「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

G7とG20と国連総会と安保理<2023年10月

2023-10-18 18:23:31 | 国際情勢

この違いは、日本のマスコミを通して世界の出来事を知る人には違いが分かりにくいかもしれません。

G7のメンバーは先進国7か国です。
ほぼアメリカとヨーロッパの主要国です。
G7の場合は、アメリカとヨーロッパの主要国の意見であることが多いです。NATOとも言えます。

G20参加国
アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、イギリス、アメリカの19ヶ国と欧州連合(EU)

一覧を見てみると?
NATOとNATO側と言えるのは、10か国になります。非NATO国が10か国参加しています。ここで票数はNATO10対非NATO10で半々に分かれます。非NATO国が合意しないと共同声明は出せません。つまり意見がまとまらないと言うことです。

国連総会になると更に非NATO国と非ヨーロッパ国の数が増えます。合意は更に形成しにくくなります。

日本のマスコミは、G7の共同声明を大きく報道することが大いのではないでしょうか?
実際にはNATO主要国の共同声明にしかすぎません。国際的な合意とは、全く別物です。

一応、数が半々で国際的な合意に近いのがG20の共同声明です。

更に厳密にいうなら国連総会の決議事項は、概ね国際的な合意事項と言えると思います。
国連決議には、拘束力はありません。
しかし?
安保理は、また違います。
「全加盟国はその決定を受け入れ実施することに同意しています。」
安保理は、どのように構成されるか?
「5か国の常任理事国(中国、フランス、ロシア、英国、米国)と、各地域に配分され、選挙により選出される10か国の非常任理事国から構成されています。」

つまり拘束力が発生するという意味で国連安保理の決定が従わなければならない決定と言えます。この決定を無視すれば、国際法違反の状態になります。当然、普通は何らかの制裁の対象になります。

こうして見てくると国際的合意と言えるものは・・・
G20の共同声明
国連総会の決議
国連安保理の決定
などが考えられます。
つまりG7の共同声明には、あまり意味がないと言うことです。単にNATO主要国の意見であるに過ぎません。

このような点を踏まえて国際的な出来事や事件を見るとかなりマスコミの報道とは、違う側面が見えてくると思います。国際的な問題を理解するには、国際的な合意を知らなければ偏った見方を押し付けられている場合もあります。

例を見てみると・・・
ウクライナ紛争
G7 ロシア名指しで批判

G20
パリサミット 「ロシアによるウクライナへの侵略」
(一方で、その評価についてメンバーから反対意見があったことも記された)

インドサミット 
『地球、人々、平和及び繁栄のために
7. 我々は、世界中の戦争及び紛争による甚大な人的被害及び悪影響を深い懸念と共に留意する。
8. ウクライナにおける戦争に関し、バリでの議論を想起しつつ、我々は、各国の立場や国連安保理及び国連総会で採択された決議(ES-11/1及びES-11/6)を再確認し、全ての国が国連憲章の目的及び原則に全体として整合的な方法で行動しなければならないことを再確認する。国連憲章に沿って、全ての国は、いかなる国の領土一体性及び主権又は政治的独立に対しても、領土取得を追求するための武力による威嚇又は武力の行使は慎まなければならない。核兵器の使用又はその威嚇は許されない。』

G20共同宣言 インドはどのようにまとめ、各国はどのように合意したのか
2023年9月11日
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66771576

インドサミットの共同宣言は、全員一致で採択され付帯記載はありません。かなり暗にロシアを指している部分もあります。しかしロシアの名前は、消えました。つまり国際的な合意を形成するのは、これほど大変だと言うことです。

そして合意内容も時間とともに変化しました。やはり20か国それぞれの立場の国が集まって話し合って出た結論はかなり国際合意に近いと思います。

国連安保理には、常任5大国の拒否権がありますから中々決定を出せないケースも多いです。それを考えると国際的な合意に一番近いのがG20の共同声明だと思います。

どうやってもマスコミを通じて知る内容は、双方のプロパガンダの部分が入ってきます。その部分を除くか少なくしないとG20の共同声明は合意できません。

このような視点から国際情勢を考えてみては如何でしょう?

※インドサミットの共同声明では、ウクライナがブチ切れていました。自分の思うとおりにならないからと言ってブチ切れても支持は得られないと思います。ウクライナは、国際的な合意の意味を知るべきだと思います。

国際的な会合は、様々な問題を話し合う場でありウクライナ紛争だけを話し合う場ではありません。ウクライナ紛争に関してもG20の参加国には意見の相違があります。それを批判したところで声明が変化する訳でもありません。

ウクライナのブチ切れに参加国のメンバーには「身勝手だ!」と感じた国もあると思います。



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