古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

再生医療

2015-07-25 17:00:11 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

今日は再生医療のお話です。

再生医療と言うのは
①ノーベル生理学、医学賞を受賞された京都大学の山中伸弥教授のiPS細胞
受精卵由来のES細胞、昨今存在が曖昧になったSTAP細胞などの万能細胞と言われる細胞
(簡単に言うと 色々な臓器の細胞に変身できる細胞)を
利用し 文字通り障害された臓器を再生させる方法

②ヒトの細胞を取り出したあとに遺伝子加工して 再び患者さんの体内に
戻し、損傷の修復に必要な物質を分泌させ、組織の機能の正常化を図る方法

上記の何かの手段で、患者さんの生活レベルを上げるという
画期的な医療で、まだ実験段階ですが非常に注目されている分野の学問(今のところ部分的にしか
臨床応用されていないので学問のカテゴリーですが)です。

万能細胞とは
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/万能細胞


再生医療の対象疾患ですが、
細胞の機能障害や臓器の欠損により発生する疾患は
すべて可能性があると思われます。
臨床応用が始まろうとしている網膜色素変性症(失明に繋がる)、
パーキンソン病(運動機能障害)、慢性関節リウマチ(運動機能障害)、
脳卒中(運動機能障害)、アルツハイマー病をはじめとする認知症(認知障害)を始め、
ALS(運動機能障害)、血液疾患、悪性腫瘍、先天性あるいは
後天性の臓器欠損の補填などなど、、、、

以前は大学やメーカーの研究室で、
文科省の補助金や研究費などで細々と行われていた研究も
産学連携(メーカーなどが大学に寄付をして時限付きの研究部門を作って
(寄付講座と言います)、研究者を募る)によって研究資金を集めたり、
研究者が自分達でベンチャー企業を立ち上げ、
上場して株式を発行して研究資金を集めたり、
製薬メーカーではないベンチャー企業が目星をつけた研究者に
資金アプローチしたりと様変わりして来ました。

山中教授がノーベル賞を受賞された時、会見で
「まだ一人の患者も救っていない」と言われていたのが
先生のお人柄を反映して 印象的でしたが

臨床応用が始まった再生医療の一つの試みの記事をご紹介します。

日本人の医師(岡野栄之慶応大生理学教授)が参加している
ベンチャー企業などの紹介 (②の手段による再生医療)
http://webreprint.nikkei.co.jp/r/LinkView.aspx?c=331D402E452D4A9DA98ADE8EFD8F9243

御紹介記事の出典が一般新聞の医学分野でなく、経済分野の新聞というのが
個人的に面白いと思いました。


ホームページ http://komori-hp.cloud-line.com/





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