戦争と破壊と殺戮の世紀であると言えます。
2001年9月11日に起きた米国同時多発テロ事件を皮切りに次々と戦争が起きて、今はウクライナ紛争が継続中で、更にハマス事件が起きました。その他内戦や国境紛争もあります。戦争だらけの有様です。
米国同時多発テロ事件のアメリカの反応が、アフガンのアルカイダ攻撃でした。アルカイダを攻撃する以上アフガンも攻めざるを得ませんのでアフガン戦争が始まりました。
これは開戦については、アメリカへの大規模テロ攻撃と言う大義名分があります。ただ物事には限度があり、仮に懲罰的戦争であるにせよ戦争を20年も継続して傀儡政権を作ってアフガン支配を目論んだのは、正当性に欠けます。結論、アメリカとNATOはアフガンから撤退しました。
次がイラク戦争です。戦争の名目は何もありませんでした。単にアメリカがイラクの独裁者のフセインが気に食わなかったから戦争を仕掛けただけです。軍事力が全く違うわけですから、一方的な破壊と殺戮の末にアメリカとNATOが勝利しました。
それでも飽き足りず次は、リビアの独裁者のカダフィを攻撃します。この時は「人道」を名目にしたNATOの軍事介入でした。結果、リビアは内戦状態に陥ります。最近になりやっと、東部リビアと西部リビアで勢力の棲み分けが出来てきました。もうリビアに統一国家が生まれることはないと思います。
その次が、やはり「人道」を名目にしたシリア軍事介入です。自由とか民主主義とか聞こえましたが、要は地方部族の勢力争いに事情も知らずに加担しただけです。訳の分からないうちにISが大勢力を作り上げてしまい?
「テロとの戦い」
になって、そこにロシアやイランが参加していまではぐちゃぐちゃになって収取不能です。
アメリカとNATOは、ほぼ正当な理由も根拠もなくこれだけの戦争や軍事力を用いた内政干渉をやったのでした。
これが正しいと言える人は、相当頭がおかしいと思います。つまりアメリカとNATOは、悪事を働きました。合理にも正当性にも妥当性にも欠ける軍事行使は、侵略とも言え分類のしにくい新型の悪事です。
これで問題がなければ軍事力の強い国は、弱い国に何をやってもいいことになります。国際法の原則は、それをやってはいけないことになっています。つまり本来、国際法を積極的に率先して守るべき先進国が、率先して掟破りをしました。
国際関係は、法も秩序も失われた状態になります。だから国際法を守り、掟破りをしてはならないのです。
この段階で無法なグロテスクな混沌とした国際関係が生まれました。こうした状況の中でイスラエルも掟破りを繰り返してきたのです。それを咎められるものは、誰もいませんでした。全員、掟破りをしているからです。結果としてこの状況がハマスの今回の暴発を誘発してしまったと言えます。ハマスの件は、今回パス。
ウクライナ紛争を上記の戦争や軍事介入を踏まえてみてみると?
アメリカとNATOがさんざんやった掟破りをロシアがやっているだけにすぎません。
ウクライナは、それに巻き込まれて気の毒です。
しかし同じように戦争に巻き込まれた、アフガン・イラン・リビア・シリア・みな同じく気の毒です。「アフガン・イラン・リビア・シリア」に対する同情の声は聞こえてきませんし、支援などほとんどないですね?
一番被害にあったのは、アフガンです。旧ソ連に攻め込まれ次はアメリカとNATOに攻め込まれ内戦の時代まで入れると40年以上戦乱が続きました。アフガンには、何の非もないと言えます。
そうであるのにアフガンから追放されたアメリカとNATOは、タリバンを国家として認めず国際社会から隔離しています。援助などないですね?40年以上、外国の責任で戦争の舞台になったアフガンに対して、余りに冷たすぎる仕打ちでないですか?多少、むちゃな政治をしようと助けてあげなくては、ならないでしょう?国土も産業も人の心も荒れ果て切っている国に、世間並みの政治を求めても仕方がありません。とりあえずは、アフガン国民が食べていくぐらいの援助は必要だと思います。
シリアなど、どうします?
もう、元に戻しようがないですよ?
見事なダブル・スタンダードです。
こうして見てみると?
ロシアのやっている悪事など、ごく些細なものであることが分かります。
一番大きな悪事を複数回犯したのは、アメリカとNATOです。それに懲罰を与えることのできる国がないから、やりたい放題でしょう?
ロシアは、ちょい悪だけど?
中国など、悪事を犯していないのですから!
凄く、立派な国でしょう!
どうしてくれます!この矛盾!
ウクライナは?
悪党の隣に位置する国は、普通は悪党を警戒するものです。無警戒で油断していたから戦争を仕掛けられたのです。ウクライナ位のサイズの国であれば、悪党を警戒して軍事力を高め武器を準備して備えていれば、悪党もそう簡単に手出しは出来ないはずです。
これも相当矛盾していますが、戦争の世紀の21世紀に生きていく以上は、悪党な対する警戒と備えは不可欠です。しかも!悪党は、東西南北どっちを向いてもいます!