(1)ウクライナと言うべきかゼレンスキーと言うべきか、ドイツとの約束をクルスク侵攻作戦でアッサリ踏みにじったウクライナの「二枚舌ぶり」には、驚きます。
『ゼレンスキー氏、ウクライナは「ロシア領土を攻撃しない」 独首相と会談』
2023年5月15日
https://www.bbc.com/japanese/65593481
これが去年の5月の話です。
ドイツはヨーロッパで最大のウクライナ支援国です。
上手いことお人よしのドイツのシュルツに取り入り、この頃支援金の倍額引き上げに成功しています。
結構、武器支援も増やしてもらいました。
こうやって武器と金を引き出しておいて、今年のクルスク侵攻作戦では、しっかりドイツ政府から供与された「マルダー歩兵戦闘車」を有効活用していました。
ノルドストリーム爆破事件に激怒して、「ポーランドとウクライナに損害賠償請求しろ!」と主張する強硬派もいます。
そのせいかは知りませんが、今回の予算でドイツ政府は倍額ボーナス分を支援金から削除しました。去年はゼレンスキーは舌先三寸で倍額をせしめていました。
今回の越境攻撃での「マルダー歩兵戦闘車」の投入は、その後の話です。
今後、ドイツ国内でウクライナ支援に関して大議論が起きるのは必然と言えます。
そいて極右系は、ウクライナ支援に反対しています。
シュルツ政権も今後は、ウクライナ支援に関しては「何でもいいよ!」的なことは無理になるでしょう。
大体、ドイツでウクライナ絶対支持と支援を強硬に主張しているのは「緑の党」のグループです。
この政党は極左に近い左派環境保護と平和の政党です。
それがアッサリと軍備拡張・ウクライナ支援を主張し始めたのですからドイツは恐ろしい国です。
ドイツ人の特徴にある時、突然パニック的にそれまでとは正反対の方向に走り始める民族的特性があるのだそうです。
だから❓
戦争反対=平和主義⇒戦争支持=軍備拡張
このように一瞬で、政策が大転換してしまします。
『日本も似たような部分がありますから、よく考えるべきでしょうね❓』
ウクライナが、どのような国か分かると思います。
これは西ウクライナの過激民族主義者が持つ特徴です。
20世紀の初めごろの思想をそのまま変わらず持ち続けています。
「目的のためなら手段は正当化される!」
だから自分たちの目標を達成するためなら何でもやります。非合法活動(テロ・暗殺。謀略)や騙しや誤魔化しなどごく普通です。
だから第2次大戦では、ナチス・ドイツと協力してソ連と戦いました。
ユダヤ人の虐殺にも積極的に協力しています。
それだけでなくポランド人の虐殺は、自分たちの手で行いました。
そしてそのような事を指導したテロリストの親玉のような人間を英雄視しています。2014年クーデター以前は、否定されていました。過激民族主義者が政権を簒奪した後、復権させました。
だから今のキエフ政府は、非常に危険な政府です。
これをNATOは代理戦争にこき使っています。
要は、ロシアと戦う勢力なら何でもいいわけです。
腐りきった独裁政権を傀儡として利用するのは、アメリカの常とう手段です。
『よく考えた方が、いいと思います‥』
(2)ドイツでの極右勢力の急速な台頭
これは、社会矛盾が大きくなったことが大きな原因です。
それまでのドイツの歴代政権が進めてきた政策が破綻したと言えます。
ごく大雑把に言うと・・・
地方分権
民主主義
平和主義
環境保護(原発廃止)
移民受け入れ
などです。
矛盾が蓄積した結果・・・
ウクライナでの戦争
エネルギー価格高騰
インフレといった複数の危機
+最近のドイツ経済の落ち込み(不況に近い)
当然、特に所得の低い(差別されている感がある)旧東ドイツ地区の国民は不満が大きいです。
その結果、これまでの既成政党の政策を否定する極右政党の「ドイツのための選択肢」が台頭してきて今では、躍進と言えるほど支持を増やしています。
これは、去年からはっきり傾向が出てきました。
2024ドイツ欧州議会選挙
https://www.jiia.or.jp/strategic_comment/2024-05.html
ドイツ地方選、ショルツ連立政権に打撃 移民排斥の極右政党に勢い
2023年10月9日
https://www.bbc.com/japanese/67050649
選挙のたびに議席を増やしています。
<主な主張>
移民や難民に対して排他的な主張
一部の政治家からはナチスを肯定するような発言
そこに持ってきてIS系のテロ事件が起きました。
BBC
ドイツ西部のフェスティバルで刃物襲撃、3人死亡 容疑者にISメンバーの疑い
2024年8月24日
https://www.bbc.com/japanese/articles/c3vxzv73dlxo
ドイツ経済は、こんな状況です。
ロイター
ドイツ経済成長率、24年予想を0.2%に下方修正=経済諮問委
By ロイター編集
2024年5月16日午前 12:25 GMT+94ヶ月前更新
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/3IF5KBYITRLY3LP5FG4HPTWJLA-2024-05-15/
ドイツ倒産件数が前年同期比で41%増加...予想大幅に上回る=独紙
2024年7月10日(水)15時15分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/07/41-19.php
これは、表面的なことで実際深刻なことになっています。
川口マーン惠美
『国外逃避が止まらない…!「電気代が異常に高い」ドイツがいま陥っている「産業の空洞化」と「雇用の喪失」』
2024.08.23
https://gendai.media/articles/-/136003
つまりドイツの経済的な落ち込みは、構造的なもので時間がたてば回復するものではありません。
むしろ時間が経過するほど落ち込んでいく性質のものです。
昔の日本経済が落ち込んでいった過程と同じです。
このような社会的な背景から極右勢力が台頭して、今後選挙があるたびに議席数を伸ばしていくと予測されています。
これは以前から見られた傾向ですが、ウクライナ紛争がもたらした不況に近い経済の落ち込みが、これに拍車をかけている言えます。
だから、このようなあり得ない事件も起こりました。
BBC
ドイツ、クーデター計画容疑で25人逮捕 議事堂襲撃を画策と
2022年12月7日更新 2022年12月8日
https://www.bbc.com/japanese/63884601
2022年ドイツクーデター未遂事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/2022%E5%B9%B4%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%BF%E3%83%BC%E6%9C%AA%E9%81%82%E4%BA%8B%E4%BB%B6
どちらかと言うと平和主義の強かったドイツでさえ、こんな調子です。
「世界の民主主義を守るための戦いです!」
非常に耳に心地よく聞こえます。
実際には欧米の民主主義を破壊しつつあるのが、ウクライナ紛争です。
特に今のヨーロッパの政治家EU首脳のウクライナへの入れ込みぶりは、異常と言うより気違いじみているでしょう❓
内部の矛盾を隠すために外部に戦争を求める、典型的な政治手法です。
内部の矛盾を放置して、こんな小手先のごまかしを続けるなら、やがては内部の矛盾が爆発します。
そうなればヨーロッパ規模の紛争です。
私がヨーロッパ紛争を言うのは、誇張でも冗談でもありません。
現実に危機が目の前にあるからです。
そこら辺にいる全員が暴走すれば、全員で戦争を始めるでしょう❓
「みんなで虐めればロシアなんか怖くない!」
これがヨーロッパの政治家やEU首脳の言っていることです。
現在すでに「虐めること」が出来ていません。
もう少しやれば、今度はロシアが本気でブチ切れると思います。
今、その瀬戸際です。
※まだロシアは平時の体制です。戦争が激化すれば戦時体制に移行するでしょう。
そしてロシア国内の強硬派の意見が通ると思います。プーチンさんはロシアでは穏健派です。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27