窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

タンチョウとオジロワシ・魚を巡る攻防

2020-06-05 18:35:46 | タンチョウのいる風景

干潟は食べ物の宝庫です。水は多くの生き物を育みます。タンチョウも恩恵を

たくさん受けています。魚を捕る名人です。野付湾の干潟で良く捕るのがギン

です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★ タンチョウとオジロワシ・魚を巡る攻防 ★

水が引いた浅瀬でタンチョウは嘴から頭を水に入れ、アマモなどに隠れている

ギンポを掴んで引き上げます。20㎝から30㎝ほどの細長いギンポはくねくね体を

ねじらせ、逃れようと暴れます。

普段は嘴に挟んだまま、陸地に歩いて行き、落ちても逃げられなくして、弱らせ

てから頭の方から飲み込みます。

捕ったところを近くにいたオジロワシが見つけました。体がボロ雑巾のように

茶褐色した若い個体が素早く飛んできて、タンチョウに向かって来ました。

それに気づいたタンチョウが体を低く前傾、翼を半開きにして身構えました。

魚を持っているので、身軽に攻撃できません。威嚇し、盗られないような姿勢

になります。

さらに気づいた他のオジロワシも急遽集まってきます。前から、横から1羽が2羽、

3羽と矢継ぎ早にタンチョウの魚を狙ってきます。

正面から捕りに来た個体には飛び上がって、翼を広げ、威嚇します。咄嗟の判断、

攻撃です。

オジロワシもこの反撃にはブレーキをかけ、躊躇した様子です。横に逸れ、通過

して行きます。さらに上に来ていた個体が取りに来ます。正面からも来ます。

オジロワシたちは自分が手に入れることができなくても、次々に襲うことで誰

かが手に入れる戦略をとる雰囲気です。

 

 

 

あまりにもしつこい攻撃にタンチョウが諦めました。持っていた魚をぽとんと

落としたのです。それを見て、確かめたオジロワシたちは即座に行ってしまい

ました。

運がよかったのは魚。漁夫の利です。