(1)日本人はどこから来たのか❓
(2)日本語の祖語(そご)とは❓
(1)日本人はどこから来たのか❓
人類の祖先はアフリカで誕生しアフリカを出て西アジアから3方向に広がっていったというのが通説です。
約5万年前
①ヒマラヤ山脈の南を抜けて東南アジアからオーストラリア大陸 オーストラロイド
②ヒマラヤ山脈の北を回ってシベリアへ モンゴロイド
③ユーラシア大陸西部 コーカソイド
2021/12/14
そしていつ日本列島に人類が到達したかについてはまだ通説と言える見解は確定していないと思います。
2016年に提唱された仮説
『3万8000年前、日本人の祖先は意外な方法で日本にやってきた』
従来の定説を覆す新理論が解き明かした真実
2016.2.10 5:02
https://diamond.jp/articles/-/85973
要約
国立科学博物館の人類史研究グループ長、海部陽介氏
海部氏の著書『日本人はどこから来たのか?』
日本の遺跡は改めて吟味すれば、世界に例を見ないほど充実しています。
初期のホモ・サピエンスが活動していた旧石器時代の遺跡は1万ヵ所以上ある
そして、そのほとんどが、3万8000年前以降に爆発的に現われているのです。
これは、我々の祖先が3万8000年前(本州)に到来したとしか考えられません
沖縄列島には3万年前に祖先が現われた
これが、最初に日本列島にやってきた人々です。
3万8000年前には日本は大陸とは陸続きではなく、船で海を渡ってきた・と言う仮説です。
だから最初は陸路ではなく海路で段々居住地が広がっていったのであろうとしています。その根拠が石器に使われていた黒曜石で結構、遠い海に近いところから採取して使っていたようです。これは海路でないと無理だからです。
江戸時代の運輸も海路が中心です。大体、同じ理屈だと思います。
これが古代の日本人の原型です。
その後、どうなったのか❓
『日本人の「完成」は古墳時代だった? DNAを分析、ルーツに新説』
石倉徹也2021年9月18日 3時00分
https://www.asahi.com/articles/ASP9K55ZJP9JULBJ00Z.html
航海術の発達により大陸や朝鮮半島から多くの人々が渡来したようです。
記事の要約
土着の縄文人 大陸から渡来した弥生人
大陸からの渡来人の大規模な移住は、約3千年前の弥生時代
それ以降も漢民族などの集団が次々に渡来し
さらに大陸からの渡来が進んだ古墳時代になって古墳人が渡来
弥生人は、中国東北部の遼河流域など北東アジアで多く見られる遺伝的な特徴を持ち、縄文人と
混血していることも確認できた。
一方、古墳人は、弥生人が持っていない東アジア人に多く見られる特徴を持っていた。
「日本人が縄文、弥生、古墳の三つの祖先集団からなることを示す初めての証拠だ。今後、ほかの古墳人や弥生人のゲノムを広く調べることで、日本人の起源の謎に迫っていきたい」
遺伝子解析技術の進歩が、これまで曖昧だった事を解明しつつあるようです。
要は、移民に次ぐ移民が古代に渡来した古代日本人と混血して出来上がったのが、日本人のようです。
だから日本人を見ると東アジアの各地の人と似た人がいます。蒙古人・朝鮮人・中国人。どっちかと言うとご先祖に似ている人は結構います。東南アジア系もいますし、太平洋系も見ます。
北東アジア+東南アジア+少数の太平洋民族の混合体が日本人を形成しているように見えます。
それらの諸民族が混血を繰り返し、共通の文化や言語を生み出して、現在の日本人が形成されたのであろうと思います。
これで、やっと(1)が終わり・・・
(2)日本語の祖語(そご)とは❓
これが、また良く分かっていません。
日本人の一番最初の祖先は、最新の仮説で考えると38000年前から急激に増え始めた多分大陸方面の海洋民族だと思います。
だからこの「海洋民族の話していた言語が、日本語の祖語である」・と言う仮説も成り立ちます。
38000年前からだと、どの語族に属していたのかは調べようがありません。
その古代日本語に次々と渡来した人々の言語が混じって、現在の日本語の原型が出来上がったのであろうと思います。だから、祖語が分からなくなっているのだろうと思います。
では、その複数ある言語のうちどの言語が多く残っているのか❓
これについては、沢山の仮説があります。
2020年にマーティン・ロベーツが提唱した仮説。
2020年ですよ❓
「いかに分からないか❓」が分かると思います。
それによると・・・
「トランスユーラシア語族」
(チュルク語族、モンゴル語族、ツングース語族、日本語族、朝鮮語族から成る語族)
※日本語族と朝鮮語族が姉妹群を成す
これが最新の仮説です。
もう少し各論的な仮説は・・・・
高句麗語同系説
百済語同系説
などが、あります。
百済語同系説
『古くは儒学者の新井白石 (1717)により提唱され
2000年代になって数学者の金容雲らにより提唱されている』
これが有力な仮説のように思います。
今は日本語と朝鮮語はかなり違いますが、高句麗や百済の時代には全部ではないにせよ結構、会話が出来ていた可能性があります。
高句麗
https://hugkum.sho.jp/226515
『高句麗は、紀元前37年に、中国の東北地方(旧満州)で興った国です。「ツングース系扶余(ふよ)族」出身の「朱蒙(しゅもう、東明王ともいう)」という人物によって建国されたといわれています。』
※日本は百済と同盟を結ぶ
『百済が滅ぼされたときも、日本は百済の生存者を支援して、唐と争うことを決めます。日本は661年から3回にわたって出兵しますが、「白村江(はくすきのえ)の戦い」で唐軍に敗れ、百済の再興もかないませんでした。』
当時の日本は、元々の渡来人に加えて朝鮮半島から避難してきた多くの渡来人も居住していたと思われます。朝鮮半島諸国との関係は、今では考えられないほど親密であったことが分かります。ほぼ姉妹国家と言えるのではないか・と思います。
古代日本人が海洋民族であったから、こんな古い時代に渡海作戦が可能だったのであろうと思います。
そして日本語の祖語の一つであろう言語も出てきます。
「ツングース系扶余(ふよ)族」です。
この部族の言語が、朝鮮半島と日本列島の共通語として話されていたと仮定すると❓
「高句麗語同系説」や「百済語同系説」はかなり根拠が強くなります。
「この時代に共通語として使われていた言語が、朝鮮半島では朝鮮語に変化していき日本では日本語に変化してきた」・と考えると仮説の筋道は、通ります。
昔のことを考えるのは、楽しい謎解きです。
科学技術の進歩が、これまで分からなかった事を沢山解き明かしてくれるのであろうと期待しています。