『ビース教会』
晩酌のない日々を送っている身、昨晩は機内泊、長距離のバス移動で心地よい
疲れが手伝って、苦も無くおやすみなさいも束の間って感じで朝が来る。ヨーロッ
パの一般的なホテルの朝食はコンチネンタル・スタイルと呼ばれるパンとコーヒー
だと説明を受けていた。以前、行ったイタリアでも朝食はこれと似たようなものだっ
た。朝6時30分から食べられるホテルのレストランに出掛けてみると、私たちと同じ
ようなコースを回る日本人のグループと一緒になった。食事は説明以外にハム、
ソーセージが準備されており、再び本場のものをご馳走になる。
以後のホテルもパン(数種類)、ハム、ソーセージ、スクランブルエッグの組み合わ
せに変わりなく、やはりヨーロッパの朝食は粗食だ。東横インのようなホテルの朝
食と余り変わりなく1泊5000円程度だから、外国の観光地のホテルはどれくらいの
値段になっているのか知りたいものだ。
朝食を終え、バスに乗り込みここから近くにある世界遺産のビース教会の見学に
向かう。朝から曇りに霧が混じっており遠くを見渡すことは出来ない天気で、雨や
雪に変わってもおかしくない模様だ。30分もしない内に草原に建つ変哲もない教
会が紹介された。車を降りると商売熱心な土産物屋は店を開けて、教会帰りの客
を待っていた。
教会に入るとガイドブックに紹介されているあのゴテゴテとした彫刻類が目に入り、
写真で見ると何がどうなっているのかよく分からなかったが、実物を見るとその精巧
さが分かり凄いの一言に尽きる。教会内部は撮影禁止とガイドさんは言っていたが、
先客の日本人グループは教会の職員らしき人の前でもパチパチと写真を撮ってい
るではないか。
撮影禁止なのだろうが職員らしき人は注意しないから大目に見て貰える?
と、勝手に解釈し隠しカメラ風に少しだけ撮ってみた。後でチェックしてみたがやは
り、写真で見るとよく分からない。実物を目で見て記憶に残しておけということなのか。
一番奥には最近亡くなられた子供さんたちをお祈りするコーナーがあり、乳飲み子
や可愛い盛りの子供たちの写真が飾られていた。
建物の外側と内側の劇的な違いに驚かされるのは、後日訪れるモンサンミッシェル
と全く逆のパターンだ。
世界文化遺産に登録されているとは思えない外観
写真に撮って見ると分かりにくいが彫刻、絵が凄い
『霧のノイシュヴァンシュタイン城』
相変わらずの天気の中を移動し城の下にある駐車場でバスを下される。山の上のお
城を見物した後は解散し各自で下まで降り集合する店を案内された。ここからはシャ
トルバスで中腹まで登って行き、途中からは坂道を徒歩で15分くらい行くと絶景ポイ
ントと呼ばれる吊り橋に出た。吊り橋の上からお城をみると後ろの山々とマッチし絵葉
書のような風景を見るはずだったが・・・・・霧に隠れて心眼を使えばくっきり、普通目
ではほんの一角が薄らと見える程度。
少し待ってみても状況は変わらず霧に隠れたドイツ一美しいとされるノイシュヴァンシ
ュタイン城の中に向かう。
しかし、こうした状況でもガッカリばかりではない。登って行き近くに来ると霧のかかる
幻想的な城が目に入ってきた。負け惜しみを言うのではないが、この風景は霧が深
くなければ見ることのできないものだから、霧があってよかったのだ。近くから見るお
城は補修の関係で何か新しく作ったもののように見え、遠くから霧の中に見たものと
は別物のようだ。
ガイドさんが正面入口の受付で団体の受付を行うと、入場時間が決められ30分ほど
待つことになり、土産物屋で暖をとる。ビース教会で出会った日本人グループとは別
の沢山のグループが入場を待っていた。チケットのNoが示すゲートで指定された入場
時間になると、入場を許され機械にチケットをかざしバーを押すと中に入ることが出来
る。場内は昔ながらのものが残されており古城であることには間違いない。らせん階段
をくるくる回っては2階、3と階上がり説明を受けるが、興味をそそるようなものはなく、
狭いらせん階段だから半径が短く目が回りそう。一応の説明を受け『Exit』を目指し
て城を出て、兎に角下へ下へ行けば集合場所に行ける…と言うことで解散。
城をサッサと出ると有料の12人乗りの馬車がいたので、乗り込むと全員が日本人だっ
た。曇天から小雪がチラチラの天気になり、日本では桜が咲いているだろうなーと寒さ
が恨めしい。
待ち合わせの店屋さんは日本人が経営する店だから、ここも日本人ばかり、私たちは
何処の国に観光に来たんだっけ、確か先ほどはドイツのお城を見ていたような気がす
るけど。朝早かったからゆっくりとコーヒーでも飲みたくなり、カフェに入り温かいコーヒ
ーを飲みながら、周りをみると外国の人ばかりでやっと旅行気分を取り戻したような気
がした。
本命ではない麓から見える別の城
絶景ポイントから心眼で楽しむ名城
近寄ると霧の中の城が見える
近代的な入場ゲート、電光掲示板で入場指示が出される
下山は馬車に乗って
ドイツの名城、ノイシュバンシュタイン 1