野付半島は今、エゾノシシウドやアマニュウ、マルバトウキなどセリ科の花が
満開です。花は小さな花がたくさん集まる散形花序。傘形に集った集団花です。
遠くからでもよく目立ちます。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ シシウドの白い花に集まるノビタキ ★
この白い花の集団にはたくさんの昆虫が集まります。花の蜜を食べにくる虫たち。
小さなハエの仲間や蜂の仲間など、じっくり見ると相当な数の虫たちが花の上に
います。
草原の中の一角が白くなるので目立ちます。虫が集まれば、目をつけない生物は
いません。一番にやって来るのは子育て中の小鳥たちです。
花に来れば効率よく虫を集めることができます。嘴にいっぱい虫を挟み、ヒナの
ところに運びます。ノビタキやシマセンニュウ、ノゴマ、アオジ、オオジュリン、
カワラヒワ、ベニマシコなどが集まってきます。
中でも目立つのが花期に合わせるようにヒナが巣立つノビタキです。縄張り内に
咲くシシウドの花の近くにヒナを連れてきて、エサを捕っては運びます。
効率よくヒナに虫を運べるので、この時期のノビタキの両親はあくせくしていま
せん。ばらばらに散ってるヒナを周辺に集め、頻繁に餌を持って運びます。大き
くなり、自分でも虫を突くようになると花の近くに呼び寄せます。自分で虫を
捕るように仕向けます。
花の上にヒナが出てくると猛きん類やカラスが狙ってくるので、周りの警戒は
神経質なほど払います。ヒナは食べることに必死で、外敵には無頓着。私が
じっとしていると近くまでやってきたりします。
羽色は親に比べると茶褐色が濃く、目立ちにくいですが、ヒナの生き物への反応
が遅いので親はいつも心配しています。
育ちざかりで大食漢のヒナは豊富な食べ物で日に日に成長し、飛ぶ能力も高まる
ので、こんな光景はすぐに終わってしまいます。