ワグネルのオーナーは、事実上の勝利宣言を出しましたが、ウクライナ軍は今のところ撤退する気配は、ありません。
また、メデイアの記事を読んでも現地の実情が分かりません。
地図上で視覚的に情報を伝えてくれないと分かりません。
それがないのかと言うと、あります。おそらくイギリス軍かアメリカ軍が、メデイアへのブリーフ用に作成したものがあるはずです。今のところ、それを掲載したのは、Newsweekだけです。
記事URL
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/02/post-100948.php
現地略図
https://img-newsweekjapan.jp/stories/2023/02/24/230228p30_MAP_01-350.jpg
2月11日現在の状況です。
もう3週間経過しますから、変化はあると思います。
これを、実際の地図と比較します。
バフムート(アルチェモフスク=ロシア読み)は、市街地を大きな幹線道路が2本通っています。
ルートT01504 が主に東西方向です。
ルートT0513 が主に南北方向です。
その交差点から見て、北西方向をウクライナ軍が支配し
それ以外の3方向は、ロシア軍が占領しています。
面積的には、3分の1をウクライナ軍が防御し、3分の2をロシア軍が占領しています。
実際には、2月11日の段階でこのようになっています。
ロシア軍は、主に北と南から残りの部分を包囲しようとしています。
実際に略図と地図を比較すると、これが2月11日の段階の双方の勢力図です。
かなり際どいけれど、ルート00506 と言う道路は、まだウクライナ軍が確保していると思います。しかしロシア砲兵部隊の射程に入っていると思いますので、危険ではあります。
略図を見る限りでは、西方向にはロシア軍は進出できていません。南と東方向ではウクライナ軍の抵抗が激しいようです。そのためロシア軍は、主に北方向からウクライナ軍の防御するエリアに圧力をかけているのではないかと思われます。
もう2月の初めの段階で民間人の立ち入りは禁止されていますので危険な状況であることには、間違いありません。
いつまでウクライナ軍が、ここを防御するのかは不明です。撤退する可能性もあるとは、言っていますが今の段階では、まだ撤退していません。
ワグネルの兵士が壊れたビルの屋上で旗を振ったり・
ワグネルのオーナーが・・
ワグネル創設者、バフムートを「実質的に包囲」
2023年3月3日 20:33 発信地:モスクワ/ロシア [ ロシア ウクライナ ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3453987?cx_part=top_category&cx_position=5
いかにも「勝ったぞ!」と言わんばかりの写真を投稿しているのは、既に2月の早い段階で市街地のおよそ3分の2を占領しているからです。
その後、どの程度ロシア軍が進出できたのかは、不明です。ウクライナ軍の方は、2月の末に陸軍(最高)司令官が現地入りしていますから、現状は把握しているでしょう。
どこまで防御し、どの段階で撤退するかは、正確に判断できると思います。
また、市街地はこのような状況ですが、南・北・西には郊外のウクライナ軍の陣地も残っています。
ロシア軍、引き続き東部バフムートの包囲を試みる ウクライナ軍
2023.03.04 Sat posted at 10:35 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35200843.html
ロシア軍がに肉迫していると思われる市街の北の近郊にもウクライナ軍の軍事拠点が残って、抵抗しています。
ワグネルのオーナーの発言は、ロシア国内向けのアピールでしょう。「バフムートを制圧したのは、ワグネルだ!」
しかし、現実にはかなり以前より肉迫し市街地の約3分の2はロシア軍が制圧しているのは、事実ですが。
まだ、占領できていない市街地は3分の1あり、東側を除く3方面には依然として近郊にウクライナ軍の抵抗拠点が残っており防衛戦を継続しているのが、現状のようです。
防衛を継続する可能性もありますし、撤退を決断する可能性もあります。ロシア軍は、かなり激しい攻撃を加えていると思いますが、それをいつまでも継続できるとは思えません。その関係もあり、ウクライナ軍としては防衛戦を継続しつつ、ロシア軍の様子を観察しているのではないかと思います。
やれそうなら続ける・無理そうなら・止める。
今、この判断をしているところだと思います。
ウクライナ軍にとっての最大のメリットは、ロシアの軍事組織の中で最強のワグネルを、ここに引き寄せておけることです。ロシア軍の部隊もかなりいると思います。その分だけ、他の前線にかかる圧力を軽減します。
ロシア軍は磁石に引き寄せられる鉄のように、バフムートに引き寄せられ、甚大な損害を出し続けています。もう半年以上、それを繰り返しています。
ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/