干潟は食べ物の宝庫です。水は多くの生き物を育みます。タンチョウも恩恵を
たくさん受けています。魚を捕る名人です。野付湾の干潟で良く捕るのがギン
ポです。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ タンチョウとオジロワシ・魚を巡る攻防 ★
水が引いた浅瀬でタンチョウは嘴から頭を水に入れ、アマモなどに隠れている
ギンポを掴んで引き上げます。20㎝から30㎝ほどの細長いギンポはくねくね体を
ねじらせ、逃れようと暴れます。
普段は嘴に挟んだまま、陸地に歩いて行き、落ちても逃げられなくして、弱らせ
てから頭の方から飲み込みます。
捕ったところを近くにいたオジロワシが見つけました。体がボロ雑巾のように
茶褐色した若い個体が素早く飛んできて、タンチョウに向かって来ました。
それに気づいたタンチョウが体を低く前傾、翼を半開きにして身構えました。
魚を持っているので、身軽に攻撃できません。威嚇し、盗られないような姿勢
になります。
さらに気づいた他のオジロワシも急遽集まってきます。前から、横から1羽が2羽、
3羽と矢継ぎ早にタンチョウの魚を狙ってきます。
正面から捕りに来た個体には飛び上がって、翼を広げ、威嚇します。咄嗟の判断、
攻撃です。
オジロワシもこの反撃にはブレーキをかけ、躊躇した様子です。横に逸れ、通過
して行きます。さらに上に来ていた個体が取りに来ます。正面からも来ます。
オジロワシたちは自分が手に入れることができなくても、次々に襲うことで誰
かが手に入れる戦略をとる雰囲気です。
あまりにもしつこい攻撃にタンチョウが諦めました。持っていた魚をぽとんと
落としたのです。それを見て、確かめたオジロワシたちは即座に行ってしまい
ました。
運がよかったのは魚。漁夫の利です。