ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

テヤ敬語について1

2007-09-20 06:14:40 | 読んだ本
  枝雀さんの落語を文字化した本です。
  今日の話題は「青菜」という落語の敬語の使い方についてです。「青菜」は江戸落語でも聞いたことがあります(テレビでですが)ので、よく知られているネタと思います。
  植木屋さんが大家(たいけ)の庭仕事に行って、そこで一杯ご馳走になり、旦さんの粋な接待に感動し、自分の長屋で旦さんのまねをしようとする話です。
   その中で、旦さんが植木屋に意志を確認する部分はテヤ敬語となっています。
  どやな…植木屋さん。あなた、柳蔭を飲んでかえ。p41
  旦さんが植木屋に、柳蔭という酒を飲みなさるかと尋ねているんです。それが「飲みはるか」でも、「飲みなさるか」でもなく、「飲んでか」になっているところに、以前から少し引っかかっていました。枝雀の弟子の桂南光も同じように言ってたと記憶します。
  他にも、「青菜」の中で旦さんは同じ敬語を3箇所使います。
  鯉の洗いを食べてか。p43
  青菜を食べてか。 p47
  え 食べてか。p47
  テヤ敬語というのは、神戸から播州あたりで使われている敬語です。関西以外の方には理解は難しいでしょうが、兵庫県は方言で語っても広いのです。上方落語の場面は大阪でしょうから、ハル敬語のエリアであり、テヤ敬語は似つかわしくないと以前から思っていたことを、今回活字で読み、思い出したのでした。

  では、ハル敬語 テヤ敬語とは何か。 この解説は、webで検索をかけるとたくさん出てきます。たとえば、「とりあえず日記でも」というタイトルのブログ。 
  また、「国語教育を素朴に語る」というブログ。こちらには、こう解説されています。
  尊敬表現が、大阪や阪神間の「来はる」「行きはる」というのに対して、播磨地域では「来てや」「行ってや」となります。大阪や阪神間の敬語を「ハル敬語」と言い、播磨地域の敬語を「テヤ敬語」と言います。  「何を言うとってやねん。そんなこと言うたら、みんながびっくりしてやろ。」というような言い方です。「テヤ敬語」とは言いますが、実際には「テ」という言葉だけで敬語意識が表現されています。「何を読みよってのん?」と言って、「て」だけで敬意を表すことができるのです。( 国語教育を素朴に語る 姫路ことばの今昔(3)  )
  大阪が舞台の落語の場面でなぜテヤ敬語が使われるのか、そして、旦さんだけがテヤ敬語を使うという設定に、落語の聞き手である私たちは何を理解すべきかという疑問です。
続く

◆上方落語  桂枝雀爆笑コレクション3  けったいなやっちゃ  桂枝雀  筑摩書房
取り上げられている演目は、
宿替え/青菜/高津の富/池田の猪買い/崇徳院/饅頭こわい/鷺とり/子ほめ/蔵丁稚/住吉駕籠/八五郎坊主/義眼

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