孤立した湖や池に魚はどうやって移動する? ようやくプロセスが明らかに
2020年7月2日(木)16時50分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/07/post-93845.php
「ハンガリー・ドナウ研究所(DRI)生態学研究センター(CER)の研究チームが、研究結果を2020年6月22日に「米国科学アカデミー紀要(米国科学アカデミー紀要)」で発表した。」
『外来種として広く知られるコイとギベリオブナの卵をマガモに与える実験を行い、「マガモに与えた魚卵のうち0.2%が消化器内で生き残り、糞として排泄され、さらにその一部は孵化した」』
植物の種子が鳥に食べられて遠くに運ばれて糞として排泄されて他の場所に移動するのと同じことが、魚の卵でも起こっているようなのです。
実験では、マガモと相性の良いコイとギベリオブナの卵をマガモに与えました。マガモの消化器内で生き残った卵の割合は0.2%と低いものの、ごくわずかな生長可能な状態で排出される卵が、どうやら移動の理由であるようです。
この種類の魚の卵は、数が膨大なうえに年に数回産卵します。それがマガモだけでなく水鳥の大好物なのです。
生き残る卵の割合は、ごくわずかですがその数が膨大に多いため、魚の卵が移動するには十分なようです。
自然界におけるカモの種類と数の多さが、カモの『動物被食散布』が淡水生態系の生物多様性の保全や外来種の移入に影響を与えている可能性を示唆しています。
流入する河川がなければ、その孤立した池や湖に魚を運ぶには、「空輸」しかありません。どうやら、カモの仲間たちが魚の航空母艦の役割を果たしているのではないか?と言う話でした。
言われてみれば、その通りなのですが?実際にそれを実験で確認しないと推論の域を出ません。こうして色々なことに研究や実験が行われ、一つづ解明されていくのですね・