ヒシクイが野付半島の基部、茶志骨川や当幌川の河口に広がる三角州のヨシ帯をねぐらに
することに気づいてからヒシクイを気にかけ、観察しています。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ 亜種ヒシクイが長旅で到着 ★
日本に来るヒシクイは2種に分類されています。亜種オオヒシクイと亜種ヒシクイですです。
根室地方に渡ってくるのは亜種ヒシクイ。主にカムチャッカ半島から渡ってきます。
1980年代まではヒシクイたちがどこから、どんなコースで渡ってくるかはほとんど
分かっていませんでした。1990年代にロシアと日本の合同チームが標識を装着した結果、
カムチャッカ半島の南西部で繁殖する亜種ヒシクイの個体群が越冬のために日本に渡って
いることを突き止めました。
この地域を離れた亜種ヒシクイは、9月の早い時期に北海道に姿を見せます。今年も
9月10日ごろに第一陣が姿を見せました。渡りのコースは千島列島伝いに南下してくる
可能性がありますが、オホーツク海を直接渡ってくることも考えられます。
それで野付半島に群れが海からやってくることを確かめたくて、9月から10月にかけ
半島をうろちょろしました。初めに見つけたのが9月16日でした。
毎週、早朝にヨシ帯から飛び立って行くヒシクイの数を大まかに観察しました。数は
多くなり、2000羽以上が内陸の牧草地へ餌を食べに出かけています。
以前から野付半島の途中の湿地にヒシクイの群れが降りているの見たことがあったので
そのあたりを気にして見ていたのです。そして10月20日、13時20分、国後方面
からゲルルル、ゲルルルというヒシクイ特有の声が上空からしてきました。
20羽から50羽ほどの群れが降るように降下してきます。先に降りていた30羽ほどの
群れに引き寄せられるようにぐるぐる回り、海面に降りて来ます。
普段飛び立って行く時のスピードと違い、ゆったり滑空して着水してきます。ヒシクイは
広い海面に降りているのを見ないので、興奮して見ていました。
後で写真で数を数えると283羽ほどの群れでした。