鈴木孝夫「ことばと文化」岩波新書1973年
この本は、心の中でそうは感じていながら、的確に言い表せなかった問題を、説明してくれた。
感じていた問題とは、日本人の行動様式である。たとえば、海外旅行に行くときなぜ集団になるのか、なぜ人の陰口を怖がるのか、なぜ付き合う範囲が広がらないのか、などなど、いままで気はついていたけれど、説明ができなかった。
この本は、この部分を的確に説明してある。ただ、この本の説明を受け売りはできない。要約しても理解してもらえないだろう。やはり二百ページの新書を読み通してもらわなければならない。
いろいろな日本人論があるが、この本も、日本語から解き明かした素晴らしい日本人論である。この新書が1973年発行、2004年に59刷というのも肯ける。