古森病院@福岡市博多区です。
最近の小中学校は 春と秋に運動会を催し
二極化しているようですが
福岡市教育委員会から 今年度より 小中学校における
運動会でのピラミッドなど 危険性の高い組体操種目を全面禁止にするとの通達が出ています。
文科省の記事
************************************************
産経ニュース
2016.2.22 08:07
揺らぐ組み体操、各地で禁止へ 文科省、年度内に指針
「タワー」や「ピラミッド」などで知られる運動会の“花形”種目、組み体操が逆風にさらされている。学校での負傷事故が相次いだことで、組み体操の実施を禁止する方針の自治体が出てきたほか、馳浩文部科学相も「実施の自制を求めたい」と年度内に事故防止に向けた指針を示す。一方、専門家からは「有効性はある」「現場の判断に任せるべきだ」との声も。春の運動会シーズンを前に学校現場が揺らいでいる。(福田涼太郎)
◇
「国民的議論を」
「学校現場で自主的に行われていることを中止しろと言えないが、学校には子供に対する安全配慮義務がある」
馳氏は21日、金沢市内で行われた講演でこう述べ、組み体操の事故防止に向けた指針の必要性を改めて強調した。馳氏は19日の閣議後会見でも、「ピラミッドやタワーの教育的効果とは何なのか。どう判断したらいいか、国民も一緒に考えてほしい」と発言。実施の是非が国民的議論に発展することを期待している。
組み体操をめぐっては昨秋、大阪府八尾市の中学校で10段ピラミッドが崩れる様子の動画が注目を集めたことなどをきっかけに実施の是非の議論が高まった。
2月には大阪市が平成28年度からタワーやピラミッドの禁止を決定。千葉県柏市は2人一組で行う「飛行機」や「サボテン」と呼ばれる比較的簡単なものも含め、組み体操を運動会の種目から外す方針だ。
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福岡市が組み体操禁止 市教委通知、小中高など231施設 [福岡県]
2016年04月29日 03時05分
全国の学校で組み体操の事故が相次いでいる問題で、福岡市教育委員会は28日、「児童生徒の安全を最優先すべきだ」として、市立の小中高校、幼稚園、特別支援学校の全231施設に、組み体操の禁止を文書で通知した。近く保護者にも文書を配布する。
禁止したのは、四つんばいになった人の背中に乗り重なっていく「ピラミッド」と、肩の上などに立つ「タワー」。いずれも市内では、5段ピラミッド、3段タワーなどが主流だが、一部では高層化する傾向も見られ、「現状では、安全が十分には確保されない」として禁止を決めたという。
スポーツ庁の調査では、2014年度に組み体操を巡る事故が全国の小中高校で8592件発生。大阪市や千葉県の7市町、東京都の都立高校や中高一貫校などでも本年度、運動会でのピラミッドやタワーを原則中止にしており、各地で中止の動きが広がっている。
=2016/04/29付 西日本新聞朝刊=
***********************************************
管理人にも子供が居りますが、
今回の文部科学省大臣の問題提起に
心から感謝申し上げます。また 諸般の批判(があったであろうと思われます)を乗り越え
決断された福岡市教育委員会の英断に 初めて?福岡市民でよかったと思いました・・(笑)
管理人は 過去記事にも書きましたが
一時、他県の教育委員会に非常勤医療職技師として
勤務していたことがあります。
先生たちの健康や安全への関心、認識は 押しなべて低く、
当時 プールの飛び込み指導がようやく全面中止となったのですが
「飛び込みがなければ プールという気がしない」
などという教員の方の発言もあって、唖然としたものです。
プールを学年によって、水位を替えれるような構造にしている
学校はまだ少数派です。
低学年のために飛び込み台付近は水位が低くなっていますが
それは低学年と違い、身長の高くなってきた高学年が飛び込むときに
プールの底に頭部を打ち付け
頸椎損傷になる可能性が高くなるということを示しています。
安全な飛び込みについての指導もきめ細かいというよりも
「思い切っていけ」などという 安全面の確保という意味ではまったく
意味のない独りよがりの指導しかありませんでした。
思い切って飛び込んだ挙句、頸椎損傷になる生徒が後を絶たず、訴訟が起こって
ようやく飛び込みが全面禁止になったのに、前述のご発言・・・
ご自分の子供が頸椎損傷になっても、何も仰らないのだろうか・・
教育界は保守的で、外部から何か意見を言おうものなら
押しなべて「教育への不当な介入である」という風潮があり
本当に必要なことすら なかなか届かない面があります。
飛び込み禁止の後も、危険な組体操の継続、柔道剣道の必須化と
安全性を無視した体育教育指導が継続されてまいりました。
組体操も柔道も学校体育の中で、頸椎損傷を含む負傷が非常に多い種目です。
根性や気合だけで 何とかなる問題ではありません。
ラグビーも頸椎損傷が多い種目ですが
部活動などで選択制ならまだしも、教育の名のもとに全員に強制して
仮に重篤な合併症を負っても
それは運が悪いの一言で片づけられ、賠償金さえ払えばいいという風潮は
どうにもならないのかなとずっと思っておりましたので、
今回の決定を機に、学校体育教育における
安全性の配慮に乏しい風潮に風穴が開くことを期待しています。
管理人は実は、県教育庁時代に得た知見をもとに
学校保健に関する論文を二回 医学雑誌に投稿しています。
参考文献
日本スポーツ振興センター 災害共済給付支払い事例
(学校管理下における保険で、私学を含め ほとんどの学生が入っています。
給付金支払い事例が載っており、学校でどの種目でどんな事故がおこっているか
一目瞭然です。)
学校の管理下の災害(平成27年度)
http://www.jpnsport.go.jp/anzen/anzen_school/tabid/1781/Default.aspx
病院ホームページ
http://komori-hp.cloud-line.com/
最近の小中学校は 春と秋に運動会を催し
二極化しているようですが
福岡市教育委員会から 今年度より 小中学校における
運動会でのピラミッドなど 危険性の高い組体操種目を全面禁止にするとの通達が出ています。
文科省の記事
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産経ニュース
2016.2.22 08:07
揺らぐ組み体操、各地で禁止へ 文科省、年度内に指針
「タワー」や「ピラミッド」などで知られる運動会の“花形”種目、組み体操が逆風にさらされている。学校での負傷事故が相次いだことで、組み体操の実施を禁止する方針の自治体が出てきたほか、馳浩文部科学相も「実施の自制を求めたい」と年度内に事故防止に向けた指針を示す。一方、専門家からは「有効性はある」「現場の判断に任せるべきだ」との声も。春の運動会シーズンを前に学校現場が揺らいでいる。(福田涼太郎)
◇
「国民的議論を」
「学校現場で自主的に行われていることを中止しろと言えないが、学校には子供に対する安全配慮義務がある」
馳氏は21日、金沢市内で行われた講演でこう述べ、組み体操の事故防止に向けた指針の必要性を改めて強調した。馳氏は19日の閣議後会見でも、「ピラミッドやタワーの教育的効果とは何なのか。どう判断したらいいか、国民も一緒に考えてほしい」と発言。実施の是非が国民的議論に発展することを期待している。
組み体操をめぐっては昨秋、大阪府八尾市の中学校で10段ピラミッドが崩れる様子の動画が注目を集めたことなどをきっかけに実施の是非の議論が高まった。
2月には大阪市が平成28年度からタワーやピラミッドの禁止を決定。千葉県柏市は2人一組で行う「飛行機」や「サボテン」と呼ばれる比較的簡単なものも含め、組み体操を運動会の種目から外す方針だ。
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福岡市が組み体操禁止 市教委通知、小中高など231施設 [福岡県]
2016年04月29日 03時05分
全国の学校で組み体操の事故が相次いでいる問題で、福岡市教育委員会は28日、「児童生徒の安全を最優先すべきだ」として、市立の小中高校、幼稚園、特別支援学校の全231施設に、組み体操の禁止を文書で通知した。近く保護者にも文書を配布する。
禁止したのは、四つんばいになった人の背中に乗り重なっていく「ピラミッド」と、肩の上などに立つ「タワー」。いずれも市内では、5段ピラミッド、3段タワーなどが主流だが、一部では高層化する傾向も見られ、「現状では、安全が十分には確保されない」として禁止を決めたという。
スポーツ庁の調査では、2014年度に組み体操を巡る事故が全国の小中高校で8592件発生。大阪市や千葉県の7市町、東京都の都立高校や中高一貫校などでも本年度、運動会でのピラミッドやタワーを原則中止にしており、各地で中止の動きが広がっている。
=2016/04/29付 西日本新聞朝刊=
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管理人にも子供が居りますが、
今回の文部科学省大臣の問題提起に
心から感謝申し上げます。また 諸般の批判(があったであろうと思われます)を乗り越え
決断された福岡市教育委員会の英断に 初めて?福岡市民でよかったと思いました・・(笑)
管理人は 過去記事にも書きましたが
一時、他県の教育委員会に非常勤医療職技師として
勤務していたことがあります。
先生たちの健康や安全への関心、認識は 押しなべて低く、
当時 プールの飛び込み指導がようやく全面中止となったのですが
「飛び込みがなければ プールという気がしない」
などという教員の方の発言もあって、唖然としたものです。
プールを学年によって、水位を替えれるような構造にしている
学校はまだ少数派です。
低学年のために飛び込み台付近は水位が低くなっていますが
それは低学年と違い、身長の高くなってきた高学年が飛び込むときに
プールの底に頭部を打ち付け
頸椎損傷になる可能性が高くなるということを示しています。
安全な飛び込みについての指導もきめ細かいというよりも
「思い切っていけ」などという 安全面の確保という意味ではまったく
意味のない独りよがりの指導しかありませんでした。
思い切って飛び込んだ挙句、頸椎損傷になる生徒が後を絶たず、訴訟が起こって
ようやく飛び込みが全面禁止になったのに、前述のご発言・・・
ご自分の子供が頸椎損傷になっても、何も仰らないのだろうか・・
教育界は保守的で、外部から何か意見を言おうものなら
押しなべて「教育への不当な介入である」という風潮があり
本当に必要なことすら なかなか届かない面があります。
飛び込み禁止の後も、危険な組体操の継続、柔道剣道の必須化と
安全性を無視した体育教育指導が継続されてまいりました。
組体操も柔道も学校体育の中で、頸椎損傷を含む負傷が非常に多い種目です。
根性や気合だけで 何とかなる問題ではありません。
ラグビーも頸椎損傷が多い種目ですが
部活動などで選択制ならまだしも、教育の名のもとに全員に強制して
仮に重篤な合併症を負っても
それは運が悪いの一言で片づけられ、賠償金さえ払えばいいという風潮は
どうにもならないのかなとずっと思っておりましたので、
今回の決定を機に、学校体育教育における
安全性の配慮に乏しい風潮に風穴が開くことを期待しています。
管理人は実は、県教育庁時代に得た知見をもとに
学校保健に関する論文を二回 医学雑誌に投稿しています。
参考文献
日本スポーツ振興センター 災害共済給付支払い事例
(学校管理下における保険で、私学を含め ほとんどの学生が入っています。
給付金支払い事例が載っており、学校でどの種目でどんな事故がおこっているか
一目瞭然です。)
学校の管理下の災害(平成27年度)
http://www.jpnsport.go.jp/anzen/anzen_school/tabid/1781/Default.aspx
病院ホームページ
http://komori-hp.cloud-line.com/