旅は続くよどこまでも。

とてつもなく不定期に、しかし何か思い浮かんだときにはどえらい勢いで書きなぐるブログ。

恐らく、最後のねぶた。

2007年08月06日 22時42分33秒 | 青森の日常。
私にとって。
・・・・多分。
今夜は夜間運行の最終日。
部屋の前の通りに出て、ビール片手にぼんやりとねぶたを眺めました。

長く親しんだ青森の巣を、来春撤収しようと考えている私にとって、青森最後の夏が過ぎようとしています。

寂しいね・・・・(´・ω・`)
いつにも増してねぶたの見送りが切なく見えました。

今年のねぶた大賞は、去年に続いて北村隆さんの作品。
『聖人・聖徳太子』というタイトルだったけど、ありゃあ随分荒々しい聖徳太子だなあ。
まー実際の聖徳太子も我々のイメージとは違って、案外シビアで冷血漢だったという話もあるから、あれでいいのかも。

目の前を次々に通り過ぎてゆく22台のねぶたを眺めながら、ほんのり秋風を含んだ夜風に吹かれ、思うのは青森で過ごした日々のこと。

うつ病のリハビリに、「私のことを知っている人が誰もいない場所に行きたい」と、青森転地療養を決めた2000年の初夏。
大好きな青森に住めるという高揚感。
ねぶた師の取材をしたくって、僅かなつてを頼ってねぶた小屋に飛び込んだ日。
ねぶたの製作現場に通いながら過ごした青森での初めての夏。
そのねぶた師に、いきなり「もう来ないでくれ」と言われたねぶた祭り前夜祭。
落ち込みながらも、へこたれず、次の取材対象を模索した夜。
そして五所川原の立ねぷたのことを知り、五所川原市役所に直談判に行った日。
ねぷた製作のボランティアをするため、毎日のように五所川原に通った豪雪の冬。
五所川原の友人に誘われ、『虫送り』で叩いた担ぎ太鼓。
手振り鉦を打ち鳴らした立ねぷた本番の夜。
エッセイを連載している雑誌の取材で、東奔西走した青森県内の町々。
一念発起して巡り歩いた津軽三十三観音札所。
様々な祭り。
弘前、土手町を粛々と進む幻想的な扇ねぷた。
八戸の通りを彩る三社大祭の煌びやかな山車。
一転、厳寒の中で繰り広げられる『えんぶり』の舞。
豊かな自然。
大好きな八甲田の四季。
新緑、紅葉、樹氷。
奥入瀬の流れ。
津軽平野にぽっかりと浮かぶ岩木山。
身体が浮き上がるような竜飛岬の突風。
大間から津軽海峡を隔てて望む函館山。
真夏の七里長浜に向かって延々と続く高山稲荷の真っ赤な鳥居。
十三湖での蜆採り。
小泊の青い青い海。
青池のほとりで聞くヒメハルゼミの声。
真冬の五能線に打ち寄せる日本海の荒波。
雪を被った白神山地。
ストーブ列車の中で焼くスルメの匂い。
恐山の鏡のような湖。
温泉の硫黄の香り。

この7年間で、どれだけ青森を体感できたのだろう。
まだまだ、全然足りない気がする。
青森を去ることになっても、私の中には青森が残るけれど、緑の山や、真っ白な雪原が残るけれど。
遣り残したことがまだまだある。


寂しいなあ・・・・。


あと半年。
できるだけ青森を楽しもう。
まずは明日の夜、ねぶたの海上運行&花火大会だ!(・∀・)