妖怪大魔王・コバ法王日記

オートバイを分解して磨き、正確に組み立て独自理論でラインを探り、ストップウォッチと頭脳で感性を磨き、日々の想い語ります

リアスプリング、フローティング化 (その6)

2018-11-23 01:02:38 | 妖怪ガレージ、奮戦記

『 車体へ装着完了! 』

スプリング リテーナー部に スラストベアリングを入れてフローティング化を行ない、お気に入りの アメリカ製スプリングへと換装したユニットの車体への装着が完了。


サスペンションのリンク部全てにスラストベアリングセットを組み込み、リンク部でのフリクション低減を守る為に、スラストベアリング装着部には 自製のダストカバーを組み込み、リンク部のボルトの締め付けトルクも メーカー指定の 48 Nm から 38 Nm へと変更して更に作動フリクションを減らす処理も完了した。


続いて、ライダーの体重に合わせて行なう必要のある “ プリロード調整 ” も行なう。
スタンドがあれば 一人でも簡単に行なえる作業だ。
先ずは 0G(無荷重)時の リアホイールアクスルの位置の計測で、シート上部から下げたメジャーで計測して 700 mm の位置をマーキングする。

トラ君のリアホイールトラベル量は メーカー発表で 130 mm。乗車(1G')時に 全ホイールストローク量の 1/3 を使う(沈む)のが基本だから、130 × 1/3 = 約 43.3 mm が乗車(1G’)時に 沈むようにすればよい。
だから、0G 時 の ホイールアクスルまでの距離、700 mm から 約 43.3 mm を引いて、 乗車(1G') 時の ホイールアクスルまでの距離が 656 mm( 700 mm-約 43.3 mm )になる様にプリロードアジャスターを調整するだけで 基本セットは完了だ。



『 試乗前の確認 』

先ずは、フリクションの具合を確認するため、スタンドに乗せた状態のまま、車体のテール部に手を当てて、ゆっくりと下方向へ 5 mm だけ押し下げてみる。

Good !!!

スプリングレートが 10 % アップしたスプリングに換装しているのに、変更以前と較べてはっきりとフリクションが小さくなっているのが実感できる。
それまでも、市販車とは較べられない程に小さかったのに、今度は 澄み切ったコンソメスープのような軽やかな味が感じられる程だ。

更に下へと押し込むと、スプリングレートの変更が顔を出してきた。反力が大きい。
場合によっては、スプリングレートを 1段階下げて 575 LBS / inch に換装する必要があるかもしれない。



『 さあ、試乗だ 』

その好印象は スタンドから 車体を降ろした時も続いた。
リアタイヤが ガレージ床面に接地した時の音が違う。 「ボスッ」と まるでパンクしたタイヤの時の様な音がするが、タイヤ空気圧は正常だから不思議だ。

市街地を走り出した時も好印象は続いた。
まっすくの道を普通に走っているだけで気持ち良い。
フリクションが減って剛性感がはっきりと出てきたので、タイヤの弾性感やグリップ感が一層はっきりと感じられる様になったのだ。
それは、まるでリア が 話しかけてくる様で、車体全体が活き活きと感じられ、路面の小さな段差を乗り越える感触が快感になり、シフトチェンジさえ気持ち良く感じられるからやめられない。


『 発見! 修正必要な内容は 』

しかし、良い事ばかりではなく、修正が必要な個所も出てきた。
先ずは、スプリングレートが 少し高く感じられるのだ。
リアの車高調整を終えた後、加速&減速時のリアの 車高変化量をチェックしたが、もう少し 明確な変化があった方が車体コントロールが簡単になりそうだ。
575 LBS / inch の レートのスプリングへの換装と同時に、リンクボルト の締め付けトルクも 一段階下げるのも良さそうだ。

もう一つの困り事への対処は簡単ではない。
少し表情の変わったリアサスペンション周りとの兼ね合いで、フロントサスペンションとのバランスが悪くなったのだ。
リアサスペンションの セット出しは簡単だけど、それとバランスさせる フロントサスペンション のセット出しは遥かに難しいのだ。
一度、過去のデータも洗い出して、どのセットが合いそうか検討する事から始めなくてはいけない。

< まだまだ 続く >