隣の部屋の担当に、先月から二人、今月から一人、新しい職員が入った。
新しいといっても、40代50代70代の三人だから年齢的には新しくないけど。
今日は隣の部屋の利用者が少なく、途中からは一人の子しか居なかった。職員はその新しいオバチャン達三人が居た。
一人につき三人も居てのんびりしている様子が見受けられた。
その頃私の担当部屋は相変わらず忙しかった。
特に今日はみんなが18:00に帰った後、私は一人で18:30まで掃除の仕事をすることになっていた。
しかし18:00になっても隣の三人はなかなか帰らなかった。
利用者も帰ったのに帰らずどうでもいいおしゃべりをしている。
早く帰れよ。じゃないと掃除の邪魔。
退勤の認証もせず、なんかペチャクチャしゃべっているオバチャン達。
退勤の認証をしないということは、その分給与に加算される。
ただペチャクチャしゃべって残ってるだけなのに、まるで残業で残ったことになる。
なんかズルいぞコイツら。
と、軽く腹立たしい気分になりながら、掃除機をかけた。
その三人の近くもガーガーかけたら、やっと退勤を押して帰って行った。
やっと帰ってくれたから、急いで思いっきり掃除機をかけ、床を拭き、あちこちを消毒し、トイレの掃除をした。
なにしろ今日は一人で30分以内に掃除をしなければならない日だったので、大急ぎでやった。
よし!終了!
18:30ジャストに退勤の認証を押した。
すると、事務所に電話が来た。
取ると、さっき帰って行った三人のうちの一人だった。
「すみません、浴室の窓を開けっぱなしにして来たんで閉めてもらっていいですか?」
と来た。
「わかりました」。
ていうか「閉めてもらっていいですか?」は言葉的におかしい。防犯上、閉めるのは当たり前のこと。「閉めてください」とか「閉めていただきたいです」だろう。
第一帰りにアナタ達が閉めて行けよ。ヒマそうにペチャクチャしゃべってたくせに。
浴室の掃除と洗濯は隣の部屋の人達の担当だ。
おそらく浴室の掃除をした時に窓を開けてそのままにしておいたのだろう。
浴室に行くと窓ががらんと開いていた。
窓を閉めて鍵を閉めて確認した。
よし、帰ろう。
そうして浴室を出た時、ふと洗濯機に目をやった。
ん?なんか気になる…
そして、開けてはいけないような気になりながら洗濯機の蓋を開けた。
ガーン!
洗濯をした後の洗濯物がタップリ入っているではないか!
見なかったことにして、このまま蓋を閉めようかと思った。
しかし、やはり見てしまったからには干さないで帰るわけにはいかない。
あんのやろう達、洗濯物を干さないで帰りやがって!
洗濯はあの人達の仕事だ。
なんで私が干さなきゃならないのよ。
しかも退勤のボタンを押しちゃったから、ただのサービス残業。
腹立つわぁ!
というわけで一人で余計なサービス残業をして来た私。
悔しいが、知らんぷりできなくて真面目に干してきたわ!
エラいぞ私。