「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

2024大相撲>9月場所、大の里が強くなった理由(左おっつけ)と尊富士との共通点

2024-09-22 11:39:30 | スポーツ

大の里は、今場所は見事でした。14日目で2回目の優勝を決めてしまいました。
今場所の大の里を見て「あれ❓」と思ったことがあります。
先場所までは、相手に右を差されて万歳していることが時々ありました。右を差されて相手に「腕を返さ」れると自分の左腕が上に上がって使えなくなります。
今場所は、そうならず「左でおっつけ」ていました。
いつから「左でおっつけ」るようになったんだろう❓
と思って見ていたら今場所からでした。
「おっつけ」と言うのは、ごく基本的な技と言うより動作です。単に相手の差し手を上から押して使いにくくすることです。
このようなごく単純なこともせず、先場所までは勝っていたようでした。先場所、余り勝てなかったのはこの欠点をモロに突かれていたのが原因だろうと思います。
脇の甘いのを相手が利用していたのですね❓

今場所は、こうなりました。
17日の霧島戦(写真)
https://www.nikkansports.com/battle/sumo/photonews/photonews_nsInc_202409210002051-2.html

これが今場所、強くなった理由です。
師匠(元横綱・稀勢の里)は、余り教えない方針のようです。自分で気が付いてほしいと考えているからです。
多分、師匠が教えたのは「四股を踏め!」くらいだと思います。
「もっと四股を踏ませてやる!四股を踏むのが楽しくならないとダメだ!」
等と以前発言していました。

大の里が「左おっつけ」の有効性に気が付いたのは、師匠との朝稽古で師匠が勝つときに「左おっつけ」で負けたからでした。10勝7敗で、「今日は10番勝てました」とニコニコしていた時のようです。
「師匠が使って負かされるんだから、自分もやってみよう」と思ったのが、きっかけのようです。
師匠(元横綱・稀勢の里)は、それを待っていたんでしょうね。
「そうだ! そのおっつけだ!」とゲキが飛んだのだそうです。
師匠(元横綱・稀勢の里)も凄いですね❓
もう引退して大分たちますし、もう38歳です。
それでも怪物・大の里の稽古相手になれるところが凄いとおもいます。
引退した翌年に当時、三役だった朝乃山が出稽古に行って三番相撲を取ったらコロコロ負けたそうです。
引退して怪我が治ったら、さらに強くなっていたようです。
大の里は、いい師匠に入門したと思います。
大の里の稽古相手になれるような師匠は、元横綱・稀勢の里しかいないでしょう。

<それを書いた記事>
2度目V大の里に新必殺技 八角理事長も称賛の「左おっつけ」きっかけは師匠との異例の三番稽古
https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202409210002051.html

だから先場所までは、大の里は半分の力で勝っていたことになります。左からの攻めを全然していなかったのですね。今場所は、右手と左手と両方使うから断然強い・と言うことのようです。
写真を見ると「左おっつけ」が完全に身についています。
来場所は、尊富士も苦戦するかもしれません。

(2)大の里と尊富士の共通点
これは尊富士を見て気が付きました。
気が付いたら大の里も同じだな・と思いました。
普通、四つ相撲なら上手を取るのが基本です。
多分、四つ相撲に向いた力士はそう教えられると思います。
型は二人とも違います。
しかし、同じ点は上手を全く取らない相撲です。
上手を全然欲しがりません。

大の里は右をのぞかせて一気に走る相撲です。
右下手も取らないことが多いです。
右が入れば、それで攻められます。
体格が大きく体力に恵まれていますから、それだけでいいみたいです。だから左上手を取る必要がありません。取ったら、かえって相撲が遅くなりマイナスだと思います。
ここに今場所は、「左おっつけ」が加わったので更に強くなりました。

一方、尊富士は既に完成された自分の型を持っています。「左下手・右ハズ」
この型が完成しているのが尊富士の強さの秘密です。
だから尊富士も右上手は取りません。
右は、「ハズ」です。
琴桜に勝った相撲が、その典型的な取り口です。
左下手を取り右ハズから寄り立てて、最後に右下手をこじ入れて寄り切りました。右下手を最後に取るのが芸の細かいところです。早くもろ差しになると体の大きな琴桜に抱え込まれてしまします。だから土俵際まで寄るときは「右ハズ」にしていました。

これが尊富士の一番、いい相撲です。
自分の型になれば、まず負けないでしょうね。

尊富士と大の里の取り組みに今後、期待が持てるのは「喧嘩四つ」だからです。
左下手を取りたい尊富士と右を差したい大の里の左手と右手の戦いです。
右を差せれば大の里有利
右を差させなければ尊富士有利
これがはっきりしていますから、この攻防が楽しみです。
今の幕内力士で大の里と互角に戦えるのは、尊富士くらいだと思います。
他は健康体で出てきた照ノ富士でしょうね❓
大関・元大関の琴桜、豊昇龍、霧島は今場所はっきり力関係が逆転して大の里が上になったと思います。
琴桜、豊昇龍、霧島は大の里の2倍稽古するつもりで稽古に励まないと大の里との差は、更に開くと思います。

尊富士と大の里は、そう言えば「二人とも全然上手を取らないな❓」と気が付いて面白いな・と思いました。
上手を取ると強さを発揮する力士もいるし、上手を全然取らないで強さを発揮する力士もいることを、改めて教えられたような気がします。

尊富士を見て最初にイメージしたのは元横綱の輪島です。
「黄金の左」の異名の通り上手を必要としない力士でした。尊富士は左下手から勝つところがよく似ていると思います。

大の里も郷土の大先輩横綱ですから、似たようなイメージを持っているのかもしれません。

【こんな人】大の里「黄金の右」呼ばれる日も近い?同郷石川県の英雄輪島の取組たくさん見ていた
https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202409200001284.html


※関連記事目次
「欧州サッカー&大相撲&ボクシング」の記事目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e1c3411cc4e400cbb1f90e45064e8d35



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。