11月22日。
夜の青森駅は旅情満点。乗り込んだのは急行はまなす札幌行き。寝台料金なんて払えないから、もちろん座席車両さ。シートが広くてリクライニングも思いきりできる。寝心地良さそう。
22時45分、定刻に発車。
23時、車内照明が暗くなる。窓の外に街灯が流れてゆく。レールの振動が気持ちいい。やっぱ夜汽車はイイ!
23時36分、青函隧道に入る。トンネルの中で日付が変わった。
11月23日。
0時17分、青函隧道を抜ける。
1時少し前から進行方向右手に光が広がる。函館の夜景。汽車からもこんな綺麗に見えるんだ・・・真っ黒な海に挟まれた光の街は、地上に落ちてきた天の川のよう。
函館駅1時13分着、1時23分発。10分の停車時間に、ホームへ出て煙草を吸った。
長万部、東室蘭は眠って通過。千歳でなんとなく目が覚め、そのままうとうとと札幌に着く。札幌6時7分着。
10年ぶりの札幌。駅が見違えるほど綺麗だ。南口の広場で一服。
今回の札幌訪問は目的が明確だ。
(1)どうバカの聖地、南平岸界隈を散策する。
(2)まだ北海道でしか公開されていない映画『銀のエンゼル』を観る。
(3)劇団イナダ組第29回公演『カメヤ演芸場物語』を観る。
(4)JRタワーホテル日航の展望スパ「Pulau Bulan」で入浴する。
(5)気に入ったどうでしょうグッズ、イナダ組の物販品は迷わず購入する。
このようにただでさえ金を遣うのだ。余計な出費は極力避けたい。もとよりショボイ予算から削れるのは食費くらい。そこで持参したのは煎餅とチョコビスケット、各一袋100円。それを齧りながら早朝の札幌を歩く。
先ずは中島公園へ。『river』のロケ地探しをする。あの場面。劇中何度もフラッシュバックするあの場面はどこだ? とウロウロ。
・・・・あった。公園の南側出口に近いところに♪
『river』、ここでクランクアップしたんだな~・・・と、感慨に耽りつつ一服。
公園を抜け、幌平橋駅から地下鉄に乗る。3つ目の南平岸駅で下車。
南平岸の手前から軌道が地上に出るんだけど、もうその辺からHTBの社屋が見えるの。当然屋上の巨大onちゃんも見えるわけよ。なんかそれだけでニヤニヤしちゃう。駅を出るとHTBに向かって緩い上り坂になってる。と、思う間もなく左手に平岸高台公園が! あ、あ、あ、ココダ!・・・逸る気持ちを抑えて公園を横目に通り過ぎ、HTB駐車場入り口へ。
23日は休日。残念ながら玄関脇の「どうでしょうコーナー」を見学することはできません・・・つか、今何時よ? まだ8時前じゃん! 平日だって開いてねえってw
でもね、シャッター越しにバレンチノが見えましたよ。もっと近寄って張り付いて確認したかったんだけど、掃除のおじさんがいたのでやめといた。はは。
さて、屋上のonちゃんをカメラに収め、あとは高台公園だ。
HTBの周りをぐるっと歩き、通用門の前を通って――通用門・・・ここはもしやあの、シェフ大泉クリスマスパーティの会場となった場所でわ? そして数々の企画の出発点となった場所でわ?――と、と、とにかく興奮を抑え、高台公園の裏手に。
高台公園は一見、山が公園になっているように見えるけど、実際は書割状なんだ。つまり、表だけで裏が無い。正面から確認できる山の頂点が公園の一番奥で、その向こうはバッサリと造成され住宅街になってる。駅への近道だからテレビ画面でもやたらと人が横切るんだね。
な~るほど。枠撮りは広角だし実際は狭いだろうと思ってはいたが、予想よりずっと狭かった(゜∀゜)
でも、ここが聖地。下から振り仰ぐと、中央に白い鉄塔。左に茶色いマンション。右にはHTB。テレビで見るまんまだ。なんか不思議。たっくんとか、カブちゃんとか、体操ブラザーズとか、私は誰でショーの変なアメリカ人とか、バンジョー兄弟とか、タコ星人とかが此処にいたと思うとね、不思議なんだよ。
不思議な気分のまま写真を3枚撮った。
2枚目がよく撮れてた。
聖地巡拝を済ませたら、南平岸駅の高架をくぐり国道453号へ。
藻岩山がよく見える。あの麓にある藻岩高校に洋ちゃんは通ってたのね・・・なんて思いながら北へ向かって歩く。この辺は交通の便が良さそう。大型スーパーもあって住み易いかも。アパートも沢山あるし・・・ヤヤヤ、何を考えてるんだ、私は。
10分程で平岸駅。初乗り運賃ギリギリのすすきの駅まで地下鉄に乗る。地下街のカフェで一服、札幌駅ビルの7階にあるシネコン、シネマフロンティアへ向かう。上映20分前に着いたら物凄い人! なんだこりゃ?・・・そうか、『ハウル』だ・・・勘弁してよ~!
しかも全国共通前売鑑賞券を持っている私にモギリの兄ちゃんが言うにはだ!
「あちらの列に御並びください。当日券と引き換えなければ御入場はできません」だと!
クソだなっ! この映画館はっ! あちらの列って、この長蛇の列っ!?――と息巻いても仕方ないので大人しく並びました。あと15分。予告編があるはず。ギリギリ間に合うことを信じ・・・・間に合った(・∀・)♪
感想。鈴井3作品の中では、最もマシか。小日向文世さんの存在に救われた。テーマである家族の絆は伝わってこない。なぜ娘が父親に反発するのか。画面やストーリーに描ききれていない。展開に強引な部分がある。キーパーソンであるはずの西島秀敏の存在が中途半端。彼を掘り下げればずっと奥行きが出たと思われる。ただ、相変わらず画面は綺麗。あと、洋ちゃんの役どころが思ってたより良かった。大袈裟な演技があまり気にならない役だったから。
次に向かった道新ホール前にも沢山の人が。
12時30分、開場。エントランスは観客と物販のスタッフでごった返してる。知人に頼まれたパンフレットと記念グッズ、自分もパンフと過去の公演ビデオを買った。場内は満席。私の席は後方の端だったけど、ホール自体がそんなに大きくないので、案外観やすい。
そして、お芝居はというと・・・
【つづく】