スズキさんが製作した動画を紹介します。
日本メーカーは、かつて小排気量で GPレースを席巻する活躍をしていた時代があったのですが、元々は貴族階級・欧州中心の大会運営体質の為か、急なレギュレーション変更によって活躍の芽を摘まれた時がありました。(今も、様々なスポーツで似た話はありますが ・・・)
その後、1973年、スズキが当時の常識を覆した 2ストロークエンジンで、ピストンを正方形の形に配置した 4気筒エンジン・スクエアフォアを GP500 に投入して、1976年以降、バリー・シ-ン氏やフランコ・ウンチーニ氏などが乗って、全盛時代を築く事になった RG500 が紹介されています。
それまでは、ノートンやアグスタなど 4ストローク中心の世界から 2ストローク中心へとレースを変え、英国車全盛から日本車全盛へと転換させた車両とも言えるのが RG500で、スズキに続いて ヤマハ や ホンダ も 2ストロークで参戦して、ケニー・ロバーツ氏や フレディ・スペンシャー氏などが活躍した事を覚えている人も多いでしょう・
時代は その後、2ストロークから 4ストロークへと変わり、今は 電動車へと変わる過渡期に入っています。
これからの世界を読み解く為にも、以前の様子を詳しく解説した、この動画の視聴をお勧めします。
先日、明石市へ所用で出向いた時、川崎重工業 本社工場 へ立ち寄ったところ、本社工場内にあった運転教習コースが改修されているのを確認しました。この教習コースは、以前、カワサキが1990年まで開催していたジムカーナ全国大会を開催していただけでなく、GRA が 1991年1月、初めて「レッスン」を開催する為にお借りした施設で、とても思い出が詰まったコースでした。
新しい施設は、この一年の間に改修された様ですが、施設の位置や大きさにほぼ変わりは無いものの、以前の様な “浮きコース” ではなく、全面フラットなアスファルト路面にペイントで規定コースを描かれた、最近の二輪用教習コースでよく見かける様式に変わっていました。
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走行路面が地面より 10㎝ 程高く作られた 通称 “浮きコース” は、1950年代以降、モータリゼーションの到来に合わせて、全国各地で開設された自動車教習所で広く採用された様式で、脱輪しないで正確な運転技術を身に付けるのに適したものです。
当然、GRA を発足させた頃、イベント開催用にお借りしていたコースの全ては同じ様式で、四輪とは異なり脱輪時の恐怖感は大きく、それは更に正確な運転操作技術を求められたものです。
しかし、“浮きコース” は 建設費用が高く、更にコース路面の縁の補修が必要な様式です。その上、1950年代は主流だったコンクリート舗装よりもアスファルト舗装の場合は更に費用が嵩む様式だった様です。その為、1980年代以降、免許取得課程に規定コースが求められる教習所を除いて、運転指導センターなどのコースの殆どは 全面アスファルト舗装+ペイントコース の組み合わせになっています。
また今後は、恐らく、二輪用の運転免許教習所であっても、坂道などの教習課程コース規定は残るでしょうが、全面アスファルト舗装+ペイントコースへと変わっていくでしょう。
確かに、“余分” な 転倒による事故を避けたいコース運営者側としては、建設と補修の費用面からも、当然の選択だと思いますが、コース縁の縁石の角を狙っていた当時を思い返せば少し寂しい気もします。
ただ、一般路上の多くは ペイントコース だと言えますし、逆にオートバイの基本的な特性 “サークル理論” を学ぶには 適した様式です。
従って、全国各地で “サークル理論” を学ぶ機会が増えていると言えるので、単にコースを走行して習熟(慣れ)する練習とは別に、“サークル理論” でオートバイの本質的な特性を知り、適切で基本的な運転技術を学ぶ人が増える事も期待できます。
GRAでは、その為にも、“サークル理論” の浸透を図る啓発活動を続けていきます。
「 ステムベアリングの調整方法は? 」という質問に応えて、“オートバイの基本講座” の Q&Aコーナーの『 ステムベアリングの調整について 』で解説と回答をしていますが、もっと具体的な説明がしたくて、質問をされた方へ動画で解説する事を約束していました。
その約束を果たす為に、本日(10/22)、同じ車種・VTR を使って、ステムベアリングの調整方法の動画を撮影をしました。 その内容は、正確な調整ができないのでお勧めではない “簡易調整” と、分解して正確な調整が可能な “分解適正調整” を、2本の動画で解説するものです。
順調に撮影は進みましたが、 分解してベアリングのレースを確認した所で想像をしていなかった事になりました。 レース表面に汚れが付着していたのです。それは、2020年6月、妖怪ガレージ・持込み企画 の 『 ステムベアリング整備 』で、同じ車種・VTR のレースで確認した汚れと同じで、傷や打痕など交換が必要な深刻なダメージではなくて、レースに損傷は無く、爪先で少し削れる程の汚れなのですが、原因が全くミステリーなのです。
対処は、バフで表面研磨する事で解消する事は前回経験済みですが、2本目の動画撮影と、汚れミステリーを解くのには時間が掛かりそうです。
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Q&A『 ステムベアリングの調整について 』
https://gra-npo.org/lecture/bike/Q&A/stem_bearing/stem_bearing_1.html
妖怪ガレージ・持込み企画『 ステムベアリング整備 』
https://gra-npo.org/publicity/report/2020/20200617_rep.html
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