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苫小牧市にある株式会社小金澤組のブログ。

文化財

2021-07-17 07:03:58 | 樽前山火山砂防工事の内 熊の沢川3号砂防堰堤左岸工事

今回の工事は、現場内に文化遺産が埋まっている可能性がある

ということで、発注時より木を切り倒し、草を除去した段階で

調査するという指示を受けていました。

 

予定通り木を切り倒し草を除去して現場内を一通りチェック。

・・・。

「?」

「なにこれ?」

「炭?」

ある一部分に炭が広がっているではありませんか。

「山火事かなんかで燃えた木じゃない?」

「・・・」

「いや、しっかり中まで炭なんだけど。」

「燃えたのなら中心部分は木のままじゃない?」

「・・・」

あきらかに炭。

発注者からは、あるとすれば狩猟で使用した落とし穴の

ようなものと聞いていましたので、若干の戸惑い。

 

その場所はそのままにしておき、その他の部分は

地表面に何も見えないので、表土を除去。

当然過去の物なので、その物の上に火山灰が降り積もったり

しているので掘ってみないとほぼ分かりません。

 

で、掘削。

表土をすきとるように10~50㎝程度掘削。

???

また?

炭。

はい、もう分かりません。

このまま見てもらうことにしました。

 

で、昨日。

発注者と文化遺産を調査する苫小牧市の方が

現場に訪れ、自分から現場の状況を報告して早速調査開始。

・・・。(調査中)

・・・。(調査中)

炭と思われたものは、確かに炭。

しかし、歴史としては新しいものだそうで、

調査の対象ではないそうです。

 

あとから掘削して出てきた方の炭はおそらく

「樽前山の噴火で発生した超高温の火砕流が立木を

一瞬にして炭化させたと思われる」ということでした。

やはり、燃えたのなら外側からジワジワ燃えていくので、

炭のようにはならないそうで、またそういう場合は木が

倒れて、掘削すると細長く跡が出てくることが多いそう。

確かにこの炭を掘っていくと、炭が縦に埋まっている感じ。

全員

「ほほー」

やはり専門家でなくては分からないもんです。

炭の周辺の火山灰を見ても高温でないと

この色にならないということが分かるそうです。

「ほほー」

 

結果、確かに人為的なものが見受けられるが、

調査対象とはならないという結果に。

(過去の周辺調査の結果から確認対象とはしたが、同じく

 過去の調査実績からは文化遺産が出土する可能性は低いそう)

 

まれにこのような文化遺産が出土する現場があり、

場合によっては、工事を一時中止して発掘調査を行い、

その埋まっている物次第では調査期間が数日~数年となります。

 

とりあえず今回は「GO」ということで、

掘削序盤はさらに文化遺産が無いか

注意しながら掘削作業を開始します。

 

土木部 1330

 

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