今回の工事は、現場内に文化遺産が埋まっている可能性がある
ということで、発注時より木を切り倒し、草を除去した段階で
調査するという指示を受けていました。
予定通り木を切り倒し草を除去して現場内を一通りチェック。
・・・。
「?」
「なにこれ?」
「炭?」
ある一部分に炭が広がっているではありませんか。
「山火事かなんかで燃えた木じゃない?」
「・・・」
「いや、しっかり中まで炭なんだけど。」
「燃えたのなら中心部分は木のままじゃない?」
「・・・」
あきらかに炭。
発注者からは、あるとすれば狩猟で使用した落とし穴の
ようなものと聞いていましたので、若干の戸惑い。
その場所はそのままにしておき、その他の部分は
地表面に何も見えないので、表土を除去。
当然過去の物なので、その物の上に火山灰が降り積もったり
しているので掘ってみないとほぼ分かりません。
で、掘削。
表土をすきとるように10~50㎝程度掘削。
???
また?
炭。
はい、もう分かりません。
このまま見てもらうことにしました。
で、昨日。
発注者と文化遺産を調査する苫小牧市の方が
現場に訪れ、自分から現場の状況を報告して早速調査開始。
・・・。(調査中)
・・・。(調査中)
炭と思われたものは、確かに炭。
しかし、歴史としては新しいものだそうで、
調査の対象ではないそうです。
あとから掘削して出てきた方の炭はおそらく
「樽前山の噴火で発生した超高温の火砕流が立木を
一瞬にして炭化させたと思われる」ということでした。
やはり、燃えたのなら外側からジワジワ燃えていくので、
炭のようにはならないそうで、またそういう場合は木が
倒れて、掘削すると細長く跡が出てくることが多いそう。
確かにこの炭を掘っていくと、炭が縦に埋まっている感じ。
全員
「ほほー」
やはり専門家でなくては分からないもんです。
炭の周辺の火山灰を見ても高温でないと
この色にならないということが分かるそうです。
「ほほー」
結果、確かに人為的なものが見受けられるが、
調査対象とはならないという結果に。
(過去の周辺調査の結果から確認対象とはしたが、同じく
過去の調査実績からは文化遺産が出土する可能性は低いそう)
まれにこのような文化遺産が出土する現場があり、
場合によっては、工事を一時中止して発掘調査を行い、
その埋まっている物次第では調査期間が数日~数年となります。
とりあえず今回は「GO」ということで、
掘削序盤はさらに文化遺産が無いか
注意しながら掘削作業を開始します。
土木部 1330
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