旅行する際、一番気になるのは治安状況だとか経済状況などは別として、その国
のトイレ事情を知りたい。日本のことを基準にしていると余りの違いに戸惑い、受け
入れ難いとトイレに行くこと自体が憂鬱になるからだ。
それは韓国旅行で初めて受けた洗礼、トイレに紙を流さない。使用済みのトイレット
ペーパーすら流すのはご法度で、便座の横に置かれているごみ箱の中に捨てるの
だと、ガイドさんからくどいように注意を受けた。ホテル以外の公衆トイレでも同様、
ごみ箱設置のトイレは紙を流してはならないと。
最初に泊まったホテルはソウル市郊外にあるスタンダードクラスだったから、昔風の
水洗設備で下水管の径が細いから詰まり易く、場合によっては損害賠償の対象に
なりうる等と脅かされた。しかし同じ韓国であっても明洞地区のスーペリアクラス以
上になると日本のトイレのように流すことができる。
私は使用後のトイレットペーパーを折りたたみゴミ箱に捨てる、この作業に抵抗感
があり出来れば勘弁して欲しい。誰でもそうだろうが・・・
そして分かったことは海外でもスタンダードクラスのホテルだと、紙を流すことはご法
度がある。クラスが上になるほど辛い義務から解放される。
日本のトイレは世界一といってもいいのではないかと思う。家庭ではもちろんのこと
公共施設内はもとより場所によっては公衆トイレでもウォシュレットを備えているもの
もある。海外でも最近建てられたお高いホテルには設置されているが、ないホテル
の方が一般的だ。今回、回ったドイツとスイスのホテルはスタンダードでも、まさかご
み箱設置ではあるまいなと思っていたらガイドさんのご説明あり。いずれのホテルも観
光地近くとはいえ田舎町のものだから下水施設などは古いものだと思われる。日本
では有料のトイレは非常に稀だが海外では水と同様に有料が多い。大きな収入に
はならないかもしれないが、それぞれ管理人がいるから小さな雇用に貢献している
のも事実だ。
変わり種はバンコクの有名な商用施設内のトイレに有料のものがある。どこの国で
もこうした場所にはトイレは当たり前に設置されているが、特化させて作られたとは
思えないのに数バーツ必要だった(無料トイレが別にあるのかは不明)。最も印象の
強いトイレは妻のレポート。中国ではトイレをしながら隣の人と大きな声
で喋りながら用を足しているとのこと。ガイドさんの説明では『日本では個室になっ
ているが仕切りの壁だけのところもある。値段の高いトイレは顔が見えないような壁
で下は丸見え、値段の安いトイレは逆に顔は見えるが下は見えない』そんなトイレ
もある。外国人は身長が高いから男子トイレでは便器の高さが、私から見れば以上
に高い。足の長さ・・・・・こればかりは如何せん・・・・子供用にスライドせざるを得な
い。手術をして食道、胃の一部を失ったことによる消化機能の欠如はトイレ事情に
も影響を与えているからと、以前より気にしているが、幸い自分でコントロールでき
る状態だから実態としての不便さはない。
体調という点から考えれば健常な人であっても、不調であればいつトイレを催すか
は分からないからあまり神経質になる必要はないと言い聞かせるようにしている。
いずれにしても、トイレは重要なことだ。身体から排出命令が出されれば、場所や
時をかまわず催促の嵐を受け、我慢にもいずれ限界がやってくることは明白なの
だ。『あの時は危機一髪だったなー』と笑い話で終わらせたいものだ。