妖怪大魔王・コバ法王日記

オートバイを分解して磨き、正確に組み立て独自理論でラインを探り、ストップウォッチと頭脳で感性を磨き、日々の想い語ります

トラ再走計画・リアサスペンション編 (その5) 「純正部品が一番 !? 」

2017-01-22 22:01:14 | トラ再走計画
トラ再走計画・リアサスペンション編、とことん最良をつきつめていたら、社外品の思わぬ “ 落とし穴 ” につまづいたから、その経験を書く事にしよう。
きっと、多くの人は知らない事があると思うから、是非、期待して欲しい。

まずは、“ 純正部品 ” と “ 社外部品 ” の違いから。



『 純正部品が一番 ! 』

オートバイ好きの多くは、最初から装着されてる “純正部品” を外して “社外部品” へと交換して、その “社外部品” が性能や機能向上に繋がっていると信じ、ステータスのように感じているだろう。

僕も、目立たたない部品を始めとして “社外部品” へと交換している個所は少なくないが、次の事ははっきりと言える。

「 純正部品は、オートバイの基本性能やバランスには欠かせない、最も最適化された部品だ 」と。

その理由は、純正部品はテストして検証されるレベルが高いからだ。
つあり、純正部品は単品で専用機器を使っての長時間のテスト&検証だけに留まらず、実際に車両に装着して、テスト&検証が専門職業とした人達がテスト専用の試験設備を使い、繰り返し繰り返しテスト&検証を行なっているからだ。



『 タイヤもマフラーも、サスペンションユニットも ?? 』

例えば、純正で装着されているタイヤは、例え市販されている同メーカーの製品と名称やトレッドパターンが同じでも、その車両のアピールポイントを伸ばして欠点を隠す様に、タイヤメーカーに試作させる幾つかの仕様から選んでいる製品だから、純正装着タイヤの方が全体のバランスがまとまっているのが普通だ。

だから、市販の同名称のタイヤや他の銘柄のタイヤに交換した場合、雑誌の評論家は決して書かないけど、オートバイ全体のバランスは純正タイヤの場合と較べると崩れていると言ってもよい。

が、市販タイヤはタイヤメーカーが膨大なテストを行なっているからまだ良いが、社外品のマフラーの場合はもっとバランスが崩れるのが普通だ。
純正のマフラーは、年々厳しさを増す排気ガスや騒音の規制をクリアしつつ、エンジン性能や燃費などオートバイ全体の性能バランスを、専用試験設備で繰り返しテスト&検証しているほど、車両メーカーの良心とも言える製品だ。

しかし、社外マフラーの場合には、最も品質の高いマフラーメーカーであっても、車両メーカーほどのテスト&検証を十分な期間をかけては行なわないから、騒音などの規制適合テスト以外、実走行テストを十分に行なってオートバイ全体での性能バランスを取っているとは決して言い難い。

けれども、マフラーの場合は検証しやすいからまだマシかも知れない。
それが、リアサスペションユニットとなると、社外品は十分な検証さえしていないから、更に具合が悪くて困りモノだ。



『 ユニットストローク量は 54mm 必要なのですが ・・・? 』

トラ君の本名(正式名称)は、2007年型 トライアンフ ストリートトリプルで、リアサスペンション周りのアライメント(部品毎の位置関係)を、同じフレームとエンジンブロックの レーサーレプリカ車(SS車)トライアンフ ディトナ675 の部品を流用して、デイトナ675 と同じにしている。

まず、純正仕様でのリアサスペンションの可動幅を確認してみた。
リアホイールの可動幅(ホイールストローク)で 130 mmになっていて、その際のサスペンションユニットのストローク量を、実物大の模型を作って確認してみると、「リアサスペンション編 (その3)」で確認したように、約 54 mm だった。
http://blog.goo.ne.jp/kobahouou/e/4847105fc91dde6457a3aad9f0ce8a18

そこで、実際に純正部品でストローク量(可動量)を確認したのが下図だ。

中央部の棒状の部分がピストンロッドで、ユニットが縮むとこのロッドの分だけストローク(縮む)のだが、このロッド(露出)部の長さが 約 51mm。そして、ロッド部が全てストロークした後でバンプラバー(通常はゴムやウレタン製)がユニット本体に当たって更に変形する量が 3mm と考えれば 合計 約 54mm と 実証できた。

そこで、サスペンションメーカーに 54mmストロークの製品をオーダーした。
そこは 2000年から使用していたメーカーで、部品の工作精度の高さや低速のストローク速度域での圧倒的なフリクション(摩擦)の低さから、ずっと一番のお気に入りのメーカーだったのに、返ってきた回答は ・・・

「 54 mm の ストローク の製品はできません 」だった。
製品一覧表には、トラ君は適合車種として載っているのに ・・・なぜ??

ここに、専門メーカーといっても、純正部品のようにテスト&検証していない実態が ・・・。
詳しくは、「 リアサスペンション編(その6)」で !!



トラ再走計画・リアサスペンション編(その4) スプリング到着!

2017-01-10 23:20:32 | トラ再走計画

トラ再走計画、長らく休載でした。 すみません!

書ける事はあったものの、仕様が決まらない事も重なり、
近々、そのサスペンション仕様について報告する予定で、
きっと参考になる方も多いと思います。 お待ちください。


そこで、その思考錯誤の結果、スプリング が到着した事を報告 ♪
( スプリングレート : 600 lbs/inch )

リアサスペンションに限った事ではなく、様々な個所で発生するフリクション(摩擦)はオートバイ本来の(純粋な?)動きを阻害し、コントロールを難しくするもの。

特に、サスペンションで発生しているフリクションというヤツは、知らず知らずの内に人間センサーを歪め、ライディングを低品質にしてしまうから要注意。

リアサスペンションで発生するフリクションは、スイングアームのピポットシャフト部のベアリング部、リンク機構のベアリング部、そしてダンパーユニットのピストンロッドとシリンダーユニットとのオイルシール部、同じくピストンとシリンダー間、ダンパーユニットの上下の取り付け部、そしてスプリング単体でもその伸縮時に発生するもの。

それらの解決方法は様々だけど、スプリングは簡単。
スプリング本体をより安定した性能を低フリクションで作動する品へ交換するだけ。

更に、スプリング起因のフリクションを低減させるユニットも導入予定。
近日中に、ここに至った経緯を報告の予定だから、是非! 期待を !!