リマの日本人宿である。日本人宿には、クスコ及びブエノスアイレスでもお世話になった。一泊45ペソ(約1500円)、値段は個室であり、相部屋であればもっと安い。住居のつくりは、道路に面して幅1mほどの鉄製の戸があり、その中に小さい中庭を囲むように両サイドに居住用の建物がある。この建物のつくりは他の南米の国でも一緒である。雨はほとんど降らないため、屋根はトタンなどで簡単に葺いてある。
日本人宿は、当然だが日本人には居心地がよい。オーナーは日本人であり、客も日本人である。日本語で用事が済む。客は若いバックパッカーがほとんど。ツアー客はいない。日本語が通じるため、バックパッカーはここで各地の情報を交換する。
この宿のオーナー(日系二世)の方に、これからの進路にあるナスカークスコ間を自転車で行けるかどうか聞いた。この間は、海抜0mから進み4390mの峠を最高として4000m台の峠を何ヶ所か超える。アンデス山脈越えで距離にして665km。オーナーは、即座に無理だという。トラックを雇うかバスに自転車を載せろ、という。いうことはわかったが、ことばのできない一人旅で、初めての国でどこでどうすればよいか分からず。
リマで初めての昼食。宿より20mのところにある食堂に一人で入る。テーブルが4つくらいで、客は私一人。年老いたおじいさんとおばあさんがやっている店。紙に書いたメニューはない。入口に4行ぐらい何かランチの名前と思われるものが書いてあるのだが、理解できない。和西辞書で「米」を引くと「アロース」と出ているので、大きな声で「アロース」と叫ぶ。アロースは通じたようだが、そのあと、いろいろ質問してくる。まったくわからないので、適当に相槌をうった。10分後出てきた料理は、上の料理でパスタの入ったスープと鶏肉とジャガイモを添えたライス。おいしい。この後、食堂に入ったときはいつも「アロース」と大声で叫んでいた。
(上)リマの街並み。
(上)宿の近く。ゴミ置き場は地上の上にある。おそらく犬対策だろう。大きい教会も見える。マンションの塀には有刺鉄線と電線が設置されている。
(上)クリスマスが近いので装飾用の人形などが売られている。果物の種類も多い。
(上)壁は落書きでいっぱいだ。南米ではどこに行っても落書きでいっぱいであった。