(『BRM418宇都宮200キロ』第3ステージ、新緑の矢祭久慈川沿いを走る参加者)
200キロのブルベなのに随分引いてしまって申し訳ありません。今回は棚倉の第2PC~第3PCの那珂川町まで、そしてゴールの森林公園内サイクリングターミナルまでのお話です。
午後2時5分、滅法いい天気のもと現れた、どこか懐かしいような橋のある風景。つい写真を撮りたくなってしまいます。これはもうブログを始めてからの病気なのかもしれません。
向かい風の中シャカリキになって、ここ久慈川自転車道の終点手前でかなり遠くに一瞬“へばなさん”の姿を捕らえたように思いました。でもここのトイレで用を足したり、記念の写真を撮っていたりしているうちに、いくら走ってもまたまた“へばなさん”の姿に追いつくことが出来なくなってしまいました。
午後2時26分、水郡線矢祭山駅で記念撮影。国道118号線は自家用車で何度か走ったことがあります。ですから所々で見覚えのあるような場所が現れたりしてくれます。
これが久慈川で間違いないと思うのですが、川岸の木々の新緑があまりにいい色で写真を撮らずにはいられませんでした。ところが、その後いくら必至になって漕いでも“へばなさん”の姿も匂いもわたしの前からまったくかき消えてしまいました。
ただ黙々と走って午後3時47分、カメラの光学18倍望遠が捕らえたのは、前方を走るブルベ2度目のアンカーの彼と・・・その前を走るのはママチャリの“へばなさん”!
ほっとしたらなんだか今までの疲れが吹っ飛んで、“へばなさん”を追い越し、先回りして写真に納めました。“へばなさん”のペースは全く変わりなしです。もうただただ感心するばかりでした。
へばなさん:「先に行ってていいよ」
koji:「はい」
“へばなさん”を抜き去りました。(勝った!)
と、目の前に現れた曰くありげな建物。黒い波トタンで造った窓のない鶏小屋のような長く異様な建物。『馬頭広重美術館』って書いてあります。すると安藤広重の浮世絵とかの美術館なのでしょうか?いえ、いくら何でも見ていく余裕は何処にもありませんでした。
へばなさん:「写真を撮っていくの」
koji:「はい」
また“へばなさん”に先を越されてしまいました。でも大丈夫、もう第3PCは目と鼻の先なんですから。
午後4時1分、スタートから162キロの第3PCセブンイレブン那珂川町馬頭店(制限時間11:46~17:48)に到着。ここでようやく“へばなさん”と一緒になることが出来ました。“へばなさん”は「ゆっくり休むと走りたくなくなっちゃうから・・・」とおっしゃっていました。ここで休憩をしていると背中より下、お尻の方にリュックを背負っている選手がいました。
koji:「これなら背中がムレなくていいよね」
なるほど、背負かたを工夫すればいいのか・・・。キャノンデールの彼は東京からブルベ初参加だそうで、第3PCを一緒に出発しました。というのも、その時にはすでに“へばなさん”は出発していたのです。そしてその後、彼とは偶然の巡り合わせで揃って同時にゴールするということになるのです。
「まてー“へばなさん”!こっちは二人組だぞーっ!」
ゴールまでの第4ステージは47.3キロ。八溝山グリーンラインというところを走るようです。一緒の彼と八溝山グリーンラインの入り口を見つけ乗り入れました。次々に現れるアップダウンの連続。何度繰り返したでしょうか、ふと後ろを振り返ると彼がおりません。頂上でリアバッグからヤマザキいちごスペシャルの残り半分とコーヒーを引っ張り出して補給しながら、しばし彼を待つことにしました。それでも彼が現れないので先行させてもらうことにしました。他人のペースに合わせるというのは、どちらにとっても難しいことで、かえって疲れを増加させてしまうことだってあり得るのです。“へばなさん”と初心者のわたしがまさにそうです。
その後も幾度と無く八溝山グリーンラインのアップダウンを繰り返して、これが何処の川なのか、とうとう太陽が低くなりはじめました。
午後5時49分、田んぼに沈む夕日があまりにも綺麗で記念撮影。その脇を何人かの選手の方が通り過ぎて行かれました。「よし、あの人達を目標に走っていこう。」急いで後をつけました。
交差点の赤信号で彼らに追いつき、そのまま追い越して先行しました。道路が良くて快調に飛ばしました。おっと“菜の花畑に 入り日薄れ ・・・”そんなフレーズがピッタリな光景が、たった今視界をよぎりました。「やっぱり撮っておこう!」Uターンして戻り始めると、後続してきた選手の方たちが呆気にとられているようでした。
宇都宮市街地にさしかかるともう完全に日没。お店の照明と車のヘッドライトの中で、ヘルメットに付けた“目玉おやじ”でコマ図とにらめっこです。間違い無いはずなのですが、いくら進んでも次のコマ図に一致する場所が無いのです。これは迷ったかも・・・。一つ前の位置まで戻ろうと走っていると、キャノンデールの彼と会いました。そこから彼と一緒にルートを見つけながら、ようやく暗闇の森林公園を走っていると、前方から一台の自転車がやってきました。こちらのライトの中に浮かび上がったのは“へばなさん”でした。
koji:「“へばなさん”!」
ライトが坂道をこちらへ引き返して来てくれました。
暗闇の中で記念写真を撮らせていただきました。“へばなさん”は明日も『BRM419宇都宮200キロ』なのです。これからまた30キロ自走して一旦自宅へ戻られて、また明日の早朝30キロ自走されここ森林公園においでの予定なのです。マシンのように規則正しいペダリング。そこから生み出される終始安定した速度はまったくのブルベ仕様。それは日頃からの弛まぬ地道な鍛錬から生み出されたもの。“へばなさん”の凄さを目の当たりにしたこの日でした。
「“へばなさん”ありがとうございました。明日もがんばってくださいね!」
終始“へばなさん”を追いかけ、結局追いつけなかった“へばなさん”。またおあいしましょうね。本当にありがとうございました。
スタートから209.3キロ。午後7時20分、赤川ダムの堰堤を走り、明かりの点いたサイクリングターミナル(制限時間12:53~20:30)へ無事到着。
一緒にゴールしたキャノンデールの彼。彼も7時スタート組とのことでした。ブルベ完走の記念写真を撮らせていただきました。道に迷ってどんどん深みにはまっていきそうなとき、暗闇から現れたまさに救いの神。本当にありがとうございました。
ブルベの一端に触れることができた本日の走行距離217.72 走行時間9:23 平均速度23.1 最高速度55.8
帰りの高速、全身を包む充実した疲れとかったるい足でアクセルを踏みながら、今この時間も自宅へ向かう闇の中、規則正しいペダリングでシャカシャカと進んでいく“へばなさん”を思いました。(終)
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伊王野でそばソフトが取り持った偶然の出会いからの、楽しい一時をありがとうございました。
それにしても、ブルベ中にも関わらず、大量に写真撮影されているのに驚きました。
ブロガーとして頭の下がる想いです。
それから、"へばなさん"凄すぎです。
ママチャリで230Km以上走った後に、あの笑顔(Wピースですし・・・)しかも翌日またブルベ参加・・・
怪物って案外近くに居るモンなんですねぇ
『道の駅東山道伊王野』までは何度か走っていた場所でしたから、このステージはとても安心感がありました。それで、名物の“そばソフトクリーム”を食べていこうと思い、道路を横断するタイミングをはかっていたときに“WAさん”に出会ったという次第です。
今回ブルベに参加させていただいて、ブルベの楽しみ方も様々あると言うことがわかりました。初参加で初めての場所を走るわたしの場合は、コース上に次々現れる全てのものが興味の対象になってしまいましたから、もううれしくって写真ばかり撮るハメになってしまいました。“WAさん”との偶然の出会いも、今回のブルベの大きなサプライズでした。
初めてのブルベだったのですが“へばなさん”がご一緒に走っていましたので、とても勇気づけられましたし、安心してコースを回ることが出来ました。“へばなさん”はホントに怪物です。
年を取ると疲れも後から出るって言いますが、それって本当です。わたしは今になって筋肉痛なんです。
ブルベ中にも関わらす“WAさん”との楽しいひとときを持てましたこと、特段想い出に残るブルベになりました。本当にありがとうございました。
で、ルートが気になってさっそくアルプスラボでチェックしました。
そうか、これって、「600キロ」とかなり同じルートなのですね。自分でルート選べば、これだけ起伏あるコースはとらないだろうと思いました。いやあ、恐るべし「ブルベ」。
それにしても、へばなさんは、超人ですね。
自称“川の流れのように派”のわたしですから、下るのはいいのですが、上りは全くの苦手なんです。これが当面の克服課題だと思っています。ブルベの神様“へばなさん”もおっしゃっていましたが、300、400となってくると夜間走行がとても大事な要素になってきますし、それがまたブルベの醍醐味なのだと・・・。ですから、300、400、ひょっとしたら600という距離に挑むためには、少しの坂で死んでいては、命が幾つあってもたりません。まだまだ日頃の訓練が足りないようです。ブルベに参加されていた方々はどなたも素晴らしい走りをされていました。
自分が走ってるところは撮れないので、貴重です。 ありがとうございました<(_ _)>。
私の「参戦記」は、配達で疲れちゃってて、ぜんぜん書けません(>_<)。 なんだか、次第に忘れちゃいそうですわ。
って感じです。
正直、感服つかまつりましたー。
200km超って完全に車の移動距離ですよね。
自転車はこれからの時代とても必要な乗物だ
ということを証明したような走りでした。
6/7センチュリーライド kojiさんにとっては
物足りないのでは?
鉄のお尻と鉄の豪脚を持つ鉄人たちのお話。
すごく面白かったっすよー。
いえ、でもこれが一番かも知れませんが、坂道が苦手なわたしは伊王野から棚倉へ抜ける戸中峠で死にそうになっていました。その点“楽山さん”はそうとう走り込んでおられますから、300だろうが600だろうが何も問題無しだと思います。
“へばなさん”はこれはスゴイです。
でも去年の深夜ブルベを走る“へばなさん”とお会いして『いつかはブルベ』と思っていたのですが、登竜門の200を“へばなさん”と一緒に走ることが出来てとてもうれしく思いました。
またこれからもよろしくお付き合い下さい。本当にありがとうございました。“へばなさん”のお写真、オリジナルを差し上げたいですね。
今回も伊王野から棚倉へ抜ける戸中峠で死ぬところでした。それが300、400、600となると、まだまだとんでもないことになっているのです。本当にこの人達はどうなっているんでしょう!“自転車乗り”はやっぱ“M”だと思いました。
しかしながら、センチュリーライドは平均が20キロですから、これはなかなか手強いですね。休憩と食事をしなければ走れそうな気もしますが・・・。