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六十を過ぎて始めた自転車旅行、山登りをつづります

2020年2月20日 賃金は、この20年の間にアメリカは2倍、ユーロ圏は1.5倍に増えたが日本は0.9倍と下がった。吉川洋『デフレーション』日本経済新聞出版社 2013年

2020-02-20 | 昼間のエッセー
200220_賃金は、この20年の間にアメリカは2倍、ユーロ圏は1.5倍に増えたが日本は0.9倍と下がった



 賃金は、この20年の間にアメリカは2倍、ユーロ圏は1.5倍に増えたが日本は0.9倍と下がった

 吉川洋『デフレーション』日本経済新聞出版社 2013年 p.175

 日・米・ユーロ圏の賃金は、下記の図によれば、1995年から2013年の間に、1995年を100として、
 米国は190(増加)、
 ユーロ圏は150(増加)、
 日本は90(減少)となった。

 (図)
 
 
 日本の1995年「100」というレベルは、バブル時代の(ハイレベルな)水準であり、2013年の「90」というレベルは、20年をかけてバブル期の始まりの水準に戻ったことを示している。

 (私の考えだが)この原因は、大企業において正社員が減少したこと、同時にその正社員の給与も減少したこと、大企業以外の会社の従業員が増加し且つその給与水準は低かったこと、非正規雇用の労働者が大幅に増加しこの部分の給与は(この20年間上昇せず)横ばいで推移した、これらのことが原因ではないかと思う。

 日本は、1995年当時には、米国の1~2倍程度の賃金があったが(私の推定)、この賃金差は、日本は賃金が減少し、アメリカは上昇したため、今では、一人当たりの賃金の絶対額においても日本<米国となっていると思う。

 この本の著者は、日本のデフレの原因を突き止めるのは難しいといっているが、私には、上記の長期にわたる賃金の下落が原因のように思える。

2020年2月20日 米国大統領一般教書は「できの悪いドラマ」か?

2020-02-20 | 昼間のエッセー
200220_米国大統領一般教書は「できの悪いドラマ」か?

 米国大統領一般教書は「できの悪いドラマ」か?

 2020年2月19日 産経新聞 p.6

 産経新聞は、「社説検証」欄で米国大統領が2020年2月4日、米国ワシントン連邦議会で行った一般教書演説について、日本各新聞社の社説を紹介している。

 それによれば、

 産経新聞「内向き(米国内へのアピールだけしかない)」
 朝日新聞「トランプ氏の外交は、目先の損得勘定で判断されている」
 日経新聞「できの悪いドラマ」、
 毎日新聞「自分の支持基盤だけに訴える内容」、

 と、けちをつけている。
 
 確かに演説は、米国内のテレビの視聴者に向け、自分のこれまでの仕事の結果について、米国はこのようにすばらしい国になった、と自慢している。

 しかし、大統領が、自分の仕事の成果を国民に(仮にそれが大げさであっても)アピールするのは、あたりまえのことであり「できの悪いドラマ」ではない。

 まず、ほとんどの日本人はこの大統領の「一般教書」の原文を読んでいないと思う。
 
 日本語では「一般教書」と訳されているものは、英語では「The State of the Union Address」という。
 米国大統領が、基本的な考え方を表明する。
 
 The State:連合、the Union:州、Address:表明
 The State of the Union Address:アメリカ合衆国大統領の国民に対するメッセージ
 
 トランプ大統領の「The State of the Union Address」の中のトピックを追って行く。

 1.自分が大統領になってから700万人の雇用を創出。

 2.失業率は、この半世紀の間で最も低い水準。
 
 3.アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系アメリカ人、アジア系アメリカ人の失業率は史上最低の水準。

 4.アフリカ系アメリカ人の貧困率は過去最低の水準。

  女性の失業率は、70年ぶりの低水準。
  退役軍人の失業率は過去最低。
  障碍者の失業率は史上最低。
  高校を卒業していない労働者の失業率は、米国史上最低。
 
 5.前政権では、低所得者向け食料購入補助券の対象者が1,000万人増加したが、私の政権下では700万人減少した。
  私の政権下では1,000万人が生活保護の対象者ではなくなった。
 
 6.前政権下では、労働年齢対象者の内30万人が職を失ったが、私の政権下では350万人が職を得た。

 7.いまやアメリカは、石油と天然ガスの生産量で世界一になった。
 
 以下、略。

 トランプ氏が大統領になってから、アメリカ合衆国の雇用・経済は改善されたのではないのか?
 もしトランプ大統領が上記の数値について嘘をついているなら、それを指摘すればよい。

 トランプ大統領の自慢話を、陥没から這い上がれない国の新聞社が、「できの悪いドラマ」と強がりを言っても、引かれ者の小唄にしか聞こえない。

2020年2月2日 今、スーパーで買い物をしても誰とも言葉を交わさない

2020-02-02 | 日記
200202_今、スーパーで買い物をしても誰とも言葉を交わさない

2020年1月31日 産経新聞 p.8 「談話室」

 いつも利用しているスーパーでは、代金を精算機に入れ、下の取り出し口からお釣りを取り出す。

 スーパーに入って出てくるまで誰とも話すことはない。

 駐輪場には人がいない。お金を入れ自転車を取り出し、だまって出てくる。

 駅では、機械にお金を入れボタンを押すと切符が出てくる。

 この間、誰とも言葉を交わさない。

 電車の中にいる人は、縦13センチ、横10センチのガラスの中をのぞいてばかりで、話しかけたりかけられたりすることはない。

 家を出て家に帰るまで、相手は機械ばかりで人間はいなくなったようだ。