ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

宮里そば

2010-02-18 07:59:12 | 食べもの
   名護においしいそばが食べられるお店があると聞いていました。海洋博公園の帰りに寄ってみました。
  お世辞にも"こぎれい"とか"こじゃれた"と形容する人はないと思います。古びた木造の建物。お品書きを書いて壁に貼ってある赤い縁取りの紙はやや黄色くなって、煤けているように見えます。長い間値上げをしなかったんだなと思います。テーブルには赤基調のチェック模様のクロス。駄菓子屋さんで昔見かけたようなアルミの蓋付瓶の中には箸が入っているのですが、箸の上半分に塗られた赤い塗料は剥げかけて、資源を大切に使っているんだなと思います。椅子はというとビーチやプールサイドで見かけるプラスチック100%の軽い椅子(これが緑色!)。環境へはローインパクトだと思われる営業方針。
  間違ってもデートで使ってみたいという店の雰囲気ではありません。
  ところがこの店の人気の高いこと。12時過ぎで客は一杯(土曜日でした)。周囲の自動車も一杯。観光客というより地元のお客さんがずっと多いように見えます。小さな子ども連れや家族連れがたくさん。腰の曲がった老婆もおいしそうに食べているということは、このそば屋さん、噂どおり、タダものではないなと思わせます。地元の人がやってくるということは評価は高いのでしょう。それに元気よく店内を切り盛りしているのは"昔は若かった"というべき女性たち。こういう店、私は好きです。
  三枚肉そば(500円也)を食べました。二日前に食べた那覇の"どらえもん"よりも麺は広いですが柔らかい。また、だしはあっさりと薄味です。麺もだしもふわっとしたイメージです。上品でくせがなく、関西人にも文句を言わせない味です。これはいい。なるほど、地元の人が通うわけだ。

  食べ終わって店から出ると、メンバーたちがタバコをくわえながら、
 「この建物には雨樋がないんやね」
 「沖縄の天気では、降る降らないがはっきりしているので、降るときは雨樋なんてあっても意味がないんやないですかね」
なんて言っています。確かに屋根の下には軒樋がないのです。 沖縄の建物に雨樋がないという点については司馬遼太郎が『街道をゆく6 沖縄・先島への道』(朝日文庫)の、竹富島の部分で触れています。彼は、雨樋がないことで雨の音が本土のそれとは違うと言い、こう記しています。
沖縄の家屋が樋無しで発達したのは、樋の材料にする銅板もしくは孟宗竹が島々の環境のなかになかったからであろう。
  司馬遼太郎の語る沖縄のひとつを、この"宮里そば"で確認することができました。 一同、おいしいそばに出会えた幸せを実感しながら那覇に向けてクルマを走らせます。

宮里そば
名護市宮里1-27-2
0980-54-1444


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