマよけの鈴の代わりになるでしょうか。やがて、植林に向こうに青空が見えて、展望台が近づいてきます。植物の摘み取りはするなと、村、警察署名で書かれています。摘み取りをしたくなるような植物があるということの裏返しでもあるのでしょう、確かに、色の鮮やかな植物が目には入りますが、しかし、知識のない者には、値打ちもそもそも名前すらもわかりません。これらはなんという名前なのでしょう。これはアザミの仲間でしょう、きっと。

 ススキの原っぱに出ました。ここが観音峯展望台。

 確かに見晴らしがよい。風が心地よく吹いて、汗の染みたシャツの水分と熱を飛ばしてくれます。おそらく気温は20℃ほど。種類を心得ませんが、トンボがたくさん飛んでいます。登ってきた道を振り返れば、南側に頂仙岳や八経ヶ岳、弥山。東には稲村ヶ岳や山上ヶ岳、大普賢岳。とまぁ、物知りのように記しますが、この初心者に山を見て名前を言えるほどの知識もなく、地図と相談しながら書いております。唯一、初心者でもわかるのは大日岳。このトンガリは素人でも区別がつきます。大日岳にいつか登ってみたいと、身の程知らずに思うのでした。西には、橋本市辺りの住宅が小さく見え、そのまま北に視線をずらすと香芝市あたりが見えます。当然のことながら奈良盆地は山の向こうで見えません。天川村河合方面を見下ろすと、少しだけ集落が見えます。地図で確認すると中谷あたりの景色のようです。ということは、向こうからもこの展望台が見えるはず。

 電話を確認するとdocomoはまったく使い物になりません。Softbankはかろうじて、電波を拾えるくらい。

 ここへきて、人間と初めて遭遇。おそらく出発地の駐車場にあった三重ナンバーの方に違いない。こんにちはと挨拶をした次にその方から出てきた言葉は、「気持ち悪かったですねぇ。」クマに注意の看板のことです。全然前知識もなくてやってきました、なんていうその方の腰元からは鈴の音がチリンチリン。こちらは前述のとおり「丸腰」。

 その方は観音峯の山頂から帰ってきたところだと言いました。どれくらい時間がかかるか聞いたら、あのピークの向こう側に頂上がある、私の足で30分くらいですね。と教えてくれます。   じゃ、私も行ってみますと言い、気をつけてと彼は送ってくれましたが、これが三角点まで一時間近くかかりました。自然林の中、赤いテープを目印に歩くのですが、結構斜度がある。だいぶしんどい。ここでも、日頃見ないような植物がありました。

 観音峯のピークは植林の中にあり、見晴らしもよくありません。何やら、洞川あたりからと思われる音のようなものがここまで聞こえますが、それが話声なのか、歌なのかよく区別がつきません。電話は、今度はかろうじてdocomoが電波を拾えるくらいでした。ここからさらに歩くと法力峠なのだそうですが、初心者は欲張ってはいけません。素直に来た道を戻ることにします。しかし、帰りの自然林の中が結構きつい。急な下りは膝に来ます。クマの恐怖はどこかへ飛んで行ってしまいました。

 三角点から30分ほどかかって、展望台に戻ってきました。三重ナンバーの方ももう下山されたようで、私は一人きり。弥山や八経ヶ岳には雲がかかって1時間半前とはまったく違う景色。もってきたパンを石碑の下で食べました。

 せっかく、ここまで標高を稼いだけれど、下りることにしましょう。観音平まで下りたら、私よりも先輩と思われるご夫婦一組と遭遇。第一展望台で若いお兄さんとすれ違いましたが、彼はみたらい渓谷ハイキングの延長でここまで登ってきたようです。かつての私と同じですね。「観音の水」で背の高い老人と挨拶をし、観音峯登山口休憩所近くまで戻った時、バイク乗りの青年と出会いました。彼もみたらい渓谷方面からやってきました。私が登り始めてから帰ってくるまでに出会った人はたったこれだけ。でも考えてみると、一人で行動している人は私だけではなかった。結局、クマの姿は見ませんでしたが、みんなクマは怖くないのかな。

 観音峯の展望台から登山口までは約60分。でも、下りは膝に来ます。やはり、右膝に違和感を覚えました。生駒山から信貴山へ歩いたときの、あの膝の感じです。

 Goo地図で標高を確認すると、観音峯登山口休憩所あたりが780mくらい。観音峯展望台が1208m。観音峯山の三角点が1347mだそうです。自力で稼いだ標高差が560mくらいです。この間、「グレート・トラバース」を見ていたら、田中陽希が木曽駒ケ岳に登った時、標高差2000mだったようです。今日の私の4倍近くの標高差を彼は1日でこなす。

 翌日に、太ももに心地よい疲労が残りました。今の私には、観音峯くらいがちょうどいいみたいです。

 


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