野付半島の草原はエゾカンゾウをはじめとして、シシウドの仲間、ヒオウギ
アヤメ、フウロソウ、ハマナスなどの花が一斉に咲いています。それぞれの
葉っぱも生き生きし、草原全体が勢いに満ちています。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ ノゴマの季節 ★
ノゴマと言えば「日の丸どり」。こちらの人は笑顔で答えます。愛されている
野鳥です。聞き耳を立てると、街の中でさえ囀っている意外に身近な鳥です。
喉の赤が囀っているときにとても目立ちます。これが日の丸どりの語源です。
渡ってきて1カ月以上になります。彼らはいま子育てに全力を挙げています。
草原のコマドリと言われるほど、流麗で、耳に心地よい声は、草原の中では
ごくごく自然でノビタキやエゾセンニュウ、オオジュリンのように目立ちません。
モーツァルトの旋律みたいに流れるように自然で、華やかで、口では表せない
旋律です。何かに集中しようとしても決して邪魔にならない囀りです。
すでにその囀りは聞けなくなりました。花を求め、草原の中をうろついていると
エゾノコリンゴの小さな林の側で急に警戒する声を上げる鳥がいました。どうも
巣に接近したようです。
迷惑な侵入者です。声の主を探してみると目の前に現れました。嘴にいっぱい虫
を挟んだノゴマです。喉が赤い、いや橙色がかかった赤かな。発色の度合いから
若きオスでしょうか。
なにを持っているか、近寄って来たところを撮りました。拡大してみると、フナ
ムシ、小さなムカデ、ハエです。水辺に近いせいでフナムシがたくさんいるの
です。
ムカデらしき昆虫などを見れば、ノゴマが地面を歩き回り、虫を捕ってること
がよく分かります。
シマセンニュウが草むらの中びいる昆虫を捕っているように、ノゴマが地面に
棲む昆虫を中心に捕っているのがよく分かります。
そのせいでこの時期のノゴマは探しにくいのです。道路から探すにはいるかい
ないかわからない鳥です。囀るときは草の上に出てきますが、生活は草の下の
方です。尾を立ってている姿は凛々しいですね。がっちりした嘴が生活力の強
さを想像させてくれます。
それにしても花の時期のノゴマは似合うな。