休日は風を切って

休日は自転車に乗って風を切って、そんな生活をずっと続けていけたらと思っています・・・

梅雨の合間に“みちのく自転車道”

2010年06月18日 | みちのく自転車道

(2010.6.17 乙字橋)

梅雨入り宣言がされた途端、天気予報には連日の“傘マーク”。早々と今週を夏休みに設定したわたしでしたが、残念ながら大きく外してしまったようです。そんな中にあって今日だけは辛うじていい天気のようです。

ということで、自転車に乗るなら今日しかありません。午前10時にとりあえずみちのく自転車道へ向かって漕ぎ出しました。スタートしてから2キロ、高倉の運動公園で背ポケットからカメラを出し、スイッチを入れたのですが無反応。「あっ、電池を充電したままだっ!」



午前10時54分、みちのく自転車道からビッグアイをパチリ。あれっ、ビッグアイの左側に新しいビルが造られているようですが、いままで気がつきませんでした。

そうそう、ビルといえば昨日の今頃は東京にいたんです。



夏休みを設定したのに天気は悪いし、それなら結婚式のために帰ってきた娘を乗せて東京に行っちゃえということにしたんです。そうすりゃ、ついでに三番目の娘の様子も見てこれるというわけです。



東京の中なんてナビが無ければ絶対に走れません。それに、片側二車線で中央寄りの車線を走る車が一台も無いなんていうことがままあるんです。<東京の人たちってどうして空いている方を走らないんだろう?>なんて思って、調子よくスイスイ中央寄りの車線を走っていくと、その先が“右折専用レーン”なんていう引っかけがあるんです。そんなとき“モノを言う”のが『福島』ナンバーです。勝手知らないよそ者<ヤロウはまりやがったな>ということで、やさしい東京の方々は多めにみてくれます。



そうそう、それで帰り道は東京から外側へ出てみようということで、国道20号線(甲州街道)を八王子方面へ向かったんです。すると、20号線の両側に銀杏並木が現れて、『多摩御陵』なんていう案内板があったんです。うーん、聞いたことがあるような、無いような・・・古墳なんかがあるんだろうか?せっかく来たんだから何でも見てやろうと、案内板に従って右折すると、今度は立派なけやき並木が現れました。道の両側に立ててある水色のセーフティコーンには“警視庁”なんて書いてあるんです。



突き当たりは大きな駐車場?になっています。と思ったんですが、SPとおぼしき方々とその車両だけで、他には一台も止まっていないんです。なんだかヤバそうな雰囲気に、そっと出口へ戻りかけたとき、広場入り口の警官詰め所と一般の駐車場がちゃんとあることに気がつきました。駐車場に入れると、これまた何台もの黒塗りのSP車両や、“東京消防庁”なんていう消防車まで駐車しているんです。



菊の御紋の入った紫の幕がかかった建物(御休憩所だと後でわかった)を左に見ながら、広場の先に見えた入り口らしきところへ歩いて向かいました。SPとおぼしき黒服のかたが静かに歩み寄られてきて
「中へ入られますか?」
と尋ねられました。
「中へ入れますか?」
とお聞きました。
「きょうは昭和天皇の奥様のご命日にあたり式典が催されています。只今、常陸宮様がおいでになられていますが、そちらに行かれますか?」
というようなことを尋ねられました。



そこでようやく、どうやらここは天皇家の墓所であるらしいと分かりました。
「いえ、この格好で参列しては失礼に思いますから、そちらには行きませんので・・・」
なにしろ短パンにサンダル履きでしたから。



綺麗な杉並木のなかを広い砂利道がずっと続いています。



広場があらわれ、鳥居が二つ並んでいました。ここは大正天皇と皇后のお墓でした。



これが大正天皇の墓(多摩陵)です。



階段の上には、石積みの台の上に玉石を敷き詰めた丸いドームありました。これがお墓のようです。多摩御陵で“古墳”をイメージしましたが、あながち間違ってもいなかったように思います。有名な仁徳天皇陵は“前方後円墳”ですが、後になってこちらは“上円下方墳(ウィキペディアより)”なんて言われるんでしょうね。



ここ多摩御陵には大正天皇(多摩陵:たまのみささぎ)と貞明皇后(多摩東陵:たまのひがしのみささぎ)、昭和天皇(武蔵野陵:むさしののみささぎ)と香淳皇后(武蔵野東陵:むさしののひがしのみささぎ)の4陵が造営されています。明治天皇以前のお墓は京都にあるそうです。広場の片隅、自然を利用した庭園の緑が綺麗でした。



少し寄り道してしまいましたが、本当に行きたかったのは相模湖。その手前に高尾山というところがあるようなので行ってみました。
「高尾ってモミジが有名なところ?昔“高尾”(実は京都のモミジの名所“高雄”の間違いだと後で分かることになる)なんていうテレビがあったよね」
と“ワイフ君”。
「それは相当前だよ。家具調テレビが全盛の頃、ナショナルだったか?そういえば“嵯峨”なんていうのもあったな。こっちは竹だった」



突き当たりが高尾山駅でした。電車の発車時間なのか、リュックを背負った多くの方々が行き交っていました。電車が行ってしまったあとは、平日だからなのかこのように閑散としています。



駅の裏側へまわってみて分かりました。高尾山駅は“斜めった”ケーブルカーの駅でした。どうやらここはトレッキングのメッカらしいです。



駅前には、こんな古風で由緒ありげなおそば屋さんもありました。なんでも、有名なお寺さん(高尾山薬王院有喜寺)もあるそうですが、時間が無いのでやめにしました。ところが、これは後で調べて絶対見るべきだったと後悔いたしました。



甲府に向かう国道20号線を走っているのに、“ワイフ君”は
「海に近くなっていくの?」
なんて言っているんです。
「それって相模湾のこと言ってるの?これはどんどん山の中に入っていくんだよ。先が甲府だもの」
<まてよ、相模湖って聞いたような気がしていたけど、おれも同じく相模湾っていうところからの連想なのか?>



相模湖は神奈川県の県立公園になっているんです。そんなに大きな湖じゃなくてダム湖なんです。公園には水力発電用のタービンなんかもモニュメントとして置いてあります。



平日のきょうは有料駐車場も無料開放。訪れる人はまばらですが、遊覧船なんかもあって、休日には相当の人出があるのかもしれません。

ちょっと話が前後して脱線してしまいましたが、ここで再び話しを「みちのく自転車道」に戻します。



とにかく暑い日になりました。みちのく自転車道にはこんな涼しげなところもあって走っているとヒンヤリするんです。これがずっと続いていれば最高なんですけどね。



乙字ケ滝の近くで水郡線の車両と出会いました。ディーゼルの2両編成というのがローカルチックでいいですね。



12時10分、これが今日の乙字ケ滝。水量が多く滝の幅がとても広くなっていました。



きょうは乙字ケ滝から阿武隈川沿いを南へ向かいます。本当はもっと早く出て伊王野を目指したかったのですが、白河の南湖公園折り返しがせいぜいだと思います。



中島村に入り、道路脇にとにかく良く育ったジャンボな“ビロードモウズイカ”がありました。



今の季節、どこでも見かけるのがオオキンケイギクとこのムシトリナデシコ。花の茎の部分にべたべたするところがあるので、小さな頃は“トリモチバナ”なんて言っていました。



これが“オオキンケイギク”です。繁殖力が旺盛で日本古来の植物生態系が脅かされているために、特定外来生物に指定されていますが、見た目が綺麗なのでそのまま放置されることが多いのです。家の周りや花壇にまで植えられていることさえあります。



午後1時3分、中島村“童里夢(ドリーム)公園”に到着。水分を補給してすぐに白河へと向かいました。



南湖公園まで4~5キロというところ、あの山が芭蕉も登ったという“関山”か。



午後2時11分、南湖公園到着。



ここまでなら坂道らしい坂道も無いのですが、なんだか少しくたびれました。



わたしはここの松並木の感じがとても好きです。



きょうは枯れ枝の除去作業が行われていました。散歩などしている方の頭に落ちてきたりしたら大変ですからね。



南湖公園ではいまスイレンのはなが綺麗です。今度のデジカメはやはりここ一番のズームが弱点です。



南湖神社前の楽翁(白河藩主松平定信)像。午後2時45分帰途につきました。




帰り道、とあるお宅の庭先にあったバイカウツギ(梅花空木)。純白のふくよかな花が好きでわが家でも小さな一株を植えてあります。まだまだ小さな木ですがそれでも今年は花をつけてくれました。




これはまた見事な花付きのヤマボウシ




そして今の時期走っていると、いたるところから漂ってくる甘い香りはスイカヅラ(吸葛)。白い花はやがて黄色く変わります。幼い頃よく花を引き抜いてその甘い蜜を吸ったりしました。



午後4時24分、乙字ケ滝に戻りました。橋の上で少し休憩してあとは一気に帰ってしまいましょう。今ならみちのく自転車道も散歩で混み合う時間帯の前に通過出来るかもしれません。



みちのく自転車道はところどころで両側の伸びきった草が道幅を狭めています。「イテッ」、草の穂が腕やスネをムチのようにたたくことがあります。



午後6時6分、阿武隈橋に到着。ここから家までは3~4キロぐらい。本日の走行距離150.40 走行時間6:27 平均速度23.3 最高速度50.2

明日からはまた天気が悪いのかあ・・・。



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23 コメント

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なかなか (へばな)
2010-06-18 19:54:49
東京にはしばらく住んでましたが、「多摩御陵」も「高尾山」も行ったことありませんでした。
なかなか良い所ですネ~。
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道草 (玉井人ひろた)
2010-06-18 20:54:26
最後の小道、二輪車はこの雑草の小さな実が凶器になるんですよね。
今はバイクで移動することが多くなっている私は夏でも長袖に手袋をしています。
特にこのフォトのがハンドルまで届くので当たると素手では痛い
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150Kmですか (Hiro)
2010-06-18 22:05:50
すごいですね。
みちのく自転車道もそろそろ修繕してくれるといいんですが…
ぼこぼこの路面をロードで走るとケツにきます。
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kojiさんには (ケンヂ)
2010-06-18 22:48:55
花の名前を教えていただいて,大変感謝しております。
学生時代は銀塩カメラでよく山野草を撮って大きく引き伸ばして飾っていたものですが,
オヤジになり…ようやく山渓の山野草図鑑を引っ張り出したところです。
でも,kojiさんのブログを見る方が早くわかるのでいいんですよ。

順調に自転車に乗っているのもうらやましいです。150kmを走る人はさすがです,
オイラは病気を隠れ蓑にして,ジテツーがようやく。
しかもブロックタイヤが重たく感じて,アンカーのMTBをスリックタイヤの交換する計画が着々と。

多摩御陵は人工林でしょうか。山深い東北地方の森林とは違う趣がありますね。
ステキな写真をありがとうございます!
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“へばなさん” (koji)
2010-06-19 01:45:24
多摩御陵、高尾山、いずれも東京にあってとてもローカルチックなところ。おおよそ東京らしくないところですから、そこが目的でない限りわざわざ足を向けるところではないんだと思います。
本当なら事前に目的地とその下調べがとても大切ですよね。わが家はいつでも行き当たりばったりの旅で、なにが起こるかわからないところが少し楽しみだったりもするのです。
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“玉井人ひろたさん” (koji)
2010-06-19 02:01:25
おっしゃる通りです。この写真のように背の高い植物はイネ科の植物で、ムチのようにしなやかな茎の先端に穂の重りが付いていますから、これはもう凶器なのですよね。そのほかクズなどのツルも痛いです。近頃は刈り取った雑草を飼料にする試みもされているようです。
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“Hiroさん” (koji)
2010-06-19 02:27:26
“Hiroさん”がおっしゃる通り、ロードバイクに乗られる方が「みちのく自転車道」を走らない理由にそれもあるのだと思います。もう大分長い間放置されていてボロボロ、ガタガタのところもありますよね。また一緒に走りましょうね。
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“ケンヂさん” (koji)
2010-06-19 02:42:28
インターネットが普及以前は植物の名前を知ることはとても大変なことでした。名前からその植物を詳しく調べることは百科事典で可能ですが、花や葉の形から植物の名前にたどり着くことはとても大変なことでした。ところが現実には後者のケースのほうがとても多いのです。
現代はインターネットで比較的たやすく調べられるようになってきました。これにはとても助かっています。花を見たらその名前を知りたいと思うのは誰しもおなじですよね。
アンカーのMTBのタイヤを替えて“街乗り仕様”にするなんていうのは贅沢でいいですね。
多摩御陵は参道の杉並木などを除けばあとは自然のままなんだと思います。周りは鬱蒼とした広大な自然林が続いているようです。
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盛りだくさん (TOSSY)
2010-06-19 13:51:16
今回は 時空を超えた2元中継 楽しませていただきました
バイカウツギ 見事ですね 私のほうではもう大分前に終わりましたとってもステキなみちのく自転車道 私も走りたいです
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初夏休みでしたね (ききょうや)
2010-06-19 17:41:13
東京の自然を楽しんで来られたのですね。高尾山ってハイキングにもよいところらしいですね。みちのく自転車道も初夏の味わい。そういえばオオキンケイギクを見つけました(というか今朝ブログを拝見してから出たので、もしやと思っただけですが)これでまた一つ花の名前を知りました。外来種なんですね。たしかに「はびこって」いました。きれいだからいいか、ではだめなんですね。
スイカズラも昔吸ったことがあるような。芥川龍之介の『芋粥』に「甘葛」という甘味がでてきた気がします。甘い葛を吸うから「吸い葛」なのでしょうか。
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